徳島県立高校 学習用端末を知ろう

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この記事自体は県立学校が導入したCHUWI UBookについてです。
これとは別に徳島市他が共同導入したCHUWI Hi10Xについてはこちらの記事へどうぞ。

〈追記 20231114〉

〈/追記〉


前回までのあらすじ

以前、GIGAスクール構想実現事業の一環として小中学校に導入された学習者用端末について、徳島県内で起こった端末不良問題をきっかけに取り上げました。

そのブログ記事に追記したように、徳島県では県立高等学校でも学習者用端末を貸与のため導入しました。

入札の公告などは次の通りです。

高校生の投書

2021年7月4日付け徳島新聞の「若い声」欄に、とある県立高等学校の現役高校生の投書が掲載されました。これを紹介したTwitterの写真付きツイートが拡散したのです。

投書タイトルは「物足りぬGIGAスクール」というもの。GIGAスクール構想実現事業の範疇で小中学校に導入された学習者用端末を徳島県では県立高等学校にまで広げたこと。しかし、期待していた端末の現実に失望したこと。また、学校でのインターネット接続速度も十分とはいえず、これではGIGAではなくてKILO、せいぜいMEGAがいいところ。さくさく動くスマホになれた高校生にこれを強制するのはいかがなもので、これに血税を浪費していないか、十分考慮計画された事業だったのかと辛辣な内容でした。

この投書や投書紹介に対して様々な反応がなされたわけです。

そして、その後、徳島県立高等学校に導入された端末について情報提供をいただきましたので、ここでご紹介したいと思います。

それから、新聞に投書した高校生ご本人からのメールをいただき、投書に書き切れなかったお話をいろいろ教えてもらいました。適宜ご紹介します。

徳島県立高等学校で導入した端末

投書の中で、「家で充電できず、キーボードはいかにも安物で使いづらい。スペックは案の定最低レベル」と揶揄された端末はどういうものなのか。

メーカーと機種

前回の記事では、学校で端末を使用している様子を報道したニュース映像から端末を推測しました。しかし、実際に端末を使用している高校生の方から情報提供をいただき、端末が「CHUWI社製Ubook」という機種であることを確認しました。

調達仕様

徳島県で調達する際の仕様に関して、次のような表の情報提供もありました。

OSは、小中高校でWindows10 Proに統一したようです。

充電について

Ubookの充電仕様は、ピンプラグ端子で専用ACアダプタに接続して12V/2Aで充電するタイプ。

小中学校に導入されたHi10Xは、USB-C端子で専用ACアダプタに接続する12V/2Aタイプでしたが、それと高等学校に導入されたUbookでは接続で使うプラグ端子が違っています。

このため、専用ACアダプタを携帯しなければ、家に持ち帰った際に充電できないということになり、投書で指摘していた通りの問題があります。

【新聞投書の高校生さんから…】

このACアダブタの端子が、イヤホンジャックにもささってしまう仕様で、それぞれ端末の左面・右面についているものですから指し間違いが多発するんです。勿論、皆初めて触れる端末で、なおかつ何の周知もされていないので言われないと気づくわけがありません。結局、何回も私と先生で差し替えることになりました。今では皆が気をつけるようになって収まっているのものの、これが新入生が入るたびに起こると思うと、はぁ…と思ってしまいます。

なお、追加の充電アダプタを夏休み前に配布することになったとの情報も寄せられました。

スタンドやキーボードについて

スタンド

Ubookは、マイクロソフト社のSurfaceを模したタブレットPCのため、端末を立てる機構やキーボードについても、Surfaceをマネしようとしたものになっています。

元ネタのSurfaceの場合は本体裏の盤面半分がヒンジ機構で起き上がりスタンドになるデザインですが、さすがに難易度の高い製造技術が必要なので、Ubookの場合は外枠が曲がる形でスタンドを実現しています。耐久性が心配ですが。

【新聞投書の高校生さんから…】

この端末は、サーフェス型で机上に置くときかなりスペースを取ります。そんなに大きくない学習机ですから、まあみんなよく落とします。その時、背面が金属製であるのに対し側面は樹脂製で、当たりどころが悪いとUSBポートの部分が曲がったり、接着が甘いのか外れたりします。明らかに教育現場にはあっていないです。

