その店で1年が流れて

 Snack NEL(スナック・ネル)が開店したのは2014年9月1日のことでした。

 「スナック・ネルって何?」という素朴な質問が後を絶たないことからもわかるように,お店を模してネット上に登場したそれが,毎週集まって教育とICTをざっくばらんに話し合うビデオチャットの会であることを知る人はそう多くはありません。

 今回初めて,この店のことを知った皆さんは,毎週月曜,夜な夜な3人の男が集まって,ゲストを招きながら1年間も,教育とICT界隈の四方山話とか教育や学習の根源のような話を語り続けていたことに驚かれるかも知れません。その軌跡はすべて動画で残してありますので,お望みであれば今からでも視聴していただくことができます。

スナック・ネル動画アーカイブ
 https://www.youtube.com/channel/UCzL1wuHX8AMmNk3NUWvANuQ/videos

 未編集の動画を見るのは大変かも知れませんが,これら語り合いの中には,その時々の旬な話題はもちろんのこと,時の経過に関係なく本質的な内容を語ったものも多く,教育とICTに関わる貴重な証言アーカイブに匹敵します。

 この店は,2015年8月31日まで毎週月曜夜に開店し,50回営業してきました。

 約40名ものゲストの方にご来店していただきカウンター席で語っていただいたことを思うと,大学の通年授業よりもはるかに濃い内容をお届けしたと思います。しかも,形式張った話ではなく,予想もつかない酒場トーク。よく1年間も続いたなと思います。

 スナック・ネルを切り盛りするのは,教育ICTデザイナーの顔をもつ田中マスター。そして開店時よりカウンター席を陣取っていた常連は,坂井先生と,わたくし林(りん)でした。

 この1年。いろんなことがありました。

 私事を書けば,職場の配属も変わり,仕事のリズムも様変わりを始めて,スナック・ネルで毎週お酒を飲みながら教育とICTを語る心の余裕がなくなってしまったのが悔しいところです。

 田中マスターも坂井先生もそれぞれに活躍されていて,私たちの中で「1年を節目に,少し違う形に変えようか」という気持ちが芽生えてきたところでした。

 すっぱり閉店するというのも選べたと思いますが,そもそも私たちがスナック・ネルに集ったのは「継続的な議論の必要性」を感じたからだったわけで,たとえ毎週でなくとも,また違うペースで継続していくことがよいのではないかという話になりました。

 というわけで,2年目を迎えたスナック・ネルは,月1回は営業するとして,ゲストや話題次第で随時開店していこうという新たな営業スタイルとなります。

 そして何より,これまで語りあってきた内容について,単に動画記録だけでなく,文章記録として整理し残していきたいという考えもあります。いままでご来店された皆さんの貴重な語りをやはり形にしたい。

 今後,少しずつその作業を進めたいと考えています。

 もともとポッドキャスト配信のために用意した当ブログを,記録を整理するための場所に使えたらと考えています。Facebookグループは引き続き,今後の営業でご来店いただくボックス席やさまざまな交流に利用していきますので,それらとリンクをしながらこちらのブログを活用できればと思います。

「スナック・ネル」というお店

(by常連りん)

 2015年が明けました。

 田中マスターが営む「スナック・ネル」も初めての年越しをして,営業も再開しました。私たち常連もこうしてボックス席のお客さんたちとともに毎週集えることを嬉しく思います。

 教育とICT界隈の話題で酒の席の話を咲かせて早4ヶ月です。

 当初はマスターと常連2人でマンネリ化を通り越すくらいまで続けて,オープンに公開された定期的・継続的な話し合いの場を作ってみようということから始めたお店が「スナック・ネル」でした。

 一度や二度の話し合いイベントなら勢いでできるし,クローズドな場ならばすでに山のようにあります。そういった時間的・空間的に限定された話し合いや議論の場にも良さはありますが,継続性や公然性に物足りなさを感じるのも確か。

 ならば,違うアプローチをとるものが併存していてもいいのではないか。

 そうやって田中マスターをせっついてお店を開店させたのは2014年8月のことでした。9月には正式にオープンして,毎週月曜の夜22時から私たちの「教育とICT談義」が始まったのです。1時間くらいでと考えていた営業時間は,初めから2時間近くに及び,その後の閉店作業もなかなか切りが付かないことがあります。

 どこかの地方にある場末のスナックなので,噂が広まるのは時間がかかりますが,聞きつけた人々が少しずつ来店をして,ボックス席からカウンター席の会話を楽しむようになりました。やがてカウンター席にゲストがやってくるようになって,私たちはさまざまなお話を聞くこともできるようになりました。

 教育とICTに関心のある皆さんにもっと来店して欲しい。そう思ってスナック・ネルはPodcastの配信も始めました。カウンターで交わされた会話にぜひ触れてください。