11月10日に東京のFS実証校である本田小学校で公開授業が開催されたので参加しました。
フューチャースクール推進事業は当初、小学校10校でスタートし、翌年に中学校8校、特別支援学校2校で始まりました。
実証校は全国に散らばっていますが、たとえば、在京のマスコミや有識者が手軽に視察したいとなると、当然のことながら一番近い学校を取材したいということになります。
その一番の候補になるのが、葛飾区にある本田小学校です。本田小学校は他の学校の分も代わりに代表になって視察を受け入れてくれており、関係者の私たちからすれば、そのご苦労や心労など慮らずにはいられません。(ちなみに、西では広島県にある藤の木小学校だとか、佐賀県の西与賀小学校がよく取り上げられます)
しかし一方で、フューチャースクール実証校の印象を特定の小学校だけを視察して断定されてしまうのではないかと懸念する気持ちもあり、代表になってくれる小学校に対しては複雑な思いもなくはないのです。実証校は十校十色。そのことを視察したり紹介したりする人には肝に銘じて欲しいと思う次第です。
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この日の本田小学校は午前中の三時間を使って授業公開をしました。当日は保護者の授業参観の日でもあったため、多くのクラスが公開モードでした。
本田小学校では、単にIWBを使っているだけではICT活用とは呼ばず、タブレットPCを使って初めてICT活用をしていると考える方針です。
ですので、フューチャースクールとしての公開授業では必ずタブレットPCを活用しているのですが、その他の授業においてもIWBは普段使いしていましたし、すっかり機器が学校の日常に根付いている様子を見ることができます。これは他の多くの実証校でも同様です。
今回はタブレット上でのネット調べ活動や学習まとめや説明書づくりといった作業ももちろんありましたし、コマ撮りアニメの制作,ディベートの論点整理などにも活用していました。タブレットPCを普段遣いしている雰囲気がよく伝わってくる風景でした。
子ども達の文字入力の方法についてはいろいろ議論が展開されていますが、本田小学校では,低学年の児童は手書き文字をそのまま書き込むことや中学年に向けて手書き文字入力機能を使う場面も見えて、高学年はキーボード入力していくといった様子が見えました。
当日は,6年生の皆さんが体育館で朗読劇を披露しており,体育館までの階段に置かれたタブレットPCが案内表示をしていました。こういう風に利用しているのも,タブレットPCが身近な学用品に近づいている一例なのかなと感じました。
カテゴリー: 活動記録
[FS石川] 20121101 内灘町立大根布小学校への突然訪問
フューチャースクール推進事業の実証校を訪ね歩いています。小学校10校の公開授業に参加するなどして,実際の学校の様子を見せていただいているわけです。
教育の情報化の歴史的変遷から見ても,この事業は大掛かりな取組みですから,そのタイミングに居合わせた研究者として視察の機会を逃すわけにはいきません。
来年再来年になれば,見たくても見られないということもあり,学校を巡っています。
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石川県内灘町立大根布小学校を訪問しました。本来であれば公開授業の時にお邪魔するのが礼儀ですが,自分が担当している徳島県の実証校と日程が重なり行けなかったので,別の出張で金沢を訪れた機会に表敬訪問した次第です。
ところが,訪問した当日は「自由参観ウィーク」期間中。学校が開かれていた日であるのは良かったのですが,それゆえ先生方は慌ただしく動かれていた日でした。
にも関わらず,教頭先生が校内をご案内くださったり,校長先生ともご挨拶させていただくことができ,お忙しい中で丁寧にご対応くださいました。本当に感謝です。
見て回った教室のIWBは,いつでもすぐに使えるように電源ONにし,各教室様々な画面が表示されていました。日常的な利用を促す工夫です。
短い時間ながら,教頭先生からは学校の取組みや今後についてお話しいただきました。この学校でもICT支援員さんが大活躍中とのこと。当日,支援員さんとはご都合でお会いできませんでしたが,後日,別の場所で支援員さんの取組みを聞くことができました。
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というわけで,これで小学校のフューチャースクール実証校10校全部にお邪魔したことになりました。