確かに、このタイプのスタンドだとフットプリント(端末が占有する領域)がどうしても広く必要になりますから、スタンドが机の縁からはみ出て端末が落ちることも多くなりそうです。端末が落下する様子を想像するだけでも寒気がします。

キーボード

また、キーボードはタブレット画面のカバーにもなるタイプで、これを開いて、部分的に磁石で端末と引きつけることでキーボードに高さ(角度)をつけるようデザインされています。このタイプのものはChromebookタブレットでも採用しているものがあります。

このタイプは、どうしても部品が多くなるため、剛性の高いしっかりしたキーボードだと重たくなってしまいます。一方、そこで軽量化を目指すと、逆にキーボードがたわみやすく打ち難いものになってしまいます。新聞投書でも「いかにも安物」と評されていました。

【新聞投書の高校生さんから…】

キーボードで打ち込みを行ったとき、いちいちへこむようになっています。こういった点が「いかにも安物」と感じた所以です。
また、このキーボードは純正の英語配列ではなく、日本語配列のものになっています。互換品を使っている可能性もありますが、アジア合同会社がCHUWI社とのコネクションを持っていることを考えると、特注したものなのかもしれません。

市販品では英語キーボード設定のみですので、日本語配列のものを用意したのは特別かも知れません。私個人的には日本語配列を用意したことは悪いことではないと思っていますが…。

高等学校のインターネット接続環境

この部分に関しては、新聞投書された高校生ご本人の文章を引用します。

【新聞投書の高校生さんから…】

文字数の制約で端末本体の話の後にそのまま書いてしましたが、こちらは端末というよりそもそものネット環境の問題です。
Wi-Fiの機械自体は良いものらしいのですが、そもそもの回線が古いままで、回線がパンクしている状況です。数人が使うくらいなら10Mbps程度でるのですが、クラス全体で使った場合、ひどいと数十Kbpsしか出ません。アプリケーションのダウンロードなんぞしようものなら、数十分はゆうにかかります。自分のクラスが使っていなくても、他クラスが使っていると教員用PCもネットに繋がりにくくなり、困っている次第です。

この他、隣りクラスのWiFiとの混線状況も生じている様子で、ネットワーク環境に関しては、接続が可能という程度でとりあえずは済ませた状態のようです。

投書へのリアクションに対して

Twitterに投稿された元の紹介ツイートはすでに削除されており、Togetterで記録されたものやいくつかのWebサイトで記録されたものが残っているのみです。

今回、直後に巻き起こった拡散やリアクションの大きさには、投書された高校生本人も、また紹介ツイートをした方もびっくりされていたようです。

様々なリアクションに、やはりいろんな思いを抱かれたようで、新聞投書では伝え切れなかったことやネット上のリアクションへの返答も届けたかったそうなので、私に情報を託してくださいました。

その中には、スマホ事情についてのお話もありました。

【新聞投書の高校生さんから…】

リツイートの中にはスマホや自身のPCを使えばいいじゃないかという意見もありましたが、私の高校では、スマートフォンに関しては登校後は電源OFF、PCは持ち込み禁止という規則になっています。先生によっては、臨機応変にスマートフォンでの代替を認めてくれる場合もありますが、全員ではないので、やはり不便です。(私自身のスマホはAndroidのローエンドモデルなので大した性能ではないですが、それでもやはりスマホの方が早いという…。PCは普段インテルcorei7搭載のノートパソコンを使っています。)

その後の学校や教育委員会の対応

高等学校での環境整備はまだ完成しているわけではなく、今後次のような整備が予定されているようです。

  1. 1学期終業式までに、家庭で端末の充電ができるように家庭用のACアダプターを生徒1人に1個貸与。
  2. 夏休み中に、学校のインターネット回線の増強を予定。
  3. 夏休み中に、学校・家庭でより安全にインターネットを利用できるためのフィルタリングソフトを導入予定。

こうした取り組みを保護者に向けて連絡をしたようです。


というわけで、徳島県立高等学校関連の学習者用端末やネットワークについて、Twitterやメールでお寄せいただいた情報をもとにご紹介しました。

予想されたことですが、これらはすべて学校や教育委員会の内部と生徒や保護者といった限られた範囲だけに情報が伝えられただけで、外部にはまったく何も公開されていません。

