撤収準備

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 実家でしばらく両親と過ごしてから,東京へ戻ってきた。たぶん,今後ゆっくりと一緒に過ごす時間もなくなるだろうと思ったためである。東京に戻れば,こちらの生活や仕事の撤収作業に取り掛からなくてはならない。


 さっそく,春以降の職場から担当して欲しい授業科目の連絡があった。

 「教育学」に始まり,「教育方法・技術論」「情報検索演習」「栄養情報処理」「情報リテラシー」「PCデータ活用実習」などなど,何でもやってくださいね,という多彩なリクエストである。都合のいい教員になってやしないかとご心配の向きもあろうと思うが,何事も最初のスタートラインはそういうもの。落ち着いたら,やりたいことをやればいい。

 そんなこんなの就職活動が今まで落ち着かず,そしていまも細かいところが落ち着かない。特に引っ越し作業は頭痛の種だ。東京から徳島という遠距離引っ越しにかかるコストは馬鹿にならんし,部屋探しもまだこれから。数千冊の蔵書を置けるくらいの研究室が与えられるのかどうかもまだ分からない。そして,上のような授業の準備もしないといけないし…。

 一人旅行くのは慣れているが,一人引っ越しするのは大変である。


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 それにしても,私は節目ごとにバッサリと環境や居場所を変えるので,人との関係が中途半端になりがちである。常に距離が縮まらないというか,ずっと一緒には居られないというか。それはそれで寂しくもある。けれども,ご縁がある人となら再度ご一緒できるはずであるし,そうでないならご縁がなかったまでのことだと覚悟している。

 一方,新しい環境に慣れるのは,大変ではあるが,楽しくもある。新しい人たちや新しい出来事に出会えるのは,嬉しいことだ。不安がないわけではない。けれども,それくらいは乗り越えないと。


 山岸俊男『日本の「安心」はなぜ,消えたのか』(集英社2008.2)をぽつりぽつりと読みながら,あらためて自分自身の集団主義や個人主義に対する考え方を見直してみたりしている。この本では,安心社会から信頼社会への移行が必要でありながら,日本人は上手く信頼社会に乗れていないことを指摘していて,他者への不信ではなく,他者への信頼によって信頼社会を定着させるために必要な考え方を提唱している。

 とにかく,少し肩の力を抜いて,柔軟に対応できるように心がけよう。

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