教育とICTのウィキペディア開設

教育ICT Wiki
(http://ict.edufolder.jp/wiki/)を開設しました。

 

EduIctWiki

いろいろな情報を集めてはまとめようと努力しているつもりですが、一人ではなかなか手が回らない現実があります。集めても個人発信的だと他者には利用し難いところもあります。

教育と情報(ICT)を軸にした情報蓄積発信サイトを作りたいと考えていました。

すでに多数の情報発信サイトがある中に,貧弱なサイトを立ち上げても対抗できるわけではないのですが,皆さんにもご協力いただける場所をつくることは大事かなと考えて,新たにつくることにしました。

本家ウィキペディアが提供しているMediaWikiというソフトを利用して構築しました。名前はベタが一番だと思ったのでこうなりました。教育とICTの周辺のこともいろいろ入れていこうと思います。

もちろんコントリビューター(編集貢献者)も大募集・大歓迎しています。皆さんのお持ちの情報や実践,過去の記憶や歴史など,ここに記録してください。(運用については,これからいろいろルール作りをします。)

いまは器を作っただけですので,どれだけ中身を充実させられるか,数年は時間をかけて育てていかなければならないかなと思います。生まれたては,手間はかかるし,きっと問題も起こると思いますが,たぶんこういうウィキメディアが必要だと思います。

どうぞよろしくお願いします。

プログラマー「を」育てる教育を

小学校にもプログラミング体験を導入することとなった新たな学習指導要領のもと、学校教育でコンピュータを学ぶ体系的な教育実践が求められています。

情報教育という取り組みは、「情報活用能力」の育成を目指すものです。コンピュータを学ぶということは、情報教育の一部「情報の科学的な理解」に位置づく包含関係にあると考えられます。

またプログラミングは、コンピュータについて学んだことを活用するという点で情報教育の「情報活用の実践力」に位置づけることができ、プログラミングによって生み出した成果が社会に影響を与えると考えれば情報教育の「情報社会に参画する態度」を養うこととも無関係ではありません。

そう考えるとプログラマーは、「情報教育」の目標を極めて高度に体現した存在と言えます。

「プログラミング教育」(プログラミング体験・学習)について語るとき、私たちは注意深くあるべきだと思います。暗黙のうちに抱いているステレオタイプ的な見方を排して、フラットに語れるように間口を広げておくことは重要だからです。

だから小学校段階でのプログラミング体験について人々が語るとき、その取り組みは「コーディングを学ぶことではない」「プログラミング言語を学ぶことではない」「現職の先生たちはプログラミングの技術的なことは学んでいないのだから技術的なことは扱えない/扱わない」「コンピュータ機器等の整備格差があるのだからコンピュータ機器等を使わない方法も必要だ」といった注釈を伴うことも少なくありません。

結果的に小学校段階の学習指導要領やその周辺の語り口は、最大公約数的なところに落ち着くように配慮が働きます。プログラミング体験が「論理的思考力の育成」に軸足を置くのはそのためです。その方が間口が広いからです。

中学校・高等学校に進学し、さらにコンピュータの専門性の高い学習へと進むようになれば、そこで将来的な職業と学校での学びを結びつける際、プログラマー(あるいはIT人材)を目指す子供たちも増えるだろうという組み立てになります。

小学校段階のプログラミング体験と中学校・高等学校段階でのプログラミング学習という流れ。組み立てとしては分かりやすい一方、この組み立ては「悠長」としてないか、という指摘は一つの論点かもしれません。

現状、小学校段階で想定されているプログラミング体験は、「すべての人がプログラマーになるわけではない」という理由で、プログラミング言語や技能を学ぶことは目的としない代わりに、論理的思考力を育成することで「情報の科学的な理解」部分を代替し、社会がコンピュータで支えられていることの理解にもとづいて身近な問題に取り組む「情報活用の実践力」と、コンピュータを上手に活用することでよりよい社会を築こうとする「情報社会に参画する態度」の3つが目指された「情報教育」の営みとして描かれています。

ただ、小学校段階のプログラミング体験が論理的思考力の育成色を強めれば、仮にコンピュータを学ぶ機会の確保が十分できなかった場合、中学校・高等学校でのプログラミング学習との結びつきは期待するほど太くならない可能性もあります。そもそも中学校と高等学校のプログラミング学習にもその充実には課題が山積しています。

この話は、「すべての人がプログラマーになるわけではない」という路線を選ぶのか、「すべての人がプログラマーになること」という路線を選ぶのか、という選択の問題とも関わります。

すべての人がプログラマーになる世の中なんてあるはずがないと、鼻で笑われるかもしれません。

ただ、情報教育の目標を高度に体現した人がプログラマーであると考えることができるなら、私たちはプログラマーという意味をもう少し緩やかに捉えた上で目指してよいことになります。

それに「すべての人がプログラマーになるわけではない」という選択肢が、消極的な理由(エクスキューズ)として使われている、どこか後ろ向きな忖度感を抱かせることが残念な気もします。

小学校段階の教育は、特定の職業に結びついた特化した内容を学習することが目的ではありません。とはいえ、情報活用能力が言語能力と並ぶ教科の枠を超えた資質・能力の一つであると位置付けられ、情報教育の取り組みが強く求められていることを考えたとき、その高度な体現者であるプログラマーがこの日本にはもっと必要だと考えることは、決して不自然なことではないと考えます。