投書にあったような「血税で賄われている」という意識はそもそも教育分野では希薄だし、学校教育に関わりの無い人間に対してむやみに情報公開する必要はないというのが基本姿勢でしょうから、このまま時が過ぎて終わりそうです。

どんなに酷い状況でも我慢して耐え続けやり過ごすこと。

日本の学校教育でこれまでもこれからも強く推し進められているのは、この基本姿勢であり、今回のGIGAスクールや学習端末関連の出来事においても、それを押し通して児童生徒たちに我慢してもらうことが教育だということになりそうです。

個人的には、とても残念に思いますが。

徳島市GIGAスクール端末を知ろう

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この記事自体は徳島市他が共同導入したCHUWI Hi10Xについてですが、
この追記部分は県立学校が導入したCHUWI UBookについて触れています。こちらの記事もどうぞ。

[追記20231006]

コメントさせていただきました。(県立学校問題と徳島市問題は、主体も機種も別ですので要注意)


この記事自体は徳島市他が共同導入したCHUWI Hi10Xについてですが、
この追記部分は県立学校が導入したCHUWI UBookについて触れています。こちらの記事もどうぞ。

[追記20231005]

徳島県立学校に導入された端末について報道されました。

とうとう知事から調査指示が出たようです。

しばらくはまた何事もなく日々が過ぎていく感じだろうとは思いますが、後日ちゃんと調査結果の詳細報告がなされることを願います。


[追記20230714]

技適登録された模様。

技適マークを表示するためのパッチが配布されて、起動時に強制表示することになったらしい。ただ、パッチが副作用を引き起こしているところもあるという。

これで一件落着となりますか。

次の更新時には、一般入札方式ではなく、プロポーザル方式(企画競争入札)にすることが大事かも知れませんね。

〈追記〉しかし、これもともと「公募型プロポーザル」入札で、その上で二社の点数良い方を選定しちゃったので、なるほど仕様決めが甘かったということでしょう。そうなるとRFIをやった意味ってのが無かったということになり、そっちの方が無駄になっちゃったという感じかも知れません。〈/追記〉


[追記20230518]

CHUWI社の5月16日付ニュースリリースによると一部製品の技術基準適合証明を獲得したとのこと。

文脈からすれば4月13日付で詫びていたタブレット端末の件だと思われますが、はっきりとは明記せずに証明書をチラッと見せているだけなので、とりあえず対処はしていることの報告みたいです。

しかし、画像にある工事設計認証番号らしき「214-230049」を電波利用ホームページで検索してみても、該当データがないといわれるのは、データ更新がまだのせいなのでしょうか。


[追記 20230427]

CHUWI社の端末が技適証明取得を完了する予定は今月末のようですので、まだ表立って何がどうなったという公表も報道もありません。四国放送がちょっと恥ずかしかったのか「無線ラン」を「無線LAN」に修正した記事を再投稿したぐらいです。

それと,徳島市のGIGA端末納入事業を落札した企業の社長さんが書いた本があるのですが、どうやらその本の中でGIGAスクールに絡む出来事に触れているらしく、出版社のサイトにその抜粋が掲載されていたようです。

竹本雄一「DXで会社が変わる

納入側には納入側のドラマとロマンがある。

そう考えれば、あの時この企業が踏ん張ってくれなかったら,徳島の子どもたちにタブレット端末は届かなかったかも知れない…という風に物語全体を描くことはできそうです。あの時期にそれを成し遂げたことは,いくらかのアクシデントがあったにせよ,簡単ではなかったわけですから。

ビジネス的には,教育委員会の無茶振りにも応え、金策の波乱をも乗り越え、会社も大きく発展した,めでたいサクセスストーリーです。

それがどうして,こんなにスッキリしない気持ちを連れてくるのか。他に何かしようがあったかと問われれば,代替案などないわけで。

これはもう最初に,ギリギリになってからWindows決め打ちで調達公告出したところからすべてボタンの掛け違いで、何事もなかったかのように進んできたことを「てへ,失礼しました」とお茶目に恥ずかしがる教育センターを生暖かく許すしかないのだろうなぁと…そう思うのでした。

