拡張Scratch3.0用クラウド連想配列

昨年度末からずっと開発案件に取り組んでいました。

拡張Scratch3.0用のナンバーバンク(NumberBank)と呼んでいる拡張機能の新バージョン開発です。

ネット上に配列(数値を記憶する変数の並び)を確保することができます。簡易なデータベースとして使えば,データ加工や交換をするScratchプロジェクトも作成可能です。

公式Scratch3.0にはクラウド変数という機能がありますが,ナンバーバンクは拡張Scratch3.0用にクラウド変数を提供しているともいえます。

複数端末間でのプロジェクト連携が可能なので,キャラクター(スプライト)を遠隔操作したり,接続したセンサーからのデータを送信したり,サーボモーターを遠隔制御することも,一斉に可能です。

拡張Scratch3.0サイトとして有名な「Stretch3」で利用できます。

また,拡張Scratch3.0サイトが構築可能な「Xcratch」に追加できるモジュールも公開しています。

今回のバージョンアップで,各自が自前で用意するクラウドサーバー(現時点ではGoogle FirebaseのFirestore)をナンバーバンクのデータ保存場所として利用できるようになりました。

各自が用意したクラウドサーバーのAPIキーを預ける場所として新規開発したのがマスターキーバンク(MasterkeyBank)という専用サイトです。

このサイトで,皆さんのAPIキーをお預かりし,ナンバーバンクのマスターキーセットでサーバー情報を適宜提供するという仕組みにしました。

今回のバージョンアップによってブロックの使い方が変わるわけではありませんが,強いて違いを書くなら,マスターキーによって裏側のデータ保存先が変わったり,遅延設定で動作にかかる時間に違いが出るなどがあります。

ご自身がFirebase向けのプログラミングをされるのであれば,他のWebサービスなどとの連係システムを独自に開発することもできます。

中学校では,技術・家庭科の技術分野で〔情報の技術〕を内容として扱うことになっており,その中に「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題の解決」という学習事項があります。

この学習事項に関する実践事例が,いま急ピッチで蓄積されようとしています。

中学校技術・家庭科(技術分野)内容「D 情報の技術」研修用教材
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00617.html
オンライン講座「中学校技術・家庭科 D情報の技術 -授業実践の手引き-」
https://www.sainou.or.jp/senseimanabi/course/211221.html
2021年度 第5回オンライン授業に関するJMOOCワークショップ 「中学校技術・家庭科 D情報の技術におけるプログラミングの指導」
https://www.jmooc.jp/workshop20220322/
ねそプロ - ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング
http://iwate-manabi-net.sakura.ne.jp/nesopuro/
プログル技術
https://middle.proguru.jp/
中学校技術「利便性と安全性に配慮した双方向性のあるコンテンツ」 - TeReP(集まれ!プログラミング教材データベース)
https://terep.hiroshima-u.ac.jp/technology/298/
開隆堂「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによる問題解決」
https://www.kairyudo.co.jp/contents/02_chu/gijutsu/r3/r3gi-souhoukou.pdf
20181220「「ネットワーク」に「双方向」!? 倍増するプログラミングの学習内容に中学校の現場はどう対応するのか」(こどもとIT)
https://www.watch.impress.co.jp/kodomo_it/news/1159054.html

様々なアプローチが出てくることで,それぞれの学校の事情や実態に合わせて事例を参照することがしやすくなります。

ナンバーバンクもそのためのツールの一つになればよいなと思います。

ちなみに,Scratchから制御できる低価格な拡張ボード「AkaDako」でも活用事例の中でご利用いただいているので,いろんなフィジカルツールとの組合せも増えていくと楽しいなと思います。

構想はずいぶん前から描いていましたが,3月あたりから始めて,週末休みや連休はほぼ開発作業でした。おかげで何とか形にはなりました。いまは少し休憩。

次はもう一つの拡張機能であるパソリッチ(PaSoRich)もICカードリーダーの新型に対応する必要があるので,少しずつ作業を始めたいと考えています。

いろいろフィードバックいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

学習指導要領とプログラミング

小学校学習指導要領(2017年改訂)

(第1章 総則 第2の2)
    (1) 各学校においては,児童の発達の段階を考慮し,言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。),問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力を育成していくことができるよう,各教科等の特質を生かし,教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする。
(第1章 総則 第3の1) 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 各教科等の指導に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
    (1) 第1の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。 特に,各教科等において身に付けた知識及び技能を活用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,人間性等を発揮させたりして,学習の対象となる物事を捉え思考することにより,各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し,児童が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。
    (2) 第2の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科等の特質に応じて,児童の言語活動を充実すること。あわせて,(7)に示すとおり読書活動を充実すること。
    (3) 第2の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。 あわせて,各教科等の特質に応じて,次の学習活動を計画的に実施すること。
     ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動
     イ 児童がプログラミングを体験しながら,コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動
    (4) 児童が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を,計画的に取り入れるように工夫すること。
    (5) 児童が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。
    (6) 児童が自ら学習課題や学習活動を選択する機会を設けるなど,児童の興味・関心を生かした自主的,自発的な学習が促されるよう工夫すること。
    (7) 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,児童の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,児童の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。
(第2章 各教科 第3節 算数) (第3の2) 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
    (1) 思考力,判断力,表現力等を育成するため,各学年の内容の指導に当たっては,具体物,図,言葉,数,式,表,グラフなどを用いて考えたり,説明したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったり,学び合ったり,高め合ったりするなどの学習活動を積極的に取り入れるようにすること。
    (2) 数量や図形についての感覚を豊かにしたり,表やグラフを用いて表現する力を高めたりするなどのため,必要な場面においてコンピュータなどを適切に活用すること。また, 第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,児童の負担に配慮しつつ,例えば第2の各学年の内容の〔第5学年〕の「B図形」の(1)における正多角形の作図を行う学習に関連して,正確な繰り返し作業を行う必要があり,更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などで取り扱うこと。
    (3) 各領域の指導に当たっては,具体物を操作したり,日常の事象を観察したり,児童にとって身近な算数の問題を解決したりするなどの具体的な体験を伴う学習を通して,数量や図形について実感を伴った理解をしたり,算数を学ぶ意義を実感したりする機会を設けること。
(略) (第2章 各教科 第4節 理科) (第3の2) 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
    (1) 問題を見いだし,予想や仮説,観察,実験などの方法について考えたり説明したりする学習活動,観察,実験の結果を整理し考察する学習活動,科学的な言葉や概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などを重視することによって,言語活動が充実するようにすること。
    (2) 観察,実験などの指導に当たっては,指導内容に応じてコンピュータや情報通信ネットワークなどを適切に活用できるようにすること。また,第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,児童の負担に配慮しつつ,例えば第2の各学年の内容の〔第6学年〕の「A物質・エネルギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など,与えた条件に応じて動作していることを考察し,更に条件を変えることにより,動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする
(略) (第5章 総合的な学習の時間 第3 指導計画の作成と内容の取扱い) 2 第2の内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
    (9) 情報に関する学習を行う際には,探究的な学習に取り組むことを通して,情報を収集・整理・発信したり,情報が日常生活や社会に与える影響を考えたりするなどの学習活動が行われるようにすること。第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には,プログラミングを体験することが,探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすること。