最初の方で回った学校などは,その後も実践が進化しているでしょうから,10校見たといってもそれぞれの実態を深く理解しているわけではありません。
そのことも十分留意しながら,今後も訪問は続けつつ,実証校の様子を踏まえた情報発信をしていけたらと考えています。
[FS山形] 20121009 山形県寒河江市高松小学校
フューチャースクール推進事業の実証校めぐりは,山形県の高松小学校にお邪魔することに。東京経由で東北新幹線に乗って山形へ向かい,一泊してから高松小学校を訪れました。
高松小学校は児童数が130数名で,学年1クラスずつという規模の学校です。
当日は,2年生の国語と4年生の算数でした。
2年生の国語はカエル君とガマ君が登場する「お手紙」という題材。登場人物の気持ちを想像して,楽しんで音読することを目指します。
4年生の算数は「2桁でわるわり算の筆算」という単元で,硬貨を使った計算からわり算の性質を見つける活動でした。
いずれに授業もIWBを活用しTPCで作業する活動が含まれたものでした。そして,もはや当然ではありますが,どちらの授業もICT機器の活用云々といったことよりも授業や学習のねらいのために授業をどう組み立てていくのかといったことを中心課題に据えて取り組む中でICTも活用しようという姿勢が根付いていました。
ご好意で授業後の研究ワークショップも参観させていただいたのですが,先生方がそのようなスタンスで真剣に議論されていたのは印象深かったです。
帰りの電車のために中座することになりましたが,皆さんのご好意に甘えながら無事に訪問を終えることができました。
夕方の電車の中からの風景は,とても感じが良いものでした。
20120704 学びのイノベーション事業 指導方法等の検討チーム会議
あちこちの実証校にお邪魔していろいろ伺っていたことが買われて、この度,文部科学省の検討チームに加わることになりました。
何事も一度は自分の目で確かめたいという性格もあって,文部科学省のお仕事を引き受ける経験をしてみることにした次第です。
そのお仕事の会議が7月4日にありました。
私が加わった検討チームは指導方法に関することを取りまとめるためのもの。将来的な指導方法について皆さんに周知するため,発信する情報を用意する仕事です。
急ピッチに進めなければならないとはいえ,始まったばかりでもあるので,委員の認識を調整共有する作業からスタートしました。
今回は何か決まったことがあるわけでもないので、書けることが何もありません。「始まりました」ということだけですね(基本的に検討チームは何も決めないので,これからも書けること何にもないんですけど…まあ,私の感想だけ)。
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初めてご一緒する委員の先生もいるので,多少気は使いましたが,相変わらずの調子で皆さんの発言をぼーっと聞いて、引っかかるところはざっくばらんに質問したり、マイペースに関わり始めました。
会議の進め方は検討チームとは銘打たれてはいるものの,ある程度準備がなされた結果としての文書を一言一句潰していくように踏まえながら,合意を形成していくという感じの作業で,ある意味新鮮でした。
なんとなくこれまで観察してきて推測していたことが直接眼前で展開している感じで、そうすると「事件は会議室で起こってるんじゃない,現場で起こってるんだ」みたいなことをちゃんと理解して対処しないといけないなぁとあらためて思います。
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「どうせまた下手な事例集とかのパンフレットつくって終わりじゃねぇ〜の?!」
みたいなことを,以前の私なら意地悪に行方を想像して書いたりするわけですが、作業の当事者になっちゃった以上はこの言葉を自分自身に向けなきゃいけなくなったわけで、下手な事例集つくるんじゃねぇぞ自分!と思うわけなのですが、さて,どんなものを発信したら良いのか,納得するものを生み出す苦労が始まってます。
私一人でやっている仕事ではないので,下っ端は下っ端なりのコミットを挑みつつ、多様な見解の調整が最適解にたどり着くことを念じて関わっていくのみです。
ちなみに,今回の検討会議はイノベーションに相応しい試みがなされたりと結構面白いスタートとなりました。時代は少しずつ変わっています。早く次の時代の人たちが政策に近いの場でもっとたくさん活躍するよう身軽を保ちながら頑張りたいと思います。