〈追記〉

〈/追記〉


[追記 20230414 -2]

13日中にCHUWI (ツーウェイ)社から今回の件に関する文書が公表されていたようです。

またこの件に関して積極的に行動されている方もいらっしゃるようです。表から見えている様々な動きは、こうして動かれている方々の尽力によるものも関係しているかと思います。

技適マーク表示の問題もまだ行方は判明していないようですので、今後の事態の推移を見守りたいと思います。

[追記 20230414 -1]

JRT四国放送の報道後にいろいろ展開がありました。

Twitter上では当該タブレット端末を導入した学区の保護者と思われる皆さんが「学校からこの件に関するお便りがあった」という証言をされています。便りの時期がバラバラだったようですが、それは基礎自治体の違いのせいかも知れません。

20230412には総務省から製造メーカーに行政指導が行なわれたとの情報が公表されました。

先の学校からのお便りにもとづく情報によると「4/15 5GHz帯工事設計認証許可取得」という予定が記載されていたことから、昨年中には提供情報にもとづいて総務省の関係部局が動いて、今回の行政指導のための準備を行なっていたことが分かりますし、予定通りになるかは定かではないとしても5GHz帯についても追加で認証許可を行なうことで解決を図るよう算段していることがわかります。

なお、徳島新聞も今回の件について記事を発信しました。

これによって行政指導という一定のアクションと解決の見通しが立ったことになり、本件については次第に収束していくものと思われます。徳島新聞の記事によって徳島県民から何かしらアクションが起らないとも限りませんが、新しい知事に任せとけばいいって感じになれば、特に盛り上がりもせずにこのまま終わると思います。

全国的にもそろそろ端末更新時期に来ており、初回同様に国費からの補助を求める動きなども起こっているタイミングです。各基礎自治体や都道府県においては、初回の導入や対応の在り方を振りかえり、更新の方向性や計画を立てていく必要があります。

徳島県は早々に「徳島県学校教育情報化推進計画」を策定している点は前向きですが、その中の学習者端末に関する現状分析は、残念ながら十分なものとは言えません。

つまり、徳島県の端末更新に関する検討や議論は、何一つ問題がなかったという認識のもとで進行することが予定されており、おそらく入札過程や対応体制についても現状の関係者内の都合のよい形で行なわれることが見えていることになります。たとえば、初回の仕様がWindowsマシンの決め打ちだったように、次回の仕様もWindowsマシンのみが入札条件になるといったことです。

このような状況を見透かした事業者たちによって、次期端末の入札に関しても事業者の思惑に乗せられたまま進行することは容易に想像でき、運が良ければマシになるでしょうが、運が悪ければまた何を購入させられるのか分かりません。

ちなみに前回の応札業者のアジア合同株式会社はアジア株式会社となり、テクノ・ホライズングループ傘下に吸収されたのち、アドワー株式会社へと消滅統合されました。ご発展おめでとうございます!

関係者に私からご忠告申し上げることがあるならば、もっとちゃんと勉強して仕事しろ、ということのみです。

徳島県の児童生徒の皆さん、次期端末がもう少しマシなものになることお祈り申し上げます。


[追記 20230411]

徳島県教育委員会からGIGAスクール端末として導入したCHUWI社製のタブレットに関して何かしらの動きがあったようです。地域の四国放送がニュースで取り上げました。


[追記 20230131]

ご無沙汰しています。アフターGIGAとかネクストGIGAとかの議論も聞こえてくるこの頃です。

さて,理想的な端末ではないけれど,使えない端末ではないという程度に,徳島のGIGAスクール端末も日常に溶け込んでいるようです。徳島から全国に伝わる情報は,少数派のChromebook端末採用校の実践事例が発信されている状態で,それは県内にいてもほとんど同じなので,実のところ今でも実情がよく分からない。そういう日常が続いているという感じです。

実は,昨年中(11月ごろ)に情報をいただいて,何かしら書かねばと思ってから,すっかり時間が経過してしまいました。単純に年末年始の慌ただしさに巻き込まないように棚上げしていたせいです。申し訳ない。

