Ad: 2011年7月アーカイブ

 モバイル広告の市場は目まぐるしく動いているようです。

 さすがに大震災の影響もあり手放しで盛り上がるというわけにはいかないようですが、市場の争いは着実に展開しているようです。

 最近は『スマートフォン・マーケティング』という本も出たようです。
 

 
 この本はどちらかというとアプリそのものを広告媒体としてリリースしている(ブランドアプリ)事例を中心に紹介していますが、AdMobやInMobiといった世界規模のモバイルアドネットワークにも触れています。

 EX489にもアプリ内広告(モバイル広告)を導入しています。アプリを開発してリリースする際、収益について考えないわけにはいきません。いろいろ考えた上で、このような形でアプリをリリースしています。

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 前作Ride On TimeではAdMobくらいしか有力な選択肢がありませんでした。

 しかし、今回はまったく状況が違います。

 AdMobの他にも、iAdやAdMakerといった様々な選択肢が登場し、激しい争いを展開しているところです。

 モバイル広告の世界は、様々な会社が構築しているアド・ネットワークと呼ばれるものがあり、たとえばAdMobは単独でも有力なアド・ネットワークでしたが、Googleに買収されたことによって、GoogleのAdSenceというアド・ネットワークと統合されて大きなネットワークを形成しています。

 アド・ネットワーク規模が大きければ、それだけ広告配信の規模が大きいというわけですから、様々な意味で広告の価値や効果が向上するというわけです。

 そのため規模の小さなアド・ネットワーク同士は積極的に提携や連携を行ない、お互いのネットワークで配信される広告を交換(エクスチェンジ)する仕組みを導入して、自分たちのネットワーク価値を上げようとしています。

 このようなアド・ネットワークは、スマートフォン等のモバイル向けだけではなく、ブログなどのWebサイト広告でも同じように形成されています。

 そして、広告代理店は、これらを従来のメディアを使った広告ネットワーク(雑誌やテレビなど)と組み合わせて広告プランを作成して、広告主に売り込むというビジネスが展開しているわけです。

 つまり、スマートフォンのアプリは、雑誌広告やテレビCMと同じラインに並ぶ広告メディアとして育ってきたということです。

 アプリは、広告枠を持つ雑誌やテレビと同じですから、他のメディアがそうであるように、魅力的なもの(アプリ)を提供することが理想とされるわけです。

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 開発者は、アド・ネットワークにそのようなアプリ(と広告枠)を売り込むというわけですが、現実的な手続きとしては、アプリに各アド・ネットワークの仕組みを内蔵しなければならないため、どちらかというとアド・ネットワーク側が「うちのネットワークを組み込んでください」という構図になっています。

 一般的な広告とアド・ネットワークのよるモバイル広告の違いは、あらかじめコンピュータプログラムとしての仕組みを合わせなければならないところにあります。

 広告原稿やCMのビデオテープを渡すだけではダメなんですね。

 なので、自分のアプリの広告枠をどのアド・ネットワークの仕組みに対応させるのかということが開発段階で問題となりますし、そのことによってアド・ネットワーク側は自分たちの規模が拡大縮小することになりますし、広告主にとっても魅力的なアプリに広告が出せるアド・ネットワークと契約するための判断が変わってくるわけです。

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 広告主にとっては、数あるメディアの一つの問題に過ぎませんから、有利な組み合わせで契約すればそれですむことです。

 アド・ネットワークは、先に紹介したように自分たちの価値を高めるために仕組みを導入してもらえるアプリなどのメディアを増やす努力と、他のアド・ネットワークとの提携・連携によって努力をしています。

 さて、開発者側です。

 AdMob一択みたいな状況なら話は簡単ですが、魅力的なアド・ネットワークが複数登場した時代においては、どのアド・ネットワークの導入が自分の収益を高めるのかという問題に対応しなければなりません。

 自分の開発したアプリの特性に合ったタイプのアド・ネットワークを選択すればよいのは当然ですが、一番簡単な方法は、複数の有力なアド・ネットワークを同時に導入するという方法です。そして必要に応じて切り替えればよいのです。

 複数のアド・ネットワークを切り替えて使う仕組みは、すでに広く知られている対応方法です。そのためのプログラムも公開されています。他ならぬAdMobがオープンソースとして提供しているAdWhirlがその一つです。

 このAdWhirlを使うと、主要なアド・ネットワークをアプリ上で連携させるようにできるのです。こうすれば広告枠を持つアプリ自体の価値も高まるというわけです。

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 EX489では、このAdWhirlを利用して、AdMob、iAd、そしてAdMakerを導入することにしました。

 それぞれ特徴の違うアド・ネットワークなので、組み合わせることでせっかくの広告枠を最大限活用することができるということになります。

 AdMobは世界展開しているネットワークですし、GoogleのAdSenceとの組み合わせで広告が多く配信されてきます。アプリ関係の広告が目立ちますが、基本的には様々な種類の広告が対象です。

 iAdは日本展開が始まっていないため、今のところ広告表示されません。ただし、テレビ広告レベルのリッチなモバイル広告を強く提唱し、大手広告主を対象とした方針の広告が中心なので、アプリ開発者にとっては収益が大きいと評判です。

 AdMakerは日本初の野心的なアド・ネットワークで、少しずつ成長拡大しているところのようです。国内外の他者と積極的に提携していることから、国内向け広告、最近だとモバゲーやGREEなどの広告が多く流れています。

 実際の収益に関して比較する材料が揃わないので、この時点で論じることは控えますが、要するにこれらをアプリ側で同時対応して切り替えて使えば、グロスで収益を高めることもできそうだということです。

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 EX489の開発は、収益性を優先したものではなかったので、この辺の話は技術論的な関心のもとで導入したというのが本当のところです。

 しかし、開発などにかかった経費を少しでも回収できれば今後にも繋げられるかなと考えています。