情報: 2008年8月アーカイブ

 教育現場へのIT導入と活用には幾多の難関が待ち構えている。「学校の情報化」は,多くの関係者の理解を得て,コンセンサスのもとで支え合う関係づくりが必要だが,それはとても大変なことでもある。カリキュラム評価にITを活用するためには,情報化への努力を惜しまぬ学校づくりも不可欠なのである。
 「データをもとにしたカリキュラム・マネジメント」(Data-Based Curriculum Managemant)は,ITにとって絶好の活用機会である。しかしITの教育利用に関して,人々の理解は一定していない。無用な足踏みをしないためにも,まず次の事項を踏まえて周知したい。

 ①教育活動には,効率化・合理化すべき部分と時間と労力をかけるべき部分がある。
 ②ITには,道具としての「IT機器」と,技法としての「情報技術」の2種類ある。
 ③IT機器は,効率化・合理化必須部分の割合を圧縮するための道具として活用する。
 ④情報技術は,時間・労力必須部分に対して応用し,より高次な取組みへの進展を目指す。
 ⑤IT機器と情報技術は互いを補完する関係として連携させ,教育活動上のIT効果をあげる。

 これらに留意しながら,学校におけるIT活用の原則を設定しておくことで,不必要な誤解や抵抗を退ける ように努力しなければならない。もはや学校の情報化は達成されていなければならない要件なのである。

(林向達「ITを活用したカリキュラム評価の進め方」より抜粋)