Darling-Hammond女史がObama政権チームへ

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 次期アメリカ合衆国大統領であるオバマ氏が政権のチーム作りに励んでいることは報道などでも知られている。その政権における教育政策ワーキンググループの正式スタッフとして,スタンフォード大学のリンダ・ダーリンハモンド(Linda Darling-Hammond)女史を起用したらしい。(サンフランシスコ・クロニクル記事

 ところでダーリンハモンドって誰?という皆さんもいらっしゃるかも知れない。

 ダーリンハモンド女史は,教育研究者であり,スタンフォード大学に在籍している。教師や学校研究の分野では第一線の人である。そのような教育学者が,選挙中のオバマ氏の教育関係政策ブレーンとして活躍していた。

 そして今回,来年からの新政権におけるワーキンググループでの起用も確定したようだ。ただ,どうやらダーリンハモンド女史については,教育長官への推薦が各方面から強く出ており,彼女の登用如何が今後のアメリカの公教育を大きく左右すると考えられている。


 記事にも書かれているように彼女は「a teacher-friendly」な教育研究者である。それゆえに教師研究や教師教育・学習研究における様々な知見を積み上げて,世界的な影響力を持っているわけだ。

 ところが日本の文脈だとティーチャー・フレンドリーってだけで,構えてしまう人が多い。おまえは教師寄りなのか,組合の味方なのかと,すぐさま勝手な筋書きをつくって,敵視や排他的態度をとる人たちがいる。

 そういう誤解は,丁寧に議論をして解くべきだと思うが(某政治家の発言とか,あれやこれやの議論は,すべて丁寧さが足りないことから誤解が生まれている分,余計な労力を使っているのである),いずれにしても,教育を支えていく主体の一方である「教師」にとって,その専門性を支えるための「思慮深い支援」が必要なのである。


 アメリカは,世界が認めている教育研究者を教育政策の中枢に据えることで,その「思慮深い支援」に向けて動き出す準備をしているのである。

 とはいえ,教育政策や行政に関わるということは,政治ゲームを戦うということでもある。とにもかくにも,ダーリンハモンド女史のお手並み拝見といった感じだ。

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