中学校学習指導要領

第8節 技術・家庭
(第2〔技術分野〕の2) 内容
D 情報の技術
    (1) 生活や社会を支える情報の技術について調べる活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 情報の表現,記録,計算,通信の特性等の原理・法則と,情報のデジタル化や処理の自動化,システム化,情報セキュリティ等に関わる基礎的な技術の仕組み及び情報モラルの必要性について理解すること。
    イ 技術に込められた問題解決の工夫について考えること。
    (2) 生活や社会における問題を,ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミングによって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 情報通信ネットワークの構成と,情報を利用するための基本的な仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。
    イ 問題を見いだして課題を設定し,使用するメディアを複合する方法とその効果的な利用方法等を構想して情報処理の手順を具体化するとともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
    (3) 生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。
    イ 問題を見いだして課題を設定し,入出力されるデータの流れを元に計測・制御システムを構想して情報処理の手順を具体化するとともに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。
    (4) これからの社会の発展と情報の技術の在り方を考える活動などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
    イ 技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
(第2の3) 内容の取り扱い
    (4) 内容の「D情報の技術」については,次のとおり取り扱うものとする。
    ア (1)については,情報のデジタル化の方法と情報の量,著作権を含めた知的財産権,発信した情報に対する責任,及び社会におけるサイバーセキュリティが重要であることについても扱うこと。
    イ (2)については,コンテンツに用いる各種メディアの基本的な特徴や,個人情報の保護の必要性についても扱うこと。
    (5) 各内容における(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
    ア アで取り上げる原理や法則に関しては,関係する教科との連携を図ること。
    イ イでは,社会からの要求,安全性,環境負荷や経済性などに着目し,技術が最適化されてきたことに気付かせること。
    ウ 第1学年の最初に扱う内容では,3年間の技術分野の学習の見通しを立てさせるために,内容の「A材料と加工の技術」から「D情報の技術」までに示す技術について触れること。
    (6) 各内容における(2)及び内容の「D情報の技術」の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
    ア イでは,各内容の(1)のイで気付かせた見方・考え方により問題を見いだして課題を設定し,自分なりの解決策を構想させること。
    イ 知的財産を創造,保護及び活用しようとする態度,技術に関わる倫理観,並びに他者と協働して粘り強く物事を前に進める態度を養うことを目指すこと。
    ウ 第3学年で取り上げる内容では,これまでの学習を踏まえた統合的な問題について扱うこと。
    エ 製作・制作・育成場面で使用する工具・機器や材料等については,図画工作科等の学習経験を踏まえるとともに,安全や健康に十分に配慮して選択すること。
    (7) 内容の「A材料と加工の技術」,「B生物育成の技術」,「Cエネルギー変換の技術」の(3)及び内容の「D情報の技術」の(4)については,技術が生活の向上や産業の継承と発展,資源やエネルギーの有効利用,自然環境の保全等に貢献していることについても扱うものとする。

高等学校学習指導要領

第2章 各学科に共通する各教科
第10節 情報
第2款 各科目
第1 情報Ⅰ
(第1〔情報Ⅰ〕の2) 内容
    (3) コンピュータとプログラミング コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミングやシミュレーションによって問題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
    (ア) コンピュータや外部装置の仕組みや特徴,コンピュータでの情報の内部表現と計算に関する限界について理解すること。
    (イ) アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技能を身に付けること。
    (ウ) 社会や自然などにおける事象をモデル化する方法,シミュレーションを通してモデルを評価し改善する方法について理解すること。
    イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
    (ア) コンピュータで扱われる情報の特徴とコンピュータの能力との関係について考察すること。
    (イ) 目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し,プログラミングによりコンピュータや情報通信ネットワークを活用するとともに,その過程を評価し改善すること。
    (ウ) 目的に応じたモデル化やシミュレーションを適切に行うとともに,その結果を踏まえて問題の適切な解決方法を考えること
(第1〔情報Ⅰ〕の3) 内容の取扱い
    (4) 内容の(3)のアの(イ)及びイの(イ)については,関数の定義・使用によりプログラムの構造を整理するとともに,性能を改善する工夫の必要性についても触れるものとする。アの(ウ)及びイの(ウ)については,コンピュータを使う場合と使わない場合の双方を体験させるとともに,モデルの違いによって結果に違いが出ることについても触れるものとする。
第2 情報Ⅱ (第2〔情報Ⅱ〕の2) 内容
    (4) 情報システムとプログラミング  情報システムの在り方や社会生活に及ぼす影響,情報の流れや処理の仕組みに着目し,情報システムを協働して開発する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
    ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
    (ア) 情報システムにおける,情報の流れや処理の仕組み,情報セキュリティを確保する方法や技術について理解すること。
    (イ) 情報システムの設計を表記する方法,設計,実装,テスト,運用等のソフトウェア開発のプロセスとプロジェクト・マネジメントについて理解すること。
    (ウ) 情報システムを構成するプログラムを制作する方法について理解し技能を身に付けること。
    イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
    (ア) 情報システム及びそれによって提供されるサービスについて,その在り方や社会に果たす役割と及ぼす影響について考察すること。
    (イ) 情報システムをいくつかの機能単位に分割して制作し統合するなど,開発の効率や運用の利便性などに配慮して設計すること。
    (ウ) 情報システムを構成するプログラムを制作し,その過程を評価し改善すること。
(第2〔情報Ⅱ〕の3) 内容の取扱い
    (4) 内容の(4)のアの(ア)及びイの(ア)については,社会の中で実際に稼働している情報システムを取り上げ,それらの仕組みと関連させながら扱うものとする。
第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い 2 内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
    (1) 各科目の指導においては,情報の信頼性や信憑性を見極めたり確保したりする能力の育成を図るとともに,知的財産や個人情報の保護と活用をはじめ,科学的な理解に基づく情報モラルの育成を図ること。
    (2) 各科目の指導においては,思考力,判断力,表現力等を育成するため, 情報と情報技術を活用した問題の発見・解決を行う過程において,自らの考察や解釈,概念等を論理的に説明したり記述したりするなどの言語活動の充実を図ること。
    (3) 各科目の指導においては,問題を発見し,設計,制作,実行し,その過程を振り返って評価し改善するなどの一連の過程に取り組むことなどを通して,実践的な能力と態度の育成を図ること。
    (4) 各科目の目標及び内容等に即して,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した実習を積極的に取り入れること。その際,必要な情報機器やネットワーク環境を整えるとともに,内容のまとまりや学習活動,学校や生徒の実態に応じて,適切なソフトウェア,開発環境,プログラミング言語,外部装置などを選択すること。
    (5) 情報機器を活用した学習を行うに当たっては,照明やコンピュータの使用時間などに留意するとともに,生徒が自らの健康に留意し望ましい習慣を身に付けることができるよう配慮すること。
    (6) 授業で扱う具体例,教材・教具などについては,情報技術の進展に対応して適宜見直しを図ること。