提供いただいていた情報は,徳島県内の多くの自治体が採用した「CHUWI社 Hi10 X」(CWI529)が,技適(技術基準適合証明)に関して「2.4GHz帯の認証しか受けておらず、5GHz帯の技適を取得していない,得られていないのではないか」という情報でした。

というわけで総務省「電波利用のホームページ」で型番CWI529を探しました。

電波の型式が分かり難いですが,「2402-2480MHz」などと書かれているのが2.4GHz帯を表わしており,これはBluetoothとWiFiについて認証されていることを表わしています。そしてなるほど5GHzの記述は見当たりません。

認証情報は同番機器について複数情報が登録されている場合もあるので,たとえば「CHUWI」で検索し出力された他の情報も見回してみましたが,上図以外の登録情報はありませんでした。

さて,この状況をどのように指摘するべきか。

情報提供者の方の懸念は「違法状態での機器利用」ということです。総務省にもこれに関する問い合わせを行なっているそうですが,音沙汰がないそうな。

技適に関しては,海外から持ち込まれた認証されてない機器の利用ルールが決められるなど,複雑な実情にどのように対応するかは常に議論されているところです。確認できる情報も限られている中で,勝手な判断にもとづいて何か断定的なことを書くことはできません。

今回は,いただいた情報と確認できたことだけをお伝えするに留めたいと思います。


[追記]徳島県「とくしま 目安箱」から…

20210625 タブレットの不具合について
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/5047598/
20210728 学校に配布されたタブレットについて
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/5048712/
20210728 タブレット回収問題
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/5048697/
20210802 GIGAスクール構想
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/5048878/
20230120 GIGAスクール構想に基づいた学校配布端末について
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/7212889/
20230616 児童・生徒が使う端末の電波法違反について
https://www.pref.tokushima.lg.jp/opinion/7217521/

[追記 20210811]8/11 学校に導入されたタブレット端末のWindowsにも「ライセンス認証」問題が存在するようです。

ラインセンスを購入してないわけではなく、認証させる操作手続きが後手になっているという問題です。このため、Windowsのコマンドラインを利用して、ライセンス番号を入力して認証させる作業が必要になります。この作業がどのように行なわれるのか、まだ情報は得られていませんが、どうやらユーザー側にやってもらう雲行きであるとも漏れ聞きます。

こうした問題は学校・教育委員会外には公表されておらず、また秘密裏に処理されるようです。


[追記 20210707]7/7に連絡をいただき、件の高校で使用しているのは「Ubook」(無印)であるとご指摘いただきました。そうであれば、(専用ACアダプタ以外では)充電できない問題があるという投書の内容は正しいことになります。

徳島県立高校で生徒の皆さんが使用しているタブレット端末について、後日ブログを書きたいと思います。


この記事自体は徳島市他が共同導入したCHUWI Hi10Xについてですが、
この追記部分は県立学校が導入したCHUWI UBookの話題に触れています。こちらの記事もどうぞ。

[追記 20210704]7/4付の徳島新聞紙面「若い声」に現役高校生(県立高等学校生)の投書が掲載され,小中学校のGIGAスクール構想における端末導入と歩調を合わせて導入された県立高等学校向けの学習用端末に対する辛辣な意見が注目を集めました。

実際,GIGAスクール構想実現事業の学校内ネットワーク整備部分は,高等学校も範疇です。一方,学習用端末は,都道府県など学校設置者の判断次第です。徳島県は全県立高校生に学習用端末を貸与すると決定(2020年6月)しました。

2020年8月には一般競争入札が始まりました。

落札したのは「株式会社四電工」です。地元の有力企業です。どんな端末が納入されたのかは,残念ながら入札関連の情報からは伺い知れませんが,県立高校で行なわれた公開授業についてのニュースとその映像から端末が見えてきました。

小中学校向けの共同調達で人気だったCHUWI社のタブレット端末のようです。機種はUBook Proのようですが,詳細な仕様は分かりません。(ご指摘いただき、Ubook無印であったようです)

こちらの端末は,メーカーの仕様上ではUSB-C PD2.0規格に対応しているので,自宅のUSB-C PD対応の充電アダプタで充電できないってことはないとは思いますが,実際のところはどうなのか未確認です。

