20130210 Edu×Digi Festa Niigata 2013登壇

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 日本デジタル教科書学会・新潟支部主催「Edu×Digi Festa Niigata 2013〜新潟からデジタル教科書を語ろう〜」のシンポジウムに登壇しました。
 大変盛りだくさんな催事で,シンポジウムも2本建て。私は後半「<デジタル教科書の可能性>」というテーマのシンポジウムに登壇し,フューチャースクール推進事業に関する紹介とデジタル教科書という言葉に関して投げ掛けをしました。
 相変わらずのことですが,全国のフューチャースクールの紹介を10分程度で紹介し切ることはできませんので,ただでさえジェットコースターの発表をするのが私のスタイルなのですが,さらに早回しで紹介し,デジタル教科書という用語について触れていたので,すっかり時間オーバー。
 それでも「〈デジタル教科書〉という用語を解体しなければならない」というメッセージに焦点を当てたので,まだシンプルな方です。
 何においてもそうですが,〈デジタル教科書〉に関する議論において大事なのは議論の「対象」と「目的」をハッキリさせることです。
 
 そのことを曖昧にしたままであれこれ論じても,知見を広げることはできるかも知れませんが,ロクな結論には結びつきません。そのことを指摘した次第です。

 好き勝手にやらせていただきましたが,概ね好評だったようです。懇親会や二次会も賑やかで楽しく過ごしました。

 
新潟日報記事
「デジタル教科書、広がる学び 新潟でシンポ・教育関係者ら、実践例を紹介」
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20130211026258.html

20130202 関西大学初等部研究発表会

 関西大学初等部の研究発表会に参加してきました。
 昨年初めて参加し,そこで見た思考スキルを育成する取組みがどのように展開しているのかを確かめたくて今年も参加しました。
 
 思考ツールを活用した授業実践は全国数あれど,それを小学校の全学年を通したカリキュラムに位置づけて扱おうとしているのは関西大学初等部くらいでしょう。そういう意味でも大変注目を集めています。

 今回,思考スキルを学習する「ミューズ学習」と総合的な学習の時間を組み合わせた5年生の実践を見せてもらい,その協議会に参加しました。
 実は,この2時間(ミューズと総合)は「私たちにできる国際貢献」を考えるというテーマで繋がっていました。それゆえ,思考スキル(方法)を扱うミューズ学習の時間で「国際貢献」(内容)に引っ張られてしまうといった課題も見出されるものでした。
 協議会の場は,そのような方法と内容の混乱についての指摘を中心として展開していたのですが,そこから興味深いテーマがあることに気がつきました。
 思考スキルを6年間かけて習得するのが関西大学初等部の特徴ですが,思考スキルの習得,つまり設定された6つの思考ツールの理解と活用習得は6年間かけるほどのことはありません。それ自体は1年生から4年生までの間に達成できるでしょう。
 であれば,5,6年生は思考スキルを高度に使いこなすことが求められることになるわけですが,それは思考ツールを複雑に組み合わせて使うことを意味するのでしょうか。
 私はそこに「他者」の設定が加味されるようになるのだと解釈しました。
 それまで自分や友達同士での理解のために思考ツールを用いて整理したり解釈したり組み立てたりしていたわけですが,それがある程度達成できれば,今度は思考ツールを持たない者とのコミュニケーションを前提とした活動へと進むのではないか。
 確かにこれまでも先生や友達という他者に対して説明をするために思考ツールを利用することは行なわれてきたと思われますが,先生も友達も思考スキルを共に学んだ者同士であり,同じプラットフォームを共有する者として本質的な他者とはいえません。
 むしろ,思考ツールというプラットフォームを共有しない者に対して,思考ツールを使って考えた物事をどう伝えるのか,どうコミュニケーションとるのかということは,高次な他者とのやりとりともいえます。
 もしかしたら,今回のミューズ学習はそのような視点で構成することで,内容に引っ張られることを防げたのではないかとも思えたのです。
 というのも,総合の時間は外部から大学生を招いてグループ毎に活動するという授業が展開されたわけで,大学生と児童達とのコミュニケーションは,そのような高次な他者とのやり取りだと思えるからです。
 ミューズ学習の時に「大学生に思考ツールを使ってどう伝えるのか」という目標が明確化されていれば,内容の議論へと引っ張られることを少しは防げたのではないかと思います。

 こうした具体的な授業づくりに関する課題を着実に解決していくことで,思考スキルの学習の取組みが前進していくことが期待されます。
 思考スキルという捉え方は,特別なものではなく,むしろ世界的には当たり前の学習主題でもあります。もっと広く認知され,当たり前のように取り入れられるようになることを期待したいところです。

20110820 D-project

 東京から横浜は近いのだけど,なかなか行く機会がなかった。今回,D-projectという教育の研修会がパシフィコ横浜であるというので,