PISAは「ピサ」なのか「ピザ」なのか

 先日の研究会(BEATセミナー)はOECD-PISAのデジタル読解力と情報教育についてがテーマでしたが,そこで「PISA」の読み方についてちょっとしたやり取りがありました。

 司会の方がPISAを「ピサ」と濁らずに発音したことに対して,発表者として登壇した有元先生が「ピサと読まれたけどピザですので」と濁った発音が本来であると,ちらっと指摘されました。

 有元先生は日本側のPISA担当者をされてきた方なので,OECD本部の担当者とのやり取りもあったでしょうから,その本部の方たちが「ピザ」と発音されているのを前提にされた指摘だったのだろうと思います。

 PISAの発音の仕方は,ネット上でもたまに話題になります。

 OECD本部の人たちが「ピザ」と発音しているんだから,正当な読み方は「ピザ」で良いのだといってしまえば,それも割り切りが良いのかもしれません。

 でも,たとえばgoo辞書(デジタル大辞泉)なんかでは「ピサ」という項目でどうどうと掲載されています。英語の「Programme for International Student Assessment」の頭文字でできた単語と考えれば「ピサ」と濁らず発音するのは当然のように思えます。

 

 これいったいどうなってるの?と思う人もいるでしょう。

 これはOECDの本部がフランスのパリにあるため,関係者が「ピザ」とフランス語の発音で読むことから起こっている多様性のせいだと思われます。

 多分,命名した人たちはあんまり気にしていないと思うので「ピサ」と読んでも間違っていると思わなくてもよいでしょうし,PISAについて触れたり考えたりした中で「ピザ」と読むのがそれっぽいかなと思ったら濁って読めばいいというだけだと思います。

 実は,これによく似た発音の違いを持っている単語があります。

 それがクレジットカードでお馴染の「VISA」です。

 これは日本だと「ビザ」カードと濁って発音していることがほとんどですよね。

 しかし,VISAにも「ビザ」と「ビサ」という違った読み方があるのだということが知られていて,そのことは米国版ウィキペディアにも記載されているのです。

 その記述によると,VISAを命名した人物はDee Hock氏という人で,このネーミングなら国際的にも認知されやすいという理由から名付けたそうです。

 つまり,さまざまな国で認知されやすいということは,さまざまな発音で読まれることもある程度は想定範囲ということなのではないでしょうか。だから,「ビザ」でも「ビサ」でも構わなかったのだと思われます。実際,北米大陸とヨーロッパ大陸を市場にしていたわけですから織り込み済みだったのです。

 というわけでPISAは「ピサ」なのか「ピザ」なのかという決着についてはつける必要はない。これが結論なのです。

 しかし,正統派好きな人向けとしては,OECD関係者が使っている「ピザ」を使えばよいでしょうし,それはVISAカードの「ビザ」と同じような発音法だとでも言えば周りへの説明も簡単になります。