20181110_Sat

ゼミ旅行の日だった。

そもそもゼミ生の1人が,東京のダンススタジオが主催するステージに立つことになり,その活躍を応援しに東京へ行くことをゼミ旅行として計画した。徳島から東京へ行くのは難しいことではないとしても,単に観光しにいくというのではゼミ旅行として理由が弱いので,今回はよいチャンスだった。

だったのだが,残念ながら都合がつかなくなってしまったゼミ生もいたため,今回は全員で旅行することはできなかった。というわけで「半ゼミ旅行」。

私は事前に東京入りしていたが,学生は夜行バスで当日朝に着く。

ホテルで身支度して連絡を待っていたら,なにやら新宿の人の多さと場所のわからなさに困って,カラオケに非難したとメッセージがきた。

とりあえず新宿に向い,カラオケ店から出てくる時間までApple新宿で新しいiPad Proなどをレビューしていた。

その後,迎えに行って,新宿駅周辺を観光。ランチを食べてから,新宿駅をぐるっと一周するように街を歩いた。せっかくなので東京都庁へ。展望室からの眺めを堪能してもらい,そこから新国立劇場へ。

ゼミ生が参加しているステージは新国立劇場・中劇場で上演される。

その分野は詳しくないが,ステージを主催する名倉ジャズダンススタジオの代表・名倉加代子さんは長いキャリアをお持ちの凄い方らしい。そして,今回は,歌手の森公美子さんと,元宝塚の湖月わたるさんといったスターがゲスト参加している。私は正直,森さんしか分からないのであるが,劇場の他のお客さんたちの雰囲気を感じ取るに,錚錚たる出演者たちなのだということは理解できた。

ダンスを踊るゼミ生は,自分が好きでやっていたこととはいえ,週末や休日を中心に東京へ通いつつも,ときに授業を欠席しなければならないことがあったりして,もしかしたらちょっとだけ後ろめたさも感じていたのではないか。

私たちにしても,その学生が時々いなくなりながら頑張っている事柄を直接は知らないまま,なんとなく様子を見守っているのは,少し中途半端な気もしていた。

だから,ゼミ仲間でその活躍を直接見に行くことは大事なことと思った。

ステージは圧巻だった。

用意してくれた座席はど真ん中の特等席で,森公美子さんを真正面にしながらその歌声を聴くことになった。さらに,ゼミ生がその肩越しにダイナミックに踊っている様子が観えた。素晴らしいショウだった。

終演後,ロビーでゼミ生と会って言葉を交わす。良かったと思う。

半ゼミ旅行は,その後,東京タワーと東京駅を駆け足でめぐり,最後は徳島へ戻る夜行バスに乗るため新宿バスタへ。たった一日だけだったけれども,なかなか楽しい旅行となった。

20181109_Fri

日本教育工学研究協議会 全国大会(またはJAET全国大会)が神奈川県川崎市で2018年11月9日と10日開催される。

初日のみ顔を出してみる。

川崎市立川崎高等学校・附属中学校の公開授業を少しばかり参観することができた。5年前から附属中学校が始まった完成年度直前の中高一貫校である。それに合わせて新築されたという校舎は,まだ新しさが残るだけでなく,余裕のある学校空間となるよう設計された魅力的な建築だった。

学校のICT機器環境が飛び抜けて優れているわけではなく,附属中学校への入学時に1人1台のタブレット端末を購入するBYOD方式をとっている。そのためインターネット接続が可能なように無線LAN環境が整えられ,各教室にスクリーンとプロジェクタが設置されていた。

公開授業は,極めて落ち着いた様子で,決して当日の公開のため用意された他所行きの活動というわけではなく,講義を聞くタイプの授業,ディスカッションなどのグループ活動,教科の学習単元に応じたICT活用と学習活動を淡々と進めていた。取り組む生徒たちの姿は,とても前向きな雰囲気に満ちていた。それだけで凄い学校だったと感じる参観者も多かった。

もっとも,やはり川崎市内でも先進的なグループに属する学校のようだ。川崎市は政令都市のひとつで,人口は160万人の都市。教育の情報化は,まだまだ取り組まなければならないことがたくさんあるといっていた。