令和3年度一般会計補正予算(第1号)案:教育ICT編

2021年11月26日の臨時閣議で,令和3年度一般会計補正予算(第1号)案が決定されました。

令和3年11月26日(金)臨時閣議案件
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2021/kakugi-2021112602.html

政府は「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を打ち出したばかりですので,補正予算案もこの流れに与する事業を中心に組まれています。案なので,残り国会での議決が必要です。

国内の初等中等教育の教育ICT関連ではこんな感じです。

これを事業概要の説明スライドで分け入って見るとこちらになります。

そしてこれらを担当する局課がこちらのリストです。問い合わせる際は,それぞれの課にコンタクトします。


これらはもともと令和4年度の当初予算で確保することを目指して,8月の令和4年度予算概算要求(おねだり)の時点で示されていた事業で構成されています。

国としては,経済対策を早急に行なわなければならないという流れもあって,令和3年度の補正予算を組むことに。この時期に補正予算を組むのだったら令和4年度予算と一体的に編成した方がいいよねというのがいつものお決まり。

年度単位で予算を組むという教科書的なお話はさて置いといて,現年度の補正予算と次年度の当初予算とを一体的に編成することが実際には行なわれているというわけです。今回は「16ヶ月予算」という事になるとのこと。

今回は「新時代開拓」というキーワードに沿うということでGIGAスクール構想推進関連の事業が補正予算側に盛り込まれたということになります。確保できるところで確保する。限られた全体予算を他分野他省庁と争う形で奪取しなければならない以上,手法として当然ということになります。

そんなわけで,令和4年度当初予算で確保しようとしていた事業の多くが,令和3年度補正予算側にお引っ越しをしてきたということになります。

現年度の補正予算と次年度の当初予算を一体的に考えるので,引っ越した分だけ令和4年度当初予算に新たな事業を追加するというわけではありません。財務省が認めたものがあれば別でしょうけれど。

そういう意味では,GIGAスクール構想実現において1人1台端末の整備の予算が電撃的に盛り込まれた令和元年度の補正予算は,その額の大きさとともにご記憶の方もいらっしゃると思います。

それにプラスして,令和2年度補正予算では,端末整備の前倒しのために予算確保されたのも記憶に新しいところです。

なお,端末整備に関しては地方財政措置を合わせて考える必要があります。

端末整備から端末活用のフェーズに入り,そのための(?)プラットフォーム整備に焦点が当たっているわけですが,まだまだ通信環境の条件が整っていないところは多いですし,間髪入れずに端末更新問題がやってきます。

台所事情は決してよくはありませんが,これからの時代に必要なことをしっかりやっていく必要はあります。

Xcratch – 拡張できるScratch3.0mod

拡張機能の追加をして拡張できるScratch3.0mod環境「Xcratch」のご紹介。

平成29年改訂の学習指導要領にもとづく授業の実施とGIGAスクール構想実現事業による情報環境整備もなされ,学校で情報教育やコンピューティングに取り組む機会も増えてきました。

プログラミング体験・教育の取り組みもその一つ。

そこで使うツールも様々ですが,Scratch(スクラッチ)はブロックを組み合わせる操作で利用できるグラフィカルプログラミング環境として広く利用されています。

Scratch自体もいくつかのバージョンを経て,現在の3.0は,HTML5対応の標準的なブラウザがあれば利用できる形になっています。(インターネット接続が前提ですが,ネットのない環境で利用できるバージョンもあります。)

Scratch3.0には,「拡張機能」と呼ばれるScratch環境自体に機能を追加してパワーアップできる仕組みが組み込まれています。

Scratchには標準でもたくさんのブロックが用意されているのですが,ここに機能を追加して新しいブロックが加わると,もっといろんなプログラムを組むことができるというわけです。

たとえば「音楽」とか「ペン」のブロックも機能追加する形で提供されています。

この他にもいくつか拡張機能が用意されていることが分かりますが,Scratch3.0の公式サイトで公開されている環境では,あらかじめ用意されている拡張機能以外を選ぶことはできませんし,新しく追加することもできません。あくまでも公式サイトがあらかじめ用意してくれているものだけです。

ところが,世の中には,面白い機能をもった拡張機能が,いろんな人々によって開発されて公開されています。

たとえば,機械学習を利用できる拡張機能「ML2Scratch」というものがあり,コンピュータに分類を学習をさせて自動判定処理をプログラミングすることができます。

その他にも,マイコンボードmicro:bitの機能をフル活用できる「Micro:bit More」といった拡張機能や,QRコードの読み取りができる「QRコード」拡張機能もあります。

これらはScratch3.0用の拡張機能なのですが,公式サイトに組み込まれていないため,現在のところ公式サイト上で利用することができないのです。


それならば組み込めばいいじゃないか…ということになりますが,公式サイトはそう簡単に追加してくれません。

そこで,公式サイトとは別に,独自にScratch3.0環境をつくって,それを改造(mod)して拡張機能を組み込んでしまえば好きな拡張機能が使える…という方法が考えられました。

それがScratch3.0mod環境です。

このmod環境を,インターネットのクラウド上に構築してみんなに使ってもらえるようにしたものもありますし,自分のパソコンや端末上のローカルな環境上に構築して自分やグループだけで利用できるようにしたものもあります。

とにかく,大元をどこかに複製して,改造や拡張を施したScratch3.0環境を使うのです。

それで,大元はどこから来るのか?

実は,Scratch3.0の大元(ソース)は,開発しているMIT(マサチューセッツ工科大学)のグループがインターネット上で公開しています。

というわけで,説明されている手順通りにその大元を複製して準備すれば,誰でもインターネット上やローカル上でScratch3.0環境を構築することができるというわけです。


ただし,大元を複製して環境構築できるといっても,それを改造するとなると大変。

そこで,ある程度改造を施した上で,あちこちで公開されている拡張機能を自由に追加できるような機構を最初から用意してくれているmod環境があれば,それを複製して利用した方が楽です。

というわけで,冒頭でリンクをご紹介した「Xcratch」は横川耕二先生が改造を施したScratch3.0mod環境で,これを複製して環境構築すれば,公式サイトのScratch3.0とはまた一味違ったScratchプログラミングが楽しめるというわけです。

外部の拡張機能を追加するには,あらかじめXcratch対応を施した拡張機能が公開しているURLをXcratch側に入力することで実現します。

これで[OK]すれば拡張機能がインターネットから読み込まれるというわけです。

あとは思う存分プロジェクトのプログラミングを楽しんでもらうということになります。


お恥ずかしながら,私も拡張機能を提供しています。

ScratchとICカードリーダSONY RC-S380を使ってICカードの番号を読み取る「PaSoRich」とクラウド上に数字を保存して連想配列のように利用できる「NumberBank」の2つです。

