6月の波

得意でもないのに翻訳仕事をしています。

どっちかというと翻訳した日本語を推敲する作業が好きなのかも知れません。そして関連文献を手に入れて寄り道の読書をする方に熱が入ってしまいます。

そんな流れで、アルビン・トフラー著『第三の波』を読もうと思ったのです。ずっと気になっていたものの、そのものを読んだことがなかった。

それで検索をしてみると、中公文庫に納められているという。ただ、amazonでは中古しかない。しばらくあちこちの書店に寄るたびに文庫コーナーで探してみたんですが、やはりない。電子本もない。

ん〜?やはり未来学みたいな本というのは、扱いこの程度なのか?というか文庫が在庫なくて文庫を名乗っていいのか。著作権処理の問題もあって電子化も難しいか…。と、またいつもの残念パターン。

『第三の波』の古本を注文してパラパラ、昔買って最初だけ読んだ『パワーシフト』をパラパラ。「生産消費者(プロシューマー)」というキーワードが、こんなにフォーカスされていたのかとちょっと新鮮でした。この機会にトフラー氏の『富の未来』も注文してしまいました。

アルビン・トフラー氏は2016年6月27日にお亡くなりになりました(公式発表)。情報化社会論はもともと日本発祥ですが、情報時代の到来を世界的に知らしめたのはトフラー氏の『第三の波』でした。

『第三の波』には第25章「新しい心理体系」があって、満たされた情報生活の中での人間心理のような議論があります。それと直接関係するわけではないのですが、だいぶ前からFacebookなどのSNSで接続されている状況が人にもたらす影響のようなものに危機感のようなものを感じていました。

こういう道具を使えることに一種の万能感を持ってしまうとき、人によっては困ったことを引き起こしてしまう可能性もあるわけです。世界的には犯罪との絡みで問題が多発し、Facebookなどは監視体制を強化するようになっています。そこまで大きなことでなくとも、日常を壊していく事象はあちこちに発生しているように思います。

先月からFacebookを休止しています。私を検索すると同名同姓が1人居ますが、私ではありません。

いろいろなことが有ったような無かったような。いずれにしても、Facebookを利用し続けている状況だと、知人の皆さんまで巻き込んで迷惑をかけてしまう可能性が維持されてしまうので、単純に利用を停止しました。どうぞご了承ください。

6月もいろいろあり、あっという間に過ぎそうです。

20170520 落合陽一さんの特別講義

2017年5月20日に秋葉原で開催された「落合陽一 氏スペシャルレクチャー in 秋葉原プログラミング教室「魔法の世紀に生きる子どもたちへ」」という親子向け特別講義に参加しました。

落合陽一さんはメディアアーチストで筑波大学の研究者であり、「現代の魔法使い」とも呼ばれている人です。デジタルなど様々な工学技術を駆使して、実空間をいろいろ遊んじゃおうというか、ハックして面白いことやろうみたいな感じの人です。研究室紹介には「デジタルネイチャー」というキーワードが掲げられています。

ちなみに、落合さんとは面識はありませんが、私も東京大学大学院学際情報学専攻の修士修了生なので、ちょっと親近感を持っているのと、この辺のことに関心もあったので直接話を聞いてみようと思った次第です。

イベント自体が親子向けで、落合さんも子どもたちに向けて話すのがとても好きな様子。参加している子どもたちは秋葉原プログラミング教室に参加している子たちということもあり、こういうインタラクティブアート系なものやデジタル話はわりと通ずるみたいでした。

落合さんの取り組んでいる研究の話も、フェムトレーザー技術による中空での光表示や、特定ポイントだけに聴音できるスピーカーとか、子どもたちは興味津々でしたし、歴史の話もエジソンとフォードの2人を紹介しながら20世紀を振り返り、子どもたちに21世紀やこれからはもっといろんなことが塗り替えられることを伝えようとしていました。

パラメータライズという言葉を落合さんは使っていて、なるほど物事を徹底的にその観点から眺めてみると、いろんな壁をスルッと見通せちゃう感じがわかってきました。それでいて、英語のスライドには21世紀を「”Enchantment” Blackbox of Computation」(魔法:計算可能性のブラックボックス)と括るっているのは興味深いなぁと。すこし故Steve Jobs氏が基調講演でよく「It’s like a Magic.」と説明する場面を思い出したり。

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本当はもっとゆっくりと子どもたちとやりとりしながら話したかったみたいでしたが、直後に筑波大学に行ってシンポジウムに出席するとかで、最後は慌ただしく退場されました。

落合さんの講演自体はいろんなバージョンがYouTubeなどでも見れたりしますが、もう少しのんびりしたシチュエーションで研究を体験してもらいながら子どもたちとがっつり対話するという場面があるといいのだろうなぁと感じた講演会でした。

クラス同窓会に呼ばれて

5月も慌ただしく過ぎてしまいました。

EDIX(教育ITソリューションEXPO)で東京滞在する前に、愛知県に寄りました。私の初めての職場に十数年ぶりにお邪魔するためでした。

岡崎女子短期大学初等教育学科の卒業生たちがクラス同窓会に招待してくれたのです。その職場には9年間在籍しましたが、赴任したばかりの最初の1年目に受け持った学生たちのクラス同窓会です。当時の思い出は色濃く残っているけれど、一番古い記憶なだけに引っ張り出すのが大変といったところ。

実は、参加できるかどうか分からなかったため、せっかくもらった招待状を当日まで握りしめたまま。いつもの悪い癖で、飛び入り出席という形で向かったのでした。

久し振りのキャンパスに足を踏み入れると、守衛さんが「あ〜、りん先生、こんにちは」と声をかけくれました。私が退職するときと同じ方がずっとキャンパスを守ってくださっていて、まるで十数年のブランクなんかなかったかのように私と再会してくれました。

そのあと、クラス同窓会場である新しいカフェテリアに向かい、卒業生たちと再会。かなり驚かれましたが、少し話しているうちに昔の調子に戻って会話してました。出会って20年、卒業して18年経過していることになります。お世話になった先生方や職員さんたちとも嬉しい再会ができました。

それにしても、みんなすっかりお母さん。いろんな年齢の子どもたちとも触れ合って、楽しい時間を過ごしました。実は、こういう同窓会に呼ばれるのも人生初めてのこと。さて、まだまだ初めてのことたくさんありそうですから、頑張ろうと思います。

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