学習用端末の話は,小中学校と高等学校で議論を切り分けなければならない部分はあります。一方,学校内ネットワーク整備に関しては,共通して高速快適な整備が望まれます。学校外インターネットとの接続に関しては,なお不透明なところが多く,それぞれがお住みの基礎自治体で住民が理解を示し協力しつつ担当者も踏ん張らないといけない状況です。


[追記 20210611]6/11に徳島新聞Web記事で、徳島のGIGAスクール端末に関する詳しい内容が取り上げられました。

徳島県内の共同調達組と個別調達組で導入された端末機種は違うことが記事からもわかります。私も取材を受けてコメントさせていただきました。


2ページ目あり

課長さん、いらっしゃい

私が国の仕事にかかわるようになったのは2010年頃です。

徳島に引っ越してすぐに総務省のフューチャースクール推進事業が始まり、地域研究者として徳島の実証校に関わるようになったのでした。

そういう機会は滅多にあるものではないので、立場を越境しながら全国行脚して実証校巡りをしたり、夜行バスで上京して審議会の傍聴をしたりしました。わりと破天荒に動いていたので、珍しがられました。

その後、総務省の仕事から文部科学省の仕事にスライドして関わりながらも、破天荒ゆえに、いわゆる有識者ではなく下っ端の協力研究者としての関わりでした。裏方仕事をいくつかもらい、国の仕事の断片を覗けた感じです。

他の関係者の方々が、省庁の人たちと知り合いながらコミュティを形成しているのを見ると、そういうものが得意でない私は一段と退いてしまうので、なんとなく遠くから眺めることになって、仕事も遠慮するようになりました。

GIGAスクール構想実現事業の初期に情報教育・外国語教育課長だった高谷さんという方がいて、当時の情報発信の内容が話題になっていたこと、覚えていると思います。

課長職としては大胆な発信でしたが、物事を動かすにはこれっくらい必要だし、そういうことが分かっている方だなと思いました。ちょうど経済産業省側では浅野さんというこれまた名物課長さんが華やかに活動されていて、省庁連携でお二人が協力されたことなどもあり、教育と情報の分野が賑やかになったのはいいことだなと思います。

つい最近、このお2人が登場するネット記事が流れてきました。

浅野さんは課長職を続投中ですが、高谷さんは理研に異動され同時にデジタル庁の創設準備に関わられているのだとか。私個人的には、このお二人の言動については好意的なので、遠くで応援する感じです。

平成27年度開始の文部科学省「ICT活用教育アドバイザー事業」というものに参加してたご縁もあって、このお二人とそれぞれ、いっときだけご一緒したことがあります。

とはいえ、大変注目されているお二人だし、たくさんの有名人や有識者の人たちが周りを囲んでコミュニティを形成しているので、ちゃんとお話できたことはありません。よくある、同じ場に参加していました…程度の距離です。

そのことと、上に紹介した記事「「デジタル庁」準備室担当が語る「1人1台」の盲点 元文科省課長の髙谷氏「学習者IDの準備を」」に関連して思い出すのは、コロナ禍前の2019年12月23日(月)に開催された「学校の情報環境整備に関する説明会」が終わって、別の場に少数の関係者が集まる会があり、そこにお呼ばれした時のこと。

その場にちょっとだけ高谷当時課長さんも挨拶参加したのが、私との最接近ポイントでした。

そのとき幸い、高谷さんの周りを人が取り囲むような状況ではなかったので、GIGAスクール構想実現に伴う「アカウント」の問題を文部科学省と経済産業省はどう認識しているのか質問したことがあります。その場には経済産業省の(浅野課長ではない)担当者の方も居たので、ちょうど聞いてみたかったのです。

皆様ご存知のように昔から「アカウント、アカウント」とバカの一つ覚えで唱えてきて、2016年の関西教育ICT展でも「アカウントだ、バカ野郎」…とは言わなかったですが、空気を読まず講演したら干されたので有名な私です。

GIGAスクール構想の実現事業についても、端末設備の話ばかりが注目されて、説明会でも各都道府県の担当者が文部科学省の担当者の周りを黒山の人だかりとなって取り囲んで整備予算に関する質問を浴びせていた状況でしたから、いったいアカウントはどう考えているのか知りたかったのです。