その後JAET全国大会は,開会行事や基調講演などが続いた。

幾人かの人たちとご挨拶などして,大先輩に連れられてお茶の水で一献した。

20181108_Thu

保育原理はプロジェクト活動の発表共有。

ジグソー法を参考に,エキスパートグループのメンバーが分散して新たなグループでジグソー活動を行なった。クロストーク活動までは時間内では難しかったので,次回以降ということに。

個別の調べ活動を経ているので,発表のスタイルは様々だったが,ジグソー活動が成立しないということはなくてホッとしている。強いて困ったといえば欠席者部分のフォローだが,それも快く買って出てくれる学生たちのお陰で大事にはならなかった。

プロジェクト活動はさらに次のステップへと進めて,得たものを活かしてもらうように促していきたい。

ゼミ4年生の卒業研究は地道に前に進んでいる。どこまで到達できるかも気になるが,ともかく立ち止まらないことが今は1番大事。

20181107_Wed

米国の中間選挙に関するニュースを横目に過ごした。

米国のメディアが発信している開票速報のインフォグラフィックを表現方法として楽しみながら,共和党と民主党の勢力争いの行方を見ていた。

最近はフェイクニュースについて触れた番組などを見ることも多くなったし,2年前の大統領選を振り返って,どのように情報がフィルタリングされているのかを考える報道も多くなっている。

フィルタバブルやエコーチェンバーといった問題と向き合うことがとても重要になってきたものの,この問題が生じさせている事態の全体像を想像したり,見抜いたりすることが技術的に困難になっていることは,情報教育にとっても大きな脅威のように思われる。

人間社会は神話と虚構の存在によって大きく複雑になってきたとハラリは論じていたけれど,その虚構で社会が滅びるのも道理のうちなのか。

中間選挙の結果は,上院で共和党が優勢,下院で民主党が優勢となった。中間選挙のセオリー通りの展開だと考える人々もいるし,トランプ大統領への厳しい評価の結果だと見る人々もいる。

もっとも,これからはアメリカという国家より,中国という国家が台頭する世界へとシフトすることについて,もっと真剣に考えなければならないのかも知れない。世界の枠組みがガラッと変わりつつある。

20181106_Tue

議論や対話の場を仕掛けるのは難しい。

特に東京にいる人たちがやろうとすると,私が皮肉めいて表現する「東京ローカル」な結果になりやすい。集うにはいい都市ではあるが,それが返って,集いやすい人たちの内輪事と映りやすくなる場所でもある。

教育劣位社会』(岩波書店2016)は,教育政策と教育世論の実相について意識調査結果をもとに議論を展開している。日本においては,医療や介護といった社会保障世論に比して,特に高等教育などの教育世論の優先順位が劣位にあるというのが調査結果の明示するところだという。

そうした教育世論に影響するものとは何か。

「優先して税金を投入すべき領域」等の意識を調査するにあたり,質問テーマに関する情報提供によってどれくらい意識変化に影響するかを分析したところ,ほとんど影響がなかったことが判明する。しかし,分析を進めると,テーマが自らに関係したり,リスクが及ぶことがわかると意見に変化がみられる場合もあったという。日本人の世論に影響を与えるものは「当事者性」ということになり,こうした特性が根強いようだ。

この一説を援用したとき,ここでいう「東京ローカル」な状況が,その外側の人々の当事者性を駆動できていない可能性は十分考えられ得る。場合によっては,冷めた目を増長しさえするのではないか。そうした難しさがあることも覚悟が必要だと思う。

教育に関する情報提供が世論の意見変化に影響しづらいという指摘は,議論や対話によって教育に関する情報への認知を高めることが大事だと考えている私のような人間にはショックな話である。

しかし,議論や対話を通して当事者性を喚起しながら巻き込むことには可能性が見えるわけで,そうしたことを実現するため丁寧にアレンジしていくことが大事なのだということは,経験的にも納得いくことである。

教育と歴史研究の資料整理に助っ人登場。

内定が決まって余裕のできた4年生でExcelの勉強がしたいという学生に,データ入力のアルバイトをお願いしたところ快く引き受けてくれた。「NEW教育とマイコン」誌の目次情報を電子化する作業が一歩前進。

頼み下手な私にしては珍しい出来事である。