最近はキャッシュレス決済もいろんな方法が登場し,電子マネーといった方法でのお買い物についても扱った消費者教育も注目が高まっています

キャッシュレス決済のリテラシー向上を目的とした中学生向け教育プログラム
https://www.sony.co.jp/corporate/information/news/202105/21-010/
「学校内通貨」を発行するデジタルネーティブ小学生、大人は彼らに何ができるか
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00138/092400884/

こうした実践でICカード読み取りや数字を保存できる拡張機能が貢献できる部分もありそうです。

この2つの拡張機能をXcratch環境に追加できるように対応させました。

以下のURLを入力すればXcratchにそれぞれの拡張機能が読み込まれます。

PaSoRich (Xcratch用)
https://con3office.github.io/xcx-pasorich/dist/pasorich.mjs
NumberBank (Xcratch用)
https://con3office.github.io/xcx-numberbank/dist/numberbank.mjs

Xcratch環境でいろんな拡張機能と組み合わせると,さらに面白いプロジェクトをつくることができるんじゃないかと思います。こちらもぜひご利用ください。

共通テスト「情報Ⅰ」の誘い

[追記]20221110

大学入試センターが実際の試験時間(60分)を想定した試作問題を公開しました。

令和7年度大学入学共通テストの問題作成の方向性及び試作問題等について(令和4年11月9日)」(大学入試センター)

試作問題は本番プロセスで作成点検されていないとのことなので,配点も一時的なものと考えられますが,中野先生のまとめによると次のツイートの通り。

下のWebリソースリストにもその後の情報を追加しました。


[追記]20220128
国立大学協会が総会で令和7年度以降の共通テストにおける「情報Ⅰ」を正式に認め「6教科8科目の原則」の方針を示しました。これにより現在の中学3年生の学年から「情報Ⅰ」を共通テストで受験することになります。

「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」の公表及び「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」の策定に当たって(会長談話)の発表について」(国立大学協会)

私個人は初等中等教育を守備範囲にしてきたとはいえ,どちらかといえば義務教育段階を射程にしてものを語ることが多く,高等学校と大学入試は次元の違う難しさがあると思って深入りはしてこなかった。

とはいえ,教育と情報が織りなす領域に関心を持っている者として,大学入学共通テストが令和7年度から新たに「情報Ⅰ」を受験科目に導入するという話題に無関心ではいられない。

というわけで,いつものように集められるだけWebリソースを集めてみることにしよう。

令和7年度以降の試験に向けた検討について」(大学入試センター)
「新学習指導要領に対応した令和7年度大学入学者選抜について」(文部科学省)
情報入試研究会(情報処理学会)
教科「情報」の入学試験問題って?(情報処理学会)
大学入学センター試験「情報関係基礎」アーカイブ(情報処理学会)
キミのミライ発見(河合塾)
高等学校情報科に関する特設ページ(文部科学省)
20221110「2025年度共通テスト 情報1 試作問題 全問解説 解答速報 (東大合格請負人 時田啓光)」(YouTube)
20221110「【解法テクニック】大学入学共通テスト 情報Ⅰ 試作問題 第1問解説 (大学入試センター 2022/11/9発表):情報処理技術者試験・高校情報科対策の突破口ドットコム」(YouTube)
20221110「共通テスト「情報」、先生たちの受け止めは? 浪人生はどう対応?」(朝日新聞)
20221110「「わざわざ難解に」「生徒に身近」 共通テスト試作問題、高校の見方」(朝日新聞)
20221110「2025年大学共通テストで新設「情報」につきまとう不安 教育現場の実態は」(京都新聞)
20221110「資料読み考える力、測る 大学入学共通テスト、25年からの教科・科目 試作問題と特徴〈抜粋〉」(朝日新聞)
20221110「「大型サイド」共通テスト問題試作 本番意識、手探り授業 新設情報1、受験生不安も」(信濃毎日新聞)
20221110「共通テスト、新設の「情報」実践力重視 試作問題公表 日常題材で知識の活用問う」(日経新聞)
20221110「令和7年度大学入学共通テスト 試作問題(試問)等について〜教科「情報」関連〜:ELDI事務局〜情報教育支援プラットフォーム〜」(note)
20221109「<速報>大学入学共通テスト「情報」試作問題 解説」(日本文教出版)
20221109「共通テスト「情報Ⅰ」試作問題などの感想:きたむー」(note)
20221109「【高校情報1】共通テスト 試作問題解説【論理演算】:情報の情報」(YouTube)
20221109「2025年以降「情報」教科追加 大学入学共通テストの出題方法など示される」(日テレNEWS)
20221109「高校・情報科、「正規免許で授業」が増加」(日本教育新聞)
20221109「【共通テスト試作問題】情報 プログラミングやデータ活用の実践問う」(朝日新聞)
20221109「2025年の共通テスト試作問題公表 導入見送った「記述」など意識」(朝日新聞)
20221109「何もかも盛り込みすぎ? 共通テスト試作問題、代ゼミ本部長に聞く」(朝日新聞)
20221109「受験生の負担が増え続けていないか 共通テスト、東大院教授の疑問」(朝日新聞)
20221109「共通テストで新設の情報 ポイントは「家庭学習」」(産経新聞)
20221109「大学入学共通テスト、令和7年に再編 問題例を読み解く」(産経新聞)
20221109「令和7年に再編の共通テスト問題例を公表 発展科目など出題傾向判明」(産経新聞)
20221109「新設の「情報」対策 学校、予備校は手探り 25年大学共通テスト」(毎日新聞)
20221109「身近な題材の設問多い「情報Ⅰ」 25年以降の大学共通テスト」(毎日新聞)
20221109「共通テスト、実用的な力を重視する傾向鮮明に 試作問題を公表」(毎日新聞)
20221109「「プログラミング経験の有無が差を分ける」…新科目「情報I」など、共通テスト試作問題公表」(読売新聞)
20221109「共通テスト試作問題「情報」」(読売新聞)
20221109「大学入学共通テストの試作問題公表、「情報I」のプログラミングなど…25年に刷新」(読売新聞)
20221109「大学入学共通テストの試作問題を公表…大学入試センター」(読売新聞)
20221109「大学共通テ、実用力重視鮮明に 新科目の情報1、公共も」(共同通信)
20221109「大学入学共通テストの試作問題と解答 2022年11月9日大学入試センター公表」(共同通信)
20221109「公立高校の情報教員不足 長野県が全国最多 再来年にはゼロに:長野」(NHKニュース)
20221109「臨時や免許外が796人 公立高の情報科担当教員―文科省」(時事通信)
20221109「「情報」など試作問題公表 25年共通テストから実施―大学入試センター」(時事通信)
20221109「2025年大学入学共通テスト 新設「情報I」などの試作問題を公表」(NHKニュース)
20221109「共通テスト新設の「情報」試作問題 デジタル実践力問う」(日経新聞)
20221108「大学入試新設「情報」、教員足りない 16%正規免許なし」(日経新聞)
20221108「「情報I」公立高校で免許持たずに指導の教員 全国800人近くに」(NHKニュース)
20221108「「高等学校情報科担当教員の配置状況及び指導体制の充実に向けて」を公表しました。」(文部科学省)
20221107「共通テスト新科目「情報I」を配点0 国立大の予告に識者「世界からのデジタル化の遅れが発生」」(ENCOUNT)