高谷当時課長の返答がどうだったか正確には思い出せませんが、アカウントの設定作業などもGIGA整備予算あるいは地方財政措置の中に組み入れることが可能ではないか、そのようなところ検討できるのではないかといったものでした。その時点では財務省も個別の様々な事情に柔軟に対応する雰囲気があったのでした。

その一方で、文部科学省の整備予算はハードウェア環境整備をなんとかするというのがその時の目的であり、アカウントはどうしてもソフトウェアやサービス等の側に近い部分という認識もあり、そちら(EdTechサービス等)を担当している経済産業省との間で、ちょうど宙ぶらりん状態になっている感じなってしまっていることを、経済産業省の担当者との方とのやり取りも絡めながら課題共有したことを思い出します。

ま、それっきり私は、GIGAスクール構想実現事業をボーッと遠くから眺める感じ。

私が考えていたアカウントは、デジタル機器やサービスを活用するために最低限必要な「権限」とか「登録」という意味合いだったので、最近各方面で言い出されている「学習データを紐付けるための学習者ID」の付与という切り口について、私はまだ慎重というか、共通認識を形成するための議論が不足しているように思っています。

けれども、学習データを使いたくて手ぐすね引いて待っている人々が向こうの方で待っていることを考えると、学習者IDについて様々な考えを述べ合うことはしておくべきだろうなと思います。

教師のバトン

2021年3月26日から開始された「#教師のバトン」プロジェクト。

文部科学省による官製プロジェクトとしては異例なほど注目の的となり、学校の先生たちの仕事にまつわるツイートが玉石混交問わず集まり続けている。一種のゲートウェイ(接合点)のようなハッシュタグとなった。

幾度か、そこで展開している事態や現象について論じてみようかと思ったりもしたが、著名人たちが首尾よく反応してポジションオピニオンを記すのを見て、その気持ちもすっかり萎えてしまった。

このプロジェクトにアドバイスをしているであろう人々の生真面目さも、当事者の自作自演的な構造から脱する回路が認められないところを見せられると、何かを言って傷つけるより、そっとしておいてあげるのが一番という気にもなる。

ハッシュタグを検索すればツイートを参照することができる。 https://twitter.com/search?q=%23教師のバトン

2021年4月11日22:30すぎで2万6千のツイートがなされたと記録(Yahoo!リアルタイム)で見ることができるが、魚拓のためTogetterで収集されたツイートは3万を超えている。ツイート収集条件やリツイートの扱い、すでに削除されたものなどの数え方の違いもあると思うが、とにかく3万ツイートは超えて現在も増加中である。

感情の割合グラフは、単語の分類にもとづいた単純な判定だと考えられるので、ツイートそのものがポジティブなのかネガティブなのかを分析したものではないと保留を付けたほうがよい。とはいえ、実際にツイートを参照していったときの印象をわりと齟齬なく表した割合とも感じられる。

ツケを払う時期が来ていることは明らかなのだが、払うだけの懐が用意できていないのも事実。取り組む順番にこだわっている余裕はないはずだが、順番を飛び越せるほど単純な仕組みでないのもまた事実。意地を張っている場合でないことは誰もがわかっているけれど、誰かのプライドが許さないだけで動けないことがあるのもまた現実。

解法は一つではないし、自然解決することもないなら、考え続けるしかない。そのための素材が差し出されている。

今年のエイプリルフールネタ裏話

今年のエイプリルフールはネタはこれでした。

本物はこちらで公開されているもの…


説明が必要なジョークほど野暮なものはないので、正直ネタとしては失敗だったと思います。しかも、前日には有識者会議の中間まとめも登場していて、ネタがちょっと埋もれた感じになってしまいました。関係する議員連盟でも教育データの話題で盛り上がっているようです。


製作作業としては、PDFファイルをAdobe Acrobatで読み込み、PowerPointファイルとして書き出したものを編集するかたちで進めました。表紙タイトルの文字フォント指定をちょっと間違っちゃったのを除けば、まあまあそのまま。

本来であれば、もっと笑える側に振り切るか、辛辣な皮肉側に振り切るかすべきでしたが、準備時間も多くはとれなかったので、小手先編集で終わったネタでした。可能であればご笑覧ください。