中国語使用環境の相違

言語地域社会制度経済制度通用言語関連言語
中国社会主義人民幣普通話北京話
台湾自由主義新台幣国語/標準話台湾話
 中国語圏は広い。しかし、人間の集団生活は地域差を生む。このことは言語活動にも現れる。時間と空間の要素が加わると顕著な差異が認められるようになる。英語に米英の差異が存在することはよく知られている。台湾と中国において日常的に使用されていることばの乖離現象に注目する。
 言語使用環境の相違は簡単に確認できる。国民の身分証、流通貨幣、社会保険や医療保険それに生活習慣などから区別できる。学校教育や家庭教育それに社会活動によって言語の違いが際立つようにもなる。
 情報時代においても台湾と中国の中国語は、それぞれ独自のシステムとして存在する。メジャーソフトウェアメーカーが開発した入力方式が強力な支えとなっている。マックもウインドウズも便利な中文入力システムを提供する。繁体字も簡体字もピンインで入力可能である。一方、注音符号で入力するならハードとソフトを別途用意するなり工夫する必要がある。だが、ソフトウェアの開発により、実体キーボードに加えて、バーチャルキーボードが利用できることで注音符号入力のハードルも低くなっている。

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