[FS] 20140210 沖縄県宮古島市立下地中学校公開研究会

 2014年2月10日に宮古島市立下地中学校にお邪魔してきました。総務省・フューチャースクール推進事業と文部科学省・学びのイノベーション事業の実証校として,最後の公開研究会が行なわれたからです。

 大変光栄なことに講演者として依頼を受けましたので,私自身にとってもフューチャースクール推進事業に関わる最後のお仕事として,これまでの活動を踏まえて考えたことをお話した次第です。

「ICTのある学校で学びを深める」

(後日更新)

[FS徳島] 20131129 東みよし町立足代小学校公開授業研究会

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 私が担当研究者をしている徳島県東みよし町立足代小学校で公開授業が行なわれました。これが最後の公開授業。足代小らしさが凝縮された実践が披露されました。

 小学校分のフューチャースクール推進事業は昨年度で終了しているため,学びのイノベーション事業の実証校としての公開授業ということになります。

 3年生の国語は,お城までのイラスト地図をもとに「おはなしづくり」に挑戦しました。その際に,イラスト地図のミニチュア(ジオラマ風)を製作し,小型USBカメラを使って道のりを立体的に体感することで,物語への意欲を高める工夫が行なわれました。お話しづくりの作業にはコラボノートを利用。つくったお話しを発表する際にも,そのお話に合わせてUSBカメラを動かし映像を添えるといった活用がされました。

 4年生の理科では,体育館にビニールで作った球体ドームが用意され,オープンソースのプラネタリウムソフト「Stellarium」を使った天体学習が行なわれました。星の動きをあらかじめ予想し,自分たちの学校の風景を合成した今宵の星空を再現することで,星が自分たちの土地の空でどのように動き,どの風景や方角を手がかりにすれば星を見つけられるのかを学ぶことで,実際に子ども達が夜空で星を見つけられるようにするのがねらいです。

 5年生の外国語活動は,「What’s this?」という質問を使ったコミュニケーション活動でした。クイズをタブレット上で製作し,友達同士や他のグループの子達に対して出題をする活動をしたり,問題を製作するにあたって教室内の様々なものの英語名を確認するためAR技術を使って教室内のQRコードを読み取りタブレットから音声を取り出したりする活動も行ないました。

 6年生の算数では,おおよその面積を基本図形を使って求める活動をする際にネットで公開されている「E-Student」という測定ソフトウェアを利用しました。また次回は立体の体積を求めるため,そのイメージを理解するのに「SketchUp Make」というソフトも利用し,ハンバーガーと円柱を比べたりしました。

 当日は,玉川学園大学の堀田龍也先生をお迎えして対談をさせていただきましたが,堀田先生に外部から見た足代小学校の取り組みをお話しいただくことができました。

 すっかり言い忘れてしまったのですが,今回の裏テーマは「立体(3D)」。

 立体造形物や空間的活動など,どの授業も3Dをモチーフにした挑戦を盛り込んだこと,お分かりになった参加者はいたでしょうか。

 足代小学校の取り組みは,どちらかといえばフューチャースクール推進事業的な色彩(ICT機器や技術を授業や学習で使い倒してみる)が強いともいえそうで,それが学習効果的に高いか低いかという尺度が似合わない事例かも知れません。

 しかし,これは誤解して欲しくないのですが,足代小学校はぶっ飛んだ取り組みをしていても授業設計自体を疎かにはしていないということです。

 この日,先生方がパネリストとして登壇したパネルディスカッションでは,それぞれの授業者が授業に込めたねらいを語りましたし,ICT支援員さんからもこの3〜4年間で大事にされてきたのは「授業への配慮」であるということが述べられたほどです。授業への配慮とは,児童達の学びに対する配慮ということであり,丁寧な授業づくりこそが子ども達の学習を大事にすることに繋がることを私たちは常に意識しているということです。

 そして,そのような取り組みを実現するためには,教職員が一丸となって自分たちも学びあい成長することが大事であり,ICT活用への対応とは,新しいプラットフォーム上で学校教育というものを再構築する,一種の原点回帰作業だということを私たちは身をもって理解したわけです。

 足代小学校の中川斉史先生がまとめられたスライドには「学びのイノベーション事業は,教師の協働的な学びや授業作りを促した」ということ。「忘れかけていた『同僚性』の復活=日本の学校が大事にしてきたもの」ということが記されていました。

 実践の見え方が冒険的なものであるのか,あるいは堅実なものであるのか,様々違いはあるのかも知れませんが,いずれにしても先生方が協力しあって学校における学びのための文化を活性化しなければ,どのような道具も宝の持ち腐れであるし,逆にいえば,新しい道具を持ち込むことで新しい環境基盤の上に学びの文化を再構築する契機を作り出すことが,学びのイノベーション事業が目指していることだともいえます。

 というわけで,この公開授業をもって,担当研究者としての私の仕事も一段落つくことになりました。まだ実証校では報告書づくりなどの作業が残っていますが,事業自体はあと4ヶ月で終了です。

 私自身は,あともう少し他校を見て回ったり,情報の整理をして情報発信するなどする予定です。