FS推進事業をより良く批判するために

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 総務省のフューチャースクール推進事業も2年目。裏話的なことを書けば、ぼちぼち最終年度に向けた予算取り準備の時期に入っている。

 まずは進捗状況をご報告すれば、今年度の取組みは昨年度からの継続として粛々と行なわれているが、現場を取り巻く様々な事情は震災影響と省庁連携のおかげで、相当散らかった状態である。

 先日、ようやく事業拡張分である中学校と特別支援学校の公募があったところであるが、今回は総務省だけでなく文部科学省の事業としても応募して認められなければならないので、配慮しなければならないことは膨らんでいる。

 情報機器インフラ整備と情報機器活用促進という両輪のそれぞれを総務省と文部科学省が管轄することは、一見すると無駄なようでもあるが、やはり餅は餅屋が担当し、分けておいた方が後々効果を発揮するはずである。

 というのも、教育の情報化は、とかく学校現場のペースに合わせるという議論が優先されがちで、インフラ整備という観点から積極的に推し進める圧力に欠けてきた前歴がある。

 今回、総務省が「教育的な配慮」を見せながらインフラ整備の事業を展開してくれているのは有り難い話で、本当なら四の五の言わずに情報網引っ張ってしまえば、大震災が起きた時に避難所となる学校が情報のハブにもなり得るのである。

 そうであるから、文部科学省が教育への機器活用という限定的なところで取組みをするというのも、不得意なところで足踏みしないで済む分、指導法とか学習効果の部分に調査を注力できるメリットがある。


 フューチャースクールは、せいぜい10年後の未来を想定した試みに過ぎない。そういう意味では、皆さんが思い描く「よりよい未来」には見合うはずもない。

 ただし、10年後はその先何十年、何百年続く次の教育に移行するための大事な「入口」であることは確かである。

 その入口を明確なものにするためにも、私たちが取り組んでいるフューチャースクール推進事業や学びのイノベーション事業は、大変重要なものであり、ここにちゃんとエネルギーを注ぐ必要がある。

 ただし、そのためには皆さんにこの両事業を「正しく批判」していただく必要があると考えている。

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 フューチャースクール推進事業の取組みが報道されたものを見たり聞いたり、実際に実証校に見学に行って、「これじゃダメだ」という感想を抱く方々がいることを私たち関係者も知っている。

 ・導入しているシステムや機器がダメとか
 ・機器を使うことが目的化してる授業に意味あるの?とか
 ・業者が学校現場に売り逃げしているだけではとか
 ・機器の操作だけであんなに手こずって大変そうとか

 皆さんがご自分の経験や知識をもとに、様々な感想や判断をお持ちになる。

 それはそれで構わないと思う。まっとうな意見や批判は事業改善の課題や検討事項として参考になるし、単なる印象論にもとずく否定的意見や事実誤認に対しては反論するだけだし、冷ややかな感想やツイートは私たちの気持ちが萎えるだけである。

 それでも、もし少しでもこの国の教育の情報化の前進に役立つために一言二言が言いたいのであれば、こういう風に文句をつけていただきたい。

 
 「この事業の水準や成果はともかくとして、この取組みを後世に引き継ぐための努力を行なっているのか」と。

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 たとえば、有識者によって構成される省庁付の研究会一つとっても、異なる世代が交わる形になっていない。もう少し、先行世代が後継世代に財産を受け渡しができるように考えた方が良い。

 考えてもみて欲しいが、同じ予算を投資するとして、船頭多くて議論や視察ばっかりして終わる事業と、船頭と漕ぎ手がちゃんと関係を築いて、それが次代の船頭を育成することになる事業のどちらが投資対象として魅力的か。


 現在、各実証校で進行中のFS推進事業については安心していただきたい。皆さんには良くも悪くも見えるかも知れないが、実のところそれは誤差の範疇である(今になってその誤差は大き過ぎやしないかということも理解はしているが...)。

 なぜなら現場で得られているものは、お手本としてであろうと反面教師としてであろうと役立つはずだからである。「あんなもの入れて、役に立つわけがねぇ」という見解もまたその成果に含まれるのだから。


 もしも何かを批判的にチェックするのであれば、現場の成果を活かすように柔軟なマネジメントやコーディネイトできているのかどうかという点である。

 その意味で、省庁付の研究会が担う責務は大きいが、だからといってお歳を召している人々ばかりに未来をお任せするのはどうかと思う。もっと若い人達にトップに立ってもらって、現場を鼓舞して欲しいと思う。

 それだったら予算を割く価値があるというものだ。と、そんな批判をして欲しい。
 

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私は、
 ・成果発表会がオープンでだれでも参加できるようにする
 ・対象校自身が「こういうトラブルがあった」と報告できる
  (失敗の体験を公表でき、後続のプロジェクトの参考にできる)
 ・その報告書が、内部資料でなく公表できる
という度量のある中央官庁の理解のもとで、研究受託企業が報告書を公表してほしい(企業の自己検閲であいまいな表現が極力なされないという意味)ですね。

 100校プロジェクトは、失敗体験の共有の賜物であるといまでも考えています。
 パイロットプロジェクトというのはそういうものであって、最初から大成功の連続というのはあり得ないはずなのです。
 そして、当時苦労した現場の先生の何人かは大学の先生になって、プロジェクトを引っ張る人になってるし。
 フューチャースクールも10年後には、人材育成の宝庫だったと胸をはっていえるプロジェクトになってほしいです。

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