本州を遠くに眺めながら

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 徳島に来ている。部屋探しをするためだが,都合のよさそうな条件の物件は少なくて,いくつかを見た上でとりあえずの住み処を決めた。しばらく住んでみて,徳島の様子が分かったり,車でも手に入れたなら,また別の住み処を考えればいいかなと思う。

 重要な要件は済んだので,残りは徳島散歩。寒い季節なので賑やかさには欠けるが,街中を少し歩いたり,眉山ロープウェイに乗って,展望台から徳島の街の景色を眺めた。

 人影少ない展望台から,淡路島とうっすら見える本州を眺める。

 徳島は「地方」と呼ばれる場所だろうし,人によっては「田舎」と呼ぶだろう。不動産屋さんも,人や賑やかさはストローのように高松や神戸の方へと吸い取られていると説明してくれる。なるほど,眼下に広がる街のいたるところでシャッターが閉まり,お世辞にも景気が良いとは言えない。

 とはいえ,国道沿いにはお馴染のブランドの店舗が並び,生活するにあたって何かが決定的に不都合というわけでもない。インターネットと通販の進化によって,物品購入や情報サービスについて,昔ほど格差を感じなくて済む時代でもある。

 東京という,異常にクローズアップされた街に住んでみても,実のところ物事がよく見えたという気はしない。確かにそこで様々なことが展開しているのだけれども,それは,それぞれが淡々と取り組んでいるというだけであって,ざわめきの中で延々とそれが続いていくだけという感じである。

 その無数のざわめきから離れて,遠くから眺めてみれば,少しは物事の動きを捉えることが出来るかも知れない。いや,実際に僕は,東京に住む前にはマクロに物事を見ていた。ただ,ミクロで何が行なわれているのかを知らなさすぎたので,それを知るために東京に出かけてみたのであった。

 そして今度は,本州を眺める場所に行く。もう一度,マクロに物事を見てみるチャンスがやって来たと思う。徳島もまた,ある種の偏りを持った土地なのかも知れないが,それでも違う視点に立つことが出来る場所だと期待する。


 土地に住む人たちと会話すると,つられて似非関西なまりが出てきてしまう。テレビやらで聞いたイントネーションが頭に残っているせいだと思うが,きっと相手には気持ち悪がられているか,「あ,このひと県外の人だ」とバレバレなのだろう。その辺の違和感が解消されるくらいに上手になれたらええなと思う。

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