20221031「「情報1」の教員不足 国が都道府県などに改善計画の提出求める」(NHKニュース)
20221024「「情報」適切な配点を 共通テストで情報処理学会が要望」(日本教育新聞)
20221018「埼玉県教委、県立高校でデータ教育強化 モデル校で先行」(日経新聞)
20221017「共通テストに「情報I」新設 新科目設置で高まる“現役志向”、大手学習塾幹部が解説」(ENCOUNT)
20221017「共通テストで「情報」に配点しない一部大学に、情報処理学会が批判声明」(こどもとIT)
20221016「北海道大・徳島大が共通テスト情報Ⅰの受験必須・配点なしの雑まとめと私心:マイペース【情報Ⅰ】」(YouTube)
20221013「一部国立大の共通テスト「情報」配点ゼロ予告に情報処理学会が反発 「不適切な入試を看過できず」」(ITmedia)
20221012「北大・徳島大2025年大学入学共通テスト情報Ⅰは点数化しないっていったいどういうこと!?:GIGAch」(YouTube)
20221012「共通テスト「情報Ⅰ」 受験必須でも合否に使わない? 北大と徳島大」(朝日新聞)
20221012「大学入学共通テストで「情報」を必須としつつ配点しない入試に対する本会の見解」(情報処理学会)
20221008「高校の新科目「情報Ⅰ」始まったが 専門教員の養成・配置は進まず」(朝日新聞)

20220909「2025年度(令和7年度)大学入学共通テスト(高校新課程初年度)教科「情報」(科目「情報I」)必須(等)となる大学 大学からの入学者選抜・入試要項等の公表一覧:ELDI事務局〜情報教育支援プラットフォーム〜」(note)
20220908「ZOA、高校生にパソコン販売 「情報Ⅰ」必修化で需要増」(日経新聞)
20220903「公立高の「情報科」 専門免許ない教員が15% 教育の質に課題」(朝日新聞)
20220903「情報科の教員採用、20年で1人だけの県も 公立高、地域格差の実態」(朝日新聞)
20220901「【募集】令和7年度以降の大学入学共通テストの試作問題に関するモニター調査の実施について」(大学入試センター)

20220729「『高校の情報Ⅰが1冊でしっかりわかる本』著者の実践!情報Ⅰデモ授業:かんき出版」(YouTube)
20220725「足りない高校の情報科教員 「争奪戦」採用試験で30点上乗せも」(朝日新聞)
20220725「高校の情報科教員「各校1人以上」 専門家が求める新時代の予算措置」(朝日新聞)

20220622「2025年入試「情報」を導入するのはどの大学?:塾講師チャンネル」(YouTube)

20220419「「情報Ⅱ」の教科書 大学個別入試も意識? 「ガチャ」の確率も紹介」(朝日新聞)
20220329「共通テストの「情報Ⅰ」対策、ポイントは 元文科省調査官に聞く」(朝日新聞)
20220329「大学入試の「情報」 個別試験や高校の対策は? 情報処理学会で議論」(朝日新聞)

20220204「共通テストに「情報」…大学教授・予備校講師「拙速な導入に反対」:塾講師チャンネル」(YouTube)