その場合の「プログラマー」は、特定の職業ではなく、数理系に偏るものではなく、高度な情報活用能力の体現者であると人々に理解されていくことが必要になります。それを働きかけていくのが社会に開かれた学校の役目となります。

そのことができるのであれば、さらに小学校段階でプログラミング言語や技能を扱ってもよいと考える。それを、直接的には言えない文部科学省の代わりに、いまは総務省や経済産業省が(つまり文部科学省の言外で)そのことを強く発信してくれているのだと考えるべきでしょう。

現状、プログラマーの人たちはそのようなタイプからは程遠いかもしれませんし、日本におけるプログラマーの職業事情は必ずしも幸せでない部分も多く、職業として勧めることが憚れている風潮もあります。

そう考えるとプログラマーと教員というのは、似ている部分もあると思わないではありません。どちらも日本という国での働き方をもっと考え直さなければならないし、社会的な認知や印象も向上さなくてはなりません。

「すべての人がプログラマーになること」を目指すという言葉のもとで、プログラマーという言葉にもっと前向きな意味合いを込めて世の中へと送り出す、そう社会に胸を張って主張していけるような教員へと変身することも含めて、新しい学習指導要領と新しい学校教育に取り掛かりたいものです。

「プログラマーも育てる教育」というよりも「プログラマーを育てる教育」を考えてみることから見えてくるものがあるかもしれません。

360度撮影カメラ2017秋

2017秋に向けて新しいカメラが続々登場しています。

着実に性能が向上して,普段遣いをするのに満足できるものになってきました。いろいろ解説をしたいのですが、とりあえずはどんな商品があるのか,簡単なスペックを一覧してみます。

なお,注目株は「Insta360 One」です。単体利用でカメラの向きを気にしなくてもよい6軸ジャイロによる強力な撮影性能と、まっすぐ繋がっている自撮り棒を消したような撮影が可能です。このお陰で,まるでドローンを間近に飛ばしているかのような撮影ができます(ネットではカメラを振り回してスローモーション撮影するバレットタイムという撮り方が話題になっていますが…)。

リコー社の「THETA V」も,THETAシリーズの真打ち登場といったところ。目的に応じて有力な選択肢です。

Insta360 Nano

単体使用可/要充電/iPhone専用/Lightning端子で接続と転送可/マイクロSD

レンズ:F2.0
写真・動画解像度:3040 x 1520
重量:約70g
参考価格:23,999円
  

Insta360 Air

単体利用不可(カメラモジュールのみ)/充電不要/AndroidとPC,Mac/Micro-USB版とUSB-C版

レンズ:F2.4
写真解像度:3008 x 1504 (3K)
動画解像度:2560 x 1280 (30fps)
重量:26.5g
参考価格:19,999円
  

insta360 One

単体利用可/要充電/iPhone(Lightning)用とAndroid(Micro-USB)用有り/端子接続転送可/BLE4.0/マイクロSD/6軸ジャイロセンサー

レンズ:F2.2
写真解像度:6912 x 3456
動画解像度:3840 x 1920 (30fps), 2560 x 1280 (60fps), 2048 x 512 (120fps)
重量:82g
参考価格:42,999円
  

THETA S

単体利用可/要充電/WiFi接続/Micro-USB接続/HDMI-Micro端子/マイク端子

レンズ:F2.0
写真解像度:5376 x 2688, 2048 x 1024
動画解像度:1920 x 1080 (30fps / 16Mbps), 1280 x 720 (15fps / 6Mbps)
重量:約125g
参考価格:42,800円
  

THETA V

単体利用可/要充電/WiFi接続/Bluetooth接続/Micro-USB接続/マイク端子/ジャイロセンサー 

レンズ:F2.0
写真解像度:5376 x 2688
動画解像度:3840 x 1920 (29.97fps / 56, 32Mbps), 1920 x 960 (29.97fps / 16, 8Mbps)
重量:約121g
参考価格:56,700円
  

 【Giroptic iO

単体使用不可(カメラモジュールのみ)/iOS(Lightning)用とAndroid(Micro-USB版とUSB-C版)用有り

レンズ:F1.8
写真解像度:3840 x 1920
動画解像度:1920 x 960 (30fps)
重量:70g
参考価格:29,800円
  

Galaxy Gear 360】 

単体利用可/WiFi接続/Bluetooth4.1接続/USB-C接続/マイクロSD/ジャイロセンサー・加速度センサー 

レンズ:F2.2
写真解像度:5472 x 2736
動画解像度:4096 x 2048 (24fps), 2560 x 1280 (30fps)
重量:約130g
参考価格:29,880円
  

以上が個人にも入手しやすい製品でしょうか。

参考までに,8Kレベルのプロ用カメラもご紹介しておきましょう。価格は個人にとって目の飛び出る代物ですが,おそらくこの水準の撮影成果ができて初めて満足できるレベルかも知れません。 360度撮影カメラの進化はまだまだこれからです。

Insta360 Pro

単体利用可能/HDMI/Ethernet/USB-C/WiFi接続/マイクロSD/魚眼レンズ6枚

レンズ:F2.4
写真解像度:最大7680 x 3840 (8K)
動画解像度:7680 x 3840 (30fps/ポストプロセス), 3840 x 1920 (30fps/リアルタイム) 
重量:1228g
参考価格:450,000円