教育: 2008年10月アーカイブ

【講義後記】20081027

user-pic
0

 非常勤講師先での講義2回目である。前回ガイダンスだったので,今回から早速ぐぐっと中身に入ってみることにした。もっとも来週はまた休講になるので,少し詰め込んだ感じの1回分になったと思う。

--

 「初等教育の内容と方法」は,申込みの学生が少し増えて,110名くらいだろうか。教室が120名用だから,これ以上は無理。しかも増えても代わりの大教室がないそうだから,あとはお断りになる。お断りした経験がないので,そうなったら申し訳ないなぁと思うが,まあ,たぶん増えないでしょう。

 マイク無しで80分くらいノンストップ講義。さすがに幾人かの学生さんは話が追い切れないという感想も書いていたが,確かに今日はあれこれ詰め込んだので,そういう感想も当然かも知れない。それでも,とても興味深いとか,新鮮であるとか書いてくれる学生さんもいて,まるでダメというわけでもなさそうだ。

 話し続けていると,確かに「わかってもらえてるかな,心配だな」という気分になるときがある。一部ではこういうシステムを使って授業中の学生さん達の理解をフィードバック受ける先生方もいるようだが,契約資金もないし,毎回パソコン持っていく気力がないので,教室の雰囲気を気にしつつ,なるべくあれこれ授業のアイデアを盛り込もうと思う。

 コメント用紙はいろんな価値観を持つ学生さんが書いているので,いろんな意見があって当然。それに一喜一憂していた時代もあったが,最近は少し余裕を持って,ちゃんと授業改善につなげられたらと思う。

 ははは,まだ始まったばっかりだからね。これからこれから。

--

 一方「教材論」は,26名という受講者数。まあ,小さなクラスみたいな感じなので,こちらは全く違うスタイルで授業をすすめる。今日は,ポストイットとペンを用意して,みんなで調べたい教材や教具について出し合い,グルーピングするなどの作業を行なった。とりあえずグループを作って,そこでネタ出し合い,さらに全体で黒板の上にポストイットを貼付けながら,共有整理していく。

 こちらの授業は,逆に学生さん達にいろいろ意見出してもらったり,考えてもらったりする流れ。みんな積極的だし,考えたり分析する観点もセンスがいい。私自身,場をファシリテートしながら大変刺激を受けた。
 あんまり議論が面白かったんで,あっと言う間に時間が経過。本当はハートマークのポストイットも用意して,自分が調べる題材にペタッと貼ってもらおうという演出も考えていたのだが,また次の機会ということになった。

 楽しみな授業になりそう。個々の学生さん達がリサーチ対象と調査課題と観点を設定して,深く調べて共有しようという活動である。学校教育から自由に離れて,世の中にある教材をあれこれ吟味しようというわけである。若いまなざしは批判的に見る眼も鋭いから,この時期に社会に溢れる物事にぶつかっていくのもよい機会だと思う。

 うん,自分が受けてみたかった授業をやってみることにしましょう。

--

 といっても(知っている人は知っている,わかる人にはわかるように)年内は大変てんやわんやなので,はたして上手くいきますかどうか。願わくは,この慌ただしさが吉となるように,あれこれ結びつけたい。

学びの系譜

user-pic
0

 国立公文書館は,国の重要な文書を保管する機関だ。主に歴史的に貴重な史料が豊富だが,それだけでなく非現用行政文書の保管も行なう。もっとも日本の文書管理は世界的に見て後進的で,昨今ようやく法整備など取り組まれ始めたところ。「アーカイブ」と呼ばれる領域がしっかりと確立してないと,国家としては一人前とは言えない。日本は〈よく知られたことだけれど〉長らくそういう半人前状態が続いていたということである。


 さて,小難しい前置きは別として,国立公文書館は,春と秋に特別展を行なう。

 今年の秋の特別展は,「学びの系譜」という展示。「江戸から明治・大正・昭和にかけての学校に関する公文書や文献を展示し、わが国の学校の歴史について考えます。」という趣旨の興味深い展示である。

 教育に関心があって,国立公文書館まで足が伸ばせる皆さんは,ぜひお出かけいただきたい。10月4日から23日まで。気がつくとあっと言う間に終わっているので,思い立ったら是非。入場無料のはずである。

 H20学習指導要領の印刷本はすでに書店に並んでいる。見た方はご存知のように,従来の学習指導要領の印刷本から体裁をガラッと変えたのである。

 従来まではA5サイズの判型だったが,新しいものはA4サイズの判型で統一され,表紙のイメージも刷新。教科書の判型変化が,とうとう学習指導要領にも起こったという感じである。

 この変更には,行政文書などをA4サイズに統一するといった文脈もあるだろうし,小さい文字で視力に負担があった人にとって大きい文字は有り難いともいえる。高齢者に優しいのはよいことだ。レイアウト的にも,表を掲げる際には大きい判型の方が有利であろう。これら書誌学的なメリットはあると思う。


 ただね,学習指導要領を授業の資料として持ち運ぶ身にとっては,大きくなったのは辛いなぁ。解説部分も複数持つとなると,視力よりも足腰に負担くるなぁ…。

 大学の授業で使う資料としてはちょっと残念な変更である。どこかの出版社がA5判の縮刷版をつくってくれるかな。採算合わないか。