20220129「国立大受験、「情報」追加を正式決定 25年共通テストから」(朝日新聞)
20220128「共通テストに「情報」 配慮求める高校 「国立大離れ」懸念も」(毎日新聞)
20220128「国立大入試 共通テスト 2025年から「情報」加え6教科8科目に」(NHKニュース)
20220128「国立大受験、共通テストにプログラミング…25年から「情報」追加で6教科8科目に」(読売新聞)
20220128「国立大受験、25年から新教科「情報」 デジタル人材育成」(日経新聞)
20220128「「情報」が国立大入試で必須化、6教科8科目制に 「大学教育を受ける上で必要な基礎能力」」(ITmedia)
20220128「国立大協会、共通テストに「情報」追加 25年以降、6教科8科目に」(毎日新聞)
20220128「国立大、共通テストで「情報」出題、正式決定」(日本教育新聞)
20220128「「情報I」追加決定 大学入学共通テスト 中学受験生は有利? 新たな大学入試対策」(Motoサピblog)
20220128「25年国立大受験に「情報」追加 共通テスト、原則6教科8科目」(共同通信)
20220128「5分後、不安が希望に変わる:共通テスト「情報」必須化でIT講師としてどうしても伝えたいこと:せかチャン - 世界一わかりやすい情報科チャンネル」(YouTube)
20220120「共通テスト「情報」、大学教授・予備校講師ら「拙速な導入に反対」」(EduA)
20220117「25年から新たに「情報」 科目再編、時間も延長―共通テスト」(時事通信)
20220113「共通テスト、「情報」追加に反対求める 大学教授らが声明」(日本教育新聞)
20220113「国立大学の「情報」必須化で2025年度入試は現役生のみの入試になる?」(大学ジャーナル)
20211227「25年以降共通テスト、浪人生向けに『旧情報』を出題へ」(スラド)
20211223「国立大受験、「情報」追加へ 25年以降の共通テスト」(共同通信)
20211222「国立大入試「情報」必須に 25年から、国大協方針」(時事通信)
20211222「国公立大受験で新教科「情報」原則必須に…25年から共通テストに採用」(読売新聞)
20211220「【大学入学共通テスト2025】既卒者に「旧情報」出題、新科目「情報I」と得点調整」(ReseMom)
20211218「国立大受験、6教科8科目へ 25年共通テストから「情報」追加」(朝日新聞)
20211217「浪人生向け「旧情報」出題へ 25年共通テスト、得点調整も―大学入試センター」(時事通信)
20211217「浪人生向けに「旧情報」出題 25年共通テスト」(日経新聞)
20211208「必履修化の「情報」、先生が足りない! 25年共通テスト、浪人生向けの対応は?」(EduA)
20211207「「情報」って何を教える?25年から大学入試にも」(時事通信)
20211206「「情報Ⅰ必履修化の意義大きい」工学院大附属中高の中野由章校長」(EduA)
20211022「国立大受験生に6教科8科目課す案、結論先送り 25年共通テスト」(朝日新聞)
20211019「中高生を対象にした、無料のプログラミング試験 「P共通テスト」がスタート ――「情報Ⅰ・情報Ⅱ」に対応した問題で、大学入学共通テストも考慮」(Impress Watch)
20211013「河合塾、2025年度の「情報」入試に関するセミナーを開催」(教育とICT)
20211012「(いちからわかる!)共通テストに「情報」が加わるって?」(朝日新聞)
20211011「情報処理学会、2025年度大学入試への「情報」追加を歓迎」(大学ジャーナル)
20211005「2025年度から始まる共通テストの「情報」入試を解説」(教育とICT)
20211004「【大学入学共通テスト2025】「情報」等の試作問題、2022年秋冬公表へ」(ReseMom)
20211001「「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」に関する意見」(情報処理学会) 
20211001「【大学入学共通テスト2025】変更点や経過措置…河合塾」(ReseMom) 
20210930「【大学入学共通テスト2025】新科目「情報I」既卒者に別問題」(ReseMom) 
20210930「25年共通テスト、「情報」に別問題 浪人生配慮」(毎日新聞) 
20210929「新教科「情報」浪人生に別問題 令和7年共通テスト、経過措置」(産経新聞) 
20210929「既卒者に配慮し「情報」など別問題に 2025年の共通テスト」(教育新聞) 
20210929「大学共通テスト 25年新設の「情報」は2種類作成 浪人生に配慮」(毎日新聞) 
20210929「「情報」浪人生は別問題選択 25年共通テストで」(日経新聞) 
20210929「大学入学共通テスト「情報」、試験時間は60分に 2025年」(朝日新聞)
20210929「「情報」、浪人生に別途問題 出題始まる25年 大学共通テスト」(朝日新聞) 
20210929「共通テスト「情報」、浪人生に別問題 初出題の25年 文科省方針」(朝日新聞)
20210929「共通テスト国語、90分に 25年から10分延長―情報60分、浪人生向け出題も」(時事通信) 
20210929「「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告(補遺)」について(通知)」(文部科学省) 
20210928「大学共通テスト「情報」、急ぐ教員配置 地域格差の解消へ「待ったなし」」(朝日新聞) 
20210927「2025年度の共通テストで「情報I」が追加 知識だけでなく順を追って考える問題傾向」(AERA)
20210920「教科「情報」、87大学が入試で使う意向 本当に実施?懸念の声も」(朝日新聞)
20210920「(ひらく 日本の大学)大学入試に「情報」、87校「課す」 25年度入試 朝日新聞・河合塾共同調査」(朝日新聞) 
20210826「大学入学共通テスト「情報」が目指すもの」(第20回情報科学技術フォーラム) 
20210823「共通テスト「情報」単独の試験時間帯設置を」(日本教育新聞) 
20210809「大学入学共通テストの「情報」に60分程度の試験時間を」(大学ジャーナル) 
20210809「「情報I」必修化の課題、「共通テスト対応」最多」(日本教育新聞) 
20210808「共通テスト新科目「情報」 高校、指導体制整わず 掛け持ちの教員多く」(日経新聞) 
20210804「「令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱の予告」に関する意見」(情報処理学会) 
20210730「共通テスト「情報」正式決定 25年から7教科21科目―文科省」(時事通信) 
20210730「大学の対応焦点に 共通テストへの「情報」追加決定」(朝日新聞) 
20210730「共通テストでの「情報」追加を正式決定 2025年から」(朝日新聞) 
20210730「2025年の大学共通テスト 英語民間試験活用断念 「情報」を追加」(NHKニュース) 
20210729「「情報I」高校教員が感じる課題は「共通テスト対応」」(ReseMom) 
20210728「令和7(2025)年度大学入学共通テストではどうなる? サンプル問題「情報」を分析しました。:Pプラス ベーシック」(ベネッセ) 
20210728「【22年度から実施の「情報Ⅰ」、高校教員へのアンケート調査】 一番課題に感じるものは「大学入学共通テストへの対応」42.3%、「指導ノウハウ」22.6%、「指導教員の不足」12.0%についても課題と回答」(ベネッセ)
20210720「高校の新「情報科」、現場は 自治体超えた研修必要/実習助手雇えないか」(朝日新聞) 
20210716「(新課程入試) 共通テスト サンプル問題『情報』分析報告」(河合塾) 
20210710「文部科学省「新学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テスト(令和6年度実施分)の出題教科・科目について」:後藤教至」(情報学科・専攻協議会) 
20210628「共通テスト「情報」に現実味「受験対策」企業が先手」(東洋経済education) 
20210617「(明日へのLesson)第3週:クエスチョン プログラミング教育を考える 大学入試センター試験から」(朝日新聞) 
20210615「(花まる先生 公開授業)教科「情報」、体感してみた」(朝日新聞) 
20210524「国立大受験に「情報」追加案 25年共通テストから「6教科8科目」検討」(朝日新聞) 
20210524「共通テスト、4年後どう変わる 地歴公民・情報・英語」(朝日新聞) 
20210523「国立大受験生に「6教科8科目」案 「情報」を追加検討」(朝日新聞)
20210420「「情報1」、身近なテーマで 来春高校で必履修化、教科書は」(朝日新聞) 
20210416「情報科教員、足りない 公立高校2割超、専門免許なく授業」(朝日新聞) 
20210415「ぺた語義:大学入学共通テスト「情報」試作問題に対する教育現場の想い」(情報処理学会) 
20210406「高校の「情報1」どう教える 来春必履修化 中学までの学習差、フォローする教科書も」(朝日新聞) 
20210405「令和6年度実施の共通テスト、「情報」「公共」出題科目を公表 新指導要領受け」(日本教育新聞) 
20210331「(時時刻刻)新必修科目、教えやすく 免許持たない教員意識、図説を多用」(朝日新聞) 
20210330「プログラミング言語さまざま 「情報I」共通テストで出題―教科書検定」(時事通信) 
