組織における教育や学習について研究している人たちが周りにいたこともあって、私自身の専門ではないけれど、わりとずっと気にしてきた。
そうでなくとも、ビジネス書の売れ筋である人材育成の本は、どの書店に寄っても上位ランキング本として目立つ場所に掲げられているので、たまに立ち読みなどする。
残念ながら、私自身は人の上に立った経験がキャリアを通してほとんどない。
唯一、短大教員時代にメディアセンター長なる役職を得て、二人くらいの助手さんの上司になったことが私のマネージャー経験だ。あとはヒラ大学教員が続いたので、上司経験もなければ、部下意識もないまま時が過ぎた。
だから、ビジネス書を自分自身のために読むことはなく、あくまでも教養的に覗き見してきたというのが実際のところだ。
ところが、ここ最近は、そういったビジネス書をずいぶん身近なテーマと感じながら手にすることが多くなってきた。たとえば、この本はあちこちの書店でランキングの棚に並んでいる。
この本の序章「リードマネジメントで組織パフォーマンスを最大化する」はこんな節題が並んでいる。
- なぜ優秀なプレイヤーが優秀なマネージャーになり得ないのか?
- 「私のようになれ」の意識がメンバーたちを苦しめる
- 任せられないマネージャーはメンバーからの不信感を買う
- マネージャーの頭の中だけに存在する「べき論」とサヨナラする
- 今すぐ「マネジメントの無免許運転」から脱却しよう
- 「選択理論心理学」をベースにしたまったく新しいマネジメント手法
- 「人間の行動メカニズム」を考え直すことが勉強のスタート
- リードマネジメント実践のための5つの技術
内容予告の後半部分はさて置いて、最初のつかみとなる節部分は、ありがちなシチュエーションを的確に捉えていて読者を引きつける。
そういえば、この類いのアンチパターンを集めた本も最近書店で積まれていた。
残りの人生で他人の上司になる機会が、あるのかどうか分からないけれども、組織の中で人が成長することを優先できるように、こういった本からいろいろ学んでおきたい。