書棚を迎えて

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 本棚を買った。増え続けて床の上に足の踏み場もないほど溜まった文献資料の検索性の悪さがいよいよ深刻な問題となったので,引越しもしたところだし,これを機に本棚を導入することにしたのである。何を今さらという感じだが,諸々のタイミングでこの時期になってしまった。

 これまでも,大学寮に据え付けのスチール本棚と木製ラックを皮切りに,あれこれ理想の本棚を探して試してきたことがある。木製の本棚,パイプ式の組み立てラック,スライド式の二重書棚など。あれこれ導入したが満足いくものはなく,その過程でも増え続ける文献資料などが収納しきれないという悪循環に陥っていた。

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 本棚というのはなかなか難しい代物だ。本棚を導入するということは,ある種の固定化を受け入れるということでもある。物理的には場所や空間の確保や占有ということであるし,精神的には所有物の不動性からくる重たさも感じる。それだけに,実際のモノとしての本棚についても,あれこれこだわってしまうところがある。

 住宅販売の宣伝などをみると,マイホームに立派な書棚が設置されているイメージを見るとうっとりしてしまう。とはいえ,現実は厳しいので,出来る範囲で自分の文化資本や知識資本の具象である蔵書を試行錯誤で維持していかなければならない。その際にやはり,どんな本棚を選ぶのかというのは重大な問題なのだ。

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 で,今回買った本棚は,結局スチール本棚であった。それはある意味,原点回帰。徹底的な実用志向が,他のどんな本棚よりもいまの自分には合っているといったところか。やはり学生時代にはスチール本棚である。

 スチール本棚の定番といえば,コクヨの「ホームシェルフ」という商品だった。ところがこの定番商品は,ついこの間,廃番となってしまい購入することが出来なくなっている。これは正直驚きである。
 コクヨはユニバーサルデザインに力を入れ,従来の文具からの脱皮を図ろうと努力を続ける変革企業への道を歩んでいる。このこと自体は大いに評価すべきことなのだが,昔ながらの定番商品を作らなくなってしまうのは少々残念だ。しかも立て替え商品を提案しているわけではないので,ますます悲しい。

 けれども,こうした定番商品には類似品があるもので,実際,東洋事務機器工業というところが「クールラック」という商品名でスチール本棚を製造している。他のユーザーの情報によれば,コクヨの商品とサイズも使い勝手もほぼ同じということで,かなりの人気商品となっているらしい。しかも価格はリーズナブル。これはいい。

 幅800mm,高さ1800mmのスチール本棚を壁に並べるために3本注文し,GWの狭間の平日に商品が届いた。さすがに段ボールも大きくて後始末は大変であるが,組み立てに工具はいらず,簡単に組み立てができた。

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 さっそく床の上の文献資料をどんどん本棚に収納をしていった。やっぱりこうやって並んでくれると本を手に取るのも楽である。床も自由に動けるし。

 ところが最終的に問題が勃発した。

 「本棚が足りない…」 

 予想以上に文献資料が溜まっていたようで,全部入りきらなかった。ああ,なんか予感はしていたが,まさかなぁ…。というわけで,悩んだ末に追加注文をすることにした。まあ,あれこれ集めに集めた自分が悪いのだが,こればっかりは仕方ない。

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