20190410_Wed 学習評価及び指導要録の改善等

文部科学省サイトで学習評価に関する通知が公開された。

小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(文部科学省)

基本的な考え方を見ると…

  • 「学習指導」と「学習評価」は…
    • 学校の教育活動の根幹
    • 「カリキュラム・マネジメント」の中核的な役割を担っている
  • 学習評価は重要な役割
    • 「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善
    • 各教科等における資質・能力を確実に育成
  • 学習評価の現状
    • 学校や教師の状況によって課題が指摘されている
  • 学習評価の改善の基本的な方向性
    • 諸課題に応える
    • 児童生徒の学習改善につながるものにしていくこと
    • 教師の指導改善につながるものにしていくこと
    • 必要性・妥当性が認められないものは見直していくこと

とされており,「観点別学習状況の評価の観点についても,これらの資質・能力に関わる「知識・技能」,「思考・判断・表現」,「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理」している。

そして,指導要録の参考様式も示されている。

評価が学習にとって大変重要であることは論を待たない。そして今回の学習指導要領改訂は,何を評価するのか,どのように評価するのか,という点が最大の転換点である。にもかかわらず,この点がもっとも理解されがたく,そしてそのための取り組みに時間やリソースを割くことがイメージされていない。

学習履歴やデータを収集し分析する研究やサービスが待ってましたとばかりに注目を集めているものの,それらを活用するためのノウハウはまだ蓄積段階。それらが諸課題に応えるものになることが期待されている。

個々の教師は,個々の学習者の成長を見取り語る術を磨くことが求められているのだろう。

20190409_Tue

火曜日は保育原理。

短期大学部の保育科新入生に向けた授業。授業ガイダンスとして,保育原理の位置づけなどを確認した。去年担当した学年ともまた違った空気であった。もう少し慣れてくれば堅さも抜けるだろうか。

ちょうど幼保無償化法案も審議されているタイミングでもあるので,少しでも関心を高めて,保育士になることへの自覚を強めてくれるといいなと思う。

20190408_Mon

研究日。

大学院担当者と院生との顔合わせがあった。新たな院生が一人なので少し寂しいが,その分,やりたいことをしっかりと支援できるという側面もある。担当する授業は一つだけだが,一緒にいろいろ学べればと思う。

20190405_Fri

前期授業開始。

さっそく新入生たちの情報処理の授業がスタートした。いまやクラウドアカウントがなければ,情報処理系授業は成り立たない時代だ。GSuiteによる大学メールアカウントの使い方についてガイダンスしながら,Google Classroomへの登録など下準備をする。

系列の小学校にプログラミング教育に関するレクチャーをした際に使用したスライドを公開したところ,まあまあ好評でいろんな方に参照していただいた。手際よくまとめたところがよかったようだ。

一方,ちょうど東京都の教職員研修センターの紀要に掲載された論稿が,ICTを使わないプログラミング教育という大胆なテーマ選択をしたことが話題になっていたこともあり,プログラミング教育に関するつぶやきが増えていた。東京という影響力が小さくない土地からの発信であるがゆえに,その選択テーマや辞令内容に懸念が走っていた。

研究をまとめた側にしてみると,現実的な問題として「ICTが使えない」現場のための方策を考えておきたいと意図したのかも知れないし,暗中模索して力及んだ結果があのような定義や事例だったことを本人たちも納得していないかも知れない。文部科学省から助言を受けていたにしては…と思うものの,まだまだプログラミング教育に関しては意見を交わしながら私たちの理解を深めないといけないと思った。

プログラミング教育? 前提からの理解

林向達「プログラミング教育? 前提からの理解」(20190404)

同じ学園に属する小学校に校内研修の講師として呼ばれました。

プログラミング教育について話して欲しいというご依頼でしたので,手際よくご紹介するためのスライドを作りました。文部科学省が進めている方向性を前向きに解釈しつつ,論理的思考に関しては「演繹」「帰納」「仮説形成」の3つで考える提案を盛り込んだものとなりました。

作成者である私の基本スタンスは,プログラミングよりもコンピューティング(コンピュータ技術が関わる領域)を学ぶ方向に発展することです。

そのため,このスライドで,プログラミング教育なら万事OKであると伝えたいわけではありません。それは「プログラミング的思考」なる言葉を参考資料内の引用部分以外使っていないことでも表しているつもりです。

それでも,実際の小学校の先生たちのシチュエーションに寄り添えば,学習指導要領やその周辺がプログラミング教育として推進しようとしている動きを無視して何かを語っても,現場の取り組みを後ろ立ててくれるものにならないと感じるだけです。

今回のスライドが「プログラミング教育」をフォーカスしているのは,想定している聴衆がそうした文脈を入り口にいま起こっていることを学ぼうとしているからにすぎません。

その上で,「プログラミング的思考」という言葉を殺しながら,この文脈で目指したい論理的思考を踏み台にして,「コンピューティング」という捉え方へとつなげていく「プログラミング」活動を模索するというのが私が選択している道筋です。

このスライドが,頭でっかちに受け取られてしまうのも,その辺の面倒くさい気の回し方が鼻についてしまうからかも知れません。

このスライドを再利用されることについて,特に制限はありません。学習や研修,研究において役立てていただけるのであれば,ご自由にシェアしてください。

平場で,いろんな議論が起こることを望んでいます。