日記: 2009年3月アーカイブ

徳島への転居

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 平成20年度も最後の日。私は徳島県での生活を始めるための準備を進めていた。新居の鍵を受け取り,電気・水道の開栓とガス開栓の立ち会いをした。市役所に転入届けを出し,銀行で新しい口座をつくった。

 引っ越し荷物は週末にならないと届けてもらえないので,しばらくはホテル暮らしである。ここ数日必要な荷物だけ,別に宅急便でホテルに届けてもらったり,自分で運んである。

 いよいよ明日は辞令交付式。まだ気分は盛り上がっていないが,次第に昔のカンを取り戻すかも知れない。昔のカンよりは,新たに学び直した方がよいのかも知れないが…。

 とにかく明日から平成21年度がスタートする。

忘れ物

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 書類を実家に忘れてきたみたいだ。困った困った。

 徳島に来ている。部屋探しをするためだが,都合のよさそうな条件の物件は少なくて,いくつかを見た上でとりあえずの住み処を決めた。しばらく住んでみて,徳島の様子が分かったり,車でも手に入れたなら,また別の住み処を考えればいいかなと思う。

 重要な要件は済んだので,残りは徳島散歩。寒い季節なので賑やかさには欠けるが,街中を少し歩いたり,眉山ロープウェイに乗って,展望台から徳島の街の景色を眺めた。

 人影少ない展望台から,淡路島とうっすら見える本州を眺める。

 徳島は「地方」と呼ばれる場所だろうし,人によっては「田舎」と呼ぶだろう。不動産屋さんも,人や賑やかさはストローのように高松や神戸の方へと吸い取られていると説明してくれる。なるほど,眼下に広がる街のいたるところでシャッターが閉まり,お世辞にも景気が良いとは言えない。

 とはいえ,国道沿いにはお馴染のブランドの店舗が並び,生活するにあたって何かが決定的に不都合というわけでもない。インターネットと通販の進化によって,物品購入や情報サービスについて,昔ほど格差を感じなくて済む時代でもある。

 東京という,異常にクローズアップされた街に住んでみても,実のところ物事がよく見えたという気はしない。確かにそこで様々なことが展開しているのだけれども,それは,それぞれが淡々と取り組んでいるというだけであって,ざわめきの中で延々とそれが続いていくだけという感じである。

 その無数のざわめきから離れて,遠くから眺めてみれば,少しは物事の動きを捉えることが出来るかも知れない。いや,実際に僕は,東京に住む前にはマクロに物事を見ていた。ただ,ミクロで何が行なわれているのかを知らなさすぎたので,それを知るために東京に出かけてみたのであった。

 そして今度は,本州を眺める場所に行く。もう一度,マクロに物事を見てみるチャンスがやって来たと思う。徳島もまた,ある種の偏りを持った土地なのかも知れないが,それでも違う視点に立つことが出来る場所だと期待する。


 土地に住む人たちと会話すると,つられて似非関西なまりが出てきてしまう。テレビやらで聞いたイントネーションが頭に残っているせいだと思うが,きっと相手には気持ち悪がられているか,「あ,このひと県外の人だ」とバレバレなのだろう。その辺の違和感が解消されるくらいに上手になれたらええなと思う。

 さて,徳島への引越し準備をしつつも,ぼちぼち東京暮らしを振り返る駄文を書き綴ってみようかと思う。この3年間はどんな時間だったのか,何があったのか,どんな日々だったのか等。


 端的に言って,私は幸運だった。

 3年前に仕事を辞めて上京したとき,私はすべて失う覚悟だった。大学院に入り直そうという,ただそれだけしか選択肢を考えておかなかった。だから,何もかもダメになったら,アルバイトや派遣労働,日雇い労働に従事する覚悟だった。

 けれども,幾人かの先生方が声を掛けてくださり,研究や仕事をご一緒させていただくことが出来た。そして,東京大学大学院に拾ってもらったおかげで,この2年間は大学院生として過ごすことが出来た。

 それまで,東京も東京大学もメディアから受けた情報を膨らませたイメージしかなかった。なのに,私たちは東京から様々な情報を受け止めて,それを踏まえて物事を語りがちである。一体,そんな東京や東京大学とはどんなところなのか。ずっと自分自身で確認してみたかった。そしてようやく実現したのである。

 そこで分かったことは,東京も一つのローカルに過ぎないという当たり前のことだった。ちょうど上京したと同時に,眞鍋かをりが「Tokyo Local」というポッドキャスト番組を始めたのだが,そのネーミングがこの感覚にぴったり来る。「東京ローカル」が日本中に発信されている。ただそれだけのことだと住んでみて実感した。

 東京大学は,律義な大学だと思った。律義に伝統を守ろうとするし,律義に最先端をいこうとするし,律義に世界を相手にしようとするし,律義に批判にも晒される。律義じゃない私は結局追い出されちゃうわけなのだけれども,それもまた東京大学が律義な証拠である。その律義さは大事なことだと思う。

 いろんな企業の方々とご一緒する機会も得た。学校や大学という世界しか渡り歩いていない自分にとって,一般企業の方々と接することが出来て,その仕事の一端も垣間見ることが出来たのは嬉しい経験だった。相手のことが分かってこそ,賞賛や批判のスタートラインに立てると思っている。一般企業で教育関連に従事している方々の顔や思いを知れたことは,とても貴重だと思っている。

 学問への視野も広げられたと思う。それまで懐疑的だった分野に対しても,だいぶ理解を示せるようになってきた。残念ながら度重なる浮気心のせいで,学ぶべきことはまだたくさんあるにも関わらず未熟極まりないまま時間切れとなってしまった。今後,復習しながら自分で積み上げていくことにしよう。


 有り難いことに,再び就職できることになった。これもラッキーであった。場所は徳島県で,かなり遠方へと飛ぶことになるが,新しい場所での生活は楽しみでもある。
 仕事は,以前とほぼ同じポジションを与えられるようだ。ある意味ではもとに戻った感じ。願わくは,以前よりも上手く毎日を過ごしたい。


 あとは,東京暮らしを静かにフェードアウトできればよいと思う。良い別れ方をすれば,また良い再会の縁もめぐってくるはずである。もっとも,良い別れ方をしたことは一度もないけどね,ははは。

撤収開始

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 もう3月。なかなか部屋の整理に着手できなかったが,ようやく少しずつ始めているところ。今週は徳島に出かけて,部屋探しをしようと考えている。上京したときは,実家にほとんどの荷物を残してきたので引っ越しの苦労もなかったが,今回は完全に東京の部屋を引き上げた上で遠く徳島へ移る,かなり大掛かりな引っ越しになる。

 とりあえず引越し業者に連絡して見積もりをお願いしてみる。遠距離だと,逆に荷物預かりをして2,3週間後の業者の都合の良いときに届ける形ならいくらか安くなるという。
 なるほど,とりあえず生活するのに困らない程度のものは手持ちか別送して,その他は遅れて来てくれれば自分で受け取れるわけだ。その方が都合がいい。

 だとしたら,今度は部屋探しである。先方の先生からも情報もらったので,早く取り掛からないと…。

 と気ばかり焦っていたら,インターネット接続に使っていたモバイルルーターが壊れた。なんでまたこの時期に…。引っ越したらインターネット環境も見直しをしないと。


 う〜ん最近,寒いは天気悪いは,大掃除や選択には不向きな日々。早く暖かくなって欲しい。