20210329「大学入学センターから出された大学入試共通テストの実施方式に対する、当会の賛同表明」(情報処理学会) 
20210325「2025年からの共通テスト サンプル問題を読み解く」(教育新聞) 
20210325「プログラマーが大学入学共通テスト「情報」のサンプル問題を解いてみた感想」(漫画読みの感想ブログ←ネタバレ考察) 
20210325「IT社会の解決力問う 大学共通テストに新教科「情報」 専門人材不足、指導どう強化」(日経新聞) 
20210325「共通テスト、25年に「情報」新設 教員不足、地方で深刻」(毎日新聞) 
20210325「共通テスト「情報」新設 25年から 7教科21科目に再編」(毎日新聞) 
20210325「共通テスト「情報」創設 7教科21科目に再編 25年以降」(毎日新聞) 
20210325「共通テスト「情報」創設 25年、7教科21科目に再編」(毎日新聞) 
20210325「2025年からの共通テスト サンプル問題を読み解く」(教育新聞) 
20210324「刷新される見通しとなった大学入学共通テスト 特徴的な問題を解説」(産経新聞) 
20210324「共通テスト再編案 4年後の受験生戦々恐々 保護者「プログラミングどうすれば」」(産経新聞) 
20210324「共通テスト再編案 資料読み解き、データ取捨選択 問われる思考力」(産経新聞)
20210324「高校で必修の「情報」 正規の教員不足 地域格差も深刻」(毎日新聞) 
20210324「「研修でしのぐしか」教員数に地域差 共通テスト「情報」追加」(毎日新聞) 
20210324「大学共通テスト、2025年から「情報」追加 サンプル問題公表」(毎日新聞) 
20210324「共通テスト、7教科21科目に再編 25年以降「情報」など追加」(毎日新聞) 
20210324「共通テスト再編案 教科に「情報」追加も」(日テレNEWS24) 
20210324「共通テストの「情報」のサンプル問題があまりにキモかったので愚痴らせてください:Blue Triangle」(note) 
0210324「大学入学共通テスト 再編で「プログラミング」追加」(FNN) 
20210324「共通テスト教科再編 2025年から「情報」追加 7教科21科目に」(NHKニュース) 
20210324「プログラミングも出題 新教科「情報」のサンプル問題―大学入学共通テスト」(時事通信) 
20210324「共通テストに「情報」 25年から、高校必修で―科目スリム化も・大学入試センター」(時事通信) 
20210318「気になる情報教育の「不備」 2022年度からの高校での教科「情報Ⅰ」必修化を前に:塩原俊彦 高知大学准教授」(論座) 
20210318「大学入学共通テスト新科目案「情報」について これまでの経緯と試作問題(検討イメージ)のねらい:(独)大学入試センター試験問題調査官 水野修治先生」(キミのミライ発見) 
20210318「情報処理学会 コンピュータと教育研究会第158回研究発表会 電気通信大学企画セッション ~大学入学共通テスト新科目案「情報」が目指すもの」(キミのミライ発見) 
20210302「共通テストへの情報出題のメリット 情報処理学会が講演」(教育新聞) 
20210209「大学入試共通テスト「情報」及びその学習指導に関する意見」(日本統計学会) 
20210120「大学入学共通テストへの「情報」の出題について」(人工知能学会) 
20210119「共通テストで「情報」出題へ 2025年までの期待と課題」(教育新聞)
20210114「大学入学共通テストの「情報」に関する要望(令和2年12月14日 8大学情報系研究科長会議)」(東京大学) 
20201228「20200423 大学入学共通テストにおける共通教科情報科の出題について」(日本情報科教育学会) 
20201228「「情報」の科目を大学共通テストの正式な科目に高校での必修化から約20年、「ちゃんと教え、ちゃんと学ぶ」ために入試に出そう 松原仁 東京大学大学院教授」(論座) 
20201223「「いま知りたい!徹底討論 情報Ⅰ」専用ページを立ち上げ」(日本文教出版) 
20201216「大学入学共通テストへの「情報」の出題について:追記」(情報処理学会) 
20201213「共通テスト、新教科で浮上した「情報」って何? AIやITに欠かせないスキル「情報I」必履修に」(東洋経済education) 
20201210「大学入学共通テストでの「情報」の出題について」(教育システム情報学会) 
20201207「プログラミング教育ポータルサイト「コエテコ byGMO」、大学入学共通テストへの「情報」教科採用の動きに関する保護者調査を実施 ~保護者の認知度は3割弱、「情報」採用の動きをうけて6割超がプログラミング学習を検討~」(GMOメディア株式会社) 
20201204「共通テスト、「情報」の試作問題 プログラミングの理解を問う」(共同通信) 
20201204「大学入学共通テストにおける教科「情報」の出題について」(日本教育工学会) 
20201204「【独自】共通テスト「情報」で試作問題示す…プログラミングによる課題解決など」(読売新聞) 
20201203「共通テストでの情報出題 大学入試センターが試作問題」(教育新聞)
20201128「大学入学共通テストに「情報」科目の導入検討も…「東大、京大は採用しないのでは」と専門家」(AERA) 
20201027「大学入学共通テストに「情報」導入が検討 ~教科「情報」の導入が受験産業にどのような影響を与えるのか~」(コエテコ) 
20201023「令和7年度大学入学者選抜からの大学入学共通テストの出題教科・科目の検討状況について」(大学入試センター) 
20201022「大学テストに浮上、「情報」って? コンピューターのこと学ぶ、高校で03年度に必修」(朝日新聞) 
20201022「共通テストに新教科「情報」 24年度から、30科目を21に再編 入試センター案」(朝日新聞) 
20201022「共通テストに「情報」 大学入試センター案」(日本教育新聞) 
20201021「大学入学共通テスト 「情報」追加を検討」(日テレNEWS24) 
20201021「共通テスト、25年から「情報」新設…7教科21科目に再編へ」(読売新聞) 
20201021「令和7年から共通テストに「情報」新設 センターが素案」(産経新聞) 
20201021「大学共通テストに教科「情報」導入案 2024年度から」(朝日新聞) 
20201021「大学入学共通テストの再編案 「情報」新設へ 2025年から」(NHKニュース) 
20201021「大学入学共通テストに「情報」新設へ 2025年から」(日経新聞) 
20201021「共通テスト素案、7教科21科目 新設の情報、作問に課題も」(共同通信) 
20201021「共通テスト「情報」新設 科目スリム化、25年から―センター試案」(時事通信) 
20201020「「平成30年度告示高等学校学習指導要領に対応した大学入学共通テストの出題教科・科目等の検討状況について」における出題科目『簿記・会計』の廃止に係る意見の提出ついて:大学入試センター」(全国商業高等学校長協会) 
20200925 「情報教育課程の設計指針―初等教育から高等教育まで」 - 情報教育の参照基準
20200711「大学入学共通テストに情報を出題することについての提言」(情報学科・専攻協議会) 
20200710「小中学生にPC1人1台実現を 文科白書、共通テスト見直しも」(共同通信) 
20200326「高等学校共通教科情報科の大学入学共通テストでの実施に関する意見」(一般社団法人 情報処理学会) 
20190515「高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材:高等学校情報科(各学科に共通する教科)」(文部科学省) 
20190515「共通テスト 「情報I」 PCで解答…24年度に導入検討 機器確保など課題に」(読売新聞) 
20190514「センター試験に代わる #大学入学共通テスト に、#プログラミング などを扱う科目が加わりそうです。プログラミング言語の入力やデータ解析などが出題され、解答もコンピュー…」(読売新聞ブランド企画部@Twitter) 
20190401「情報Ⅰの入試出題校を拡大 政府会議の有識者がAI戦略」(教育新聞) 
20181016「高校「情報科」、教員足りない 採用試験なし18道府県 「免許外」で補う」(朝日新聞) 
20181001「大学入試センターに教科「情報」の問題素案を提出しました」(情報処理学会) 
20180723「大学入試センター、「情報」のCBT問題素案を公募開始」(大学ジャーナル) 
20180718「共通テスト「情報」、問題の素案を公募 大学入試センター」(朝日新聞) 
20180717「教科「情報」におけるCBTを活用した試験の開発に向けた問題素案の募集について」(大学入試センター) 
20180630「未来投資会議における大学入学共通テストに情報の試験を入れる方針に賛同する提言について─大学情報教育体系化の必要性─」(情報処理学会)
20180605「情報Ⅰを2024年度から出題 「未来投資戦略」に掲げる」(教育新聞)
20180518「大学入試に「情報」導入 未来投資会議」(日刊工業新聞) 
20180517「大学入学共通テストで「情報」出題を検討 文科省」(朝日新聞) 
20180517「大学新入試にプログラミング 首相「現代のそろばん」」(日経新聞)
20180517「未来投資会議(第16回):日本経済再生」(首相官邸)
20180309「大学入試センターが実施する試験における「情報」出題の提言」(情報処理学会)
20170331 「学習指導要領」改訂 - 共通教科「情報」

情報関連だけ取り出せば,こんな感じだが,共通テストに関しては,国語や数学の記述式問題出題がコケ,英語の民間試験活用がコケ,身の丈とかなんとかもコロナ禍に襲われて,受験生や世間を振り回した記憶ばかり。もうお腹いっぱいで,センター試験が共通テストになったインパクトも吹っ飛んでしまった感がある。

2017年に学習指導要領が改訂され,曲がりなりにも小学校のデータ活用やプログラミング体験,中学校の技術家庭科(技術分野)での情報の技術,そして高等学校の共通教科情報という筋のようなものが見えてきた。

情報処理学会を始めとした関連学会は,長らく情報教育の体系化を目指して様々な提言や基準づくりに腐心してきたことから,この学習指導要領改訂を大きな節目として,大学入試における情報分野の試験実施の実現へと次なるアクセルを踏み込もうとするのも当然だった。

機械学習やAI技術が代替の労働力として現実味を帯びてきたこともあって,世間一般にも機械に置き換えられないためのITスキルやプログラミングへの理解とか,IT人材ならぬAI人材育成の必要性みたいなものが意識醸成されつつあって,なんとなく必要な空気は充填できた。

国語・数学・英語のテンヤワンヤのおかげで矢面に立たずに済み,淡々と準備が進められて,新教育課程に対応する大学入学共通テストから「情報Ⅰ」が無事に導入されることになった…というのが表から見えるこれまでの経緯である。

大学入試はどう実施されるのか2年前には予告しなければならないということもあって,各大学が予告の準備をするためにも,令和7年に実施される共通テストに関してはこのタイミングで諸々予告が行なわれている。

それで,どんな風に実施されるのか少しずつ発表されている内容に対して,こんなツイートを見かけた。

どうも,新しい科目の試験が始まるっていうシンプルな話ではなくて,移行措置を実施するため大変な事態になるらしい。

部屋の引っ越しをするにしても,旧い部屋の解約が間に合わず家賃支払いが残っていて,新しい部屋の契約が始まっちゃって家賃が発生し,しかもすぐに入居できない事情もあって仮住まいの宿泊費も払わなきゃいけないみたいな,三重苦が待っているらしい。(ん〜,例えが違う気もする…)

部屋を用意する(問題作成をする)中の人が大変ではないかというやりとり。

問題作成の苦労に関しては,基本的には謎に包まれているが,センター試験の総括ということもあって,この頃ではその裏舞台を少し垣間見ることができるようになってきた。

共通テストの新科目「情報Ⅰ」、入試センターが抱える難題とは」(朝日新聞)20220508
「コロナに襲われた共通テスト初年度 入試センターが使った「奥の手」」(朝日新聞)20220507
「何だこれは! 報道で知った改革案 入試センター前理事長が見たもの」(朝日新聞)20220506
「専門家軽んじ、実現性検証せず 英語民間試験・記述式見送り 大学入試センター・山本広基前理事長に聞く」(朝日新聞)20220502
「大学入試センターは「初めての大学入学共通テスト」をどう自己評価? 作問担当者が出題意図など明かす」(朝日新聞)20210724
「大学入試センター・荒井克弘客員教授「共通テストの作問体制は抜本的に変わった」」(EduA)20210430
報告書『「センター試験をふり返る」』(大学入試センター)2020
倉元直樹『大学入試センター試験から大学入学共通テストへ』(金子書房)2020
大塚 雄作「大学入試センター試験はどのように作成・実施されてきたか」(東京大学 高大接続研究開発センターシンポジウム)2019
「センター試験の問題は誰が作成している? チェック体制は?」(高校生新聞)2018
大塚雄作「日本の共通試験と大学入試センターの役割」(大学入試サミット2017)2017
山地 弘起「大学入試改革 : センター試験・新テスト・高大接続」(第5回情報教育研究会 IN 江戸川大学)2017
「センター試験はどのようにして作られているか。」(進路のへや)2007
西田知博・川合慧「未来のコンピュータ好きを育てる: 11.大学入試センター試験とプログラミング言語」2009
佐藤恒雄「2002年センター試験問題(数学)はこうして作問された:じっきょう数学資料48号」(実教出版)2004

センター試験から共通テストに変わったこともあり,EduAの記事の通り,体制も変わっているのだと思われるが,基本的に試験問題をつくるって大変なのねということは資料から分かってくる。

2021年10月3日に行なわれた情報処理学会「第三回情処ウェビナー:大学入学共通テスト「情報」がこの国を変える!」(YouTube動画)で,”情報分野のミスター共通テスト”こと中野由章先生が指摘していた,大学入試センターから公表されている『大学入学共通テスト問題評価・分析委員会報告書』にある「問題作成部会の見解」という文書の内容が非常に重要だとすると,こうした問題作成委員の仕事についても,いろいろ知っておくことは大事かもしれない。

そんなわけで,今月は「デジタルの日」があるということで,2021年10月9日には情報処理学会の高校教科「情報」シンポジウム2021秋が「情報科教育の新時代を創る〜デジタルの日を記念して〜」というテーマでも実施される。そこでも,まだ見ぬ共通テスト「情報Ⅰ」が話題に取り上げられるようだ。

というか,共通テスト「情報Ⅰ」のことを考えるにしても,教科書の中身を見てみないことにはなんとも言いにくい。2021年3月には高等学校の教科書検定が終わった。

(2021年3月)令和2年度教科用図書検定結果の概要(文部科学省)

資料によると共通教科情報の教科書検定受理点数は12点(6社)。すべてが合格したようなので,各出版社のWebサイトで概要を知ることが出来る。さて,採択結果はどうなっただろう。

日本文教出版「令和4年度新版教科書「情報Ⅰ」」
数研出版「高等学校 情報Ⅰ」
実教出版「情報 令和4年度用教科書」
第一学習社「情報Ⅰ」
開隆堂「高等学校情報 教科書(令和4年度版) 実践 情報I」
東京書籍「情報

私たち一般人が手に入れられるのは来春以降,教科書販売している書店などからと思われる。

〈追記〉「情報Ⅰ」教科書採択率は次の通り

〈/追記〉

ちなみに文部科学省は高等学校情報科関係の情報提供ページを用意していて,そこで教員研修用の教材は提供しているので教育内容の雰囲気を知ることはできそうだ。

高等学校情報科(各学科に共通する教科)」(文部科学省)
「高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編)」(文部科学省)
「高等学校情報科「情報Ⅱ」教員研修用教材(本編)」(文部科学省)

…といろいろ追っかけてみたけれど,いろいろありすぎて,結局よく分からずじまい。これからゆっくり吟味して理解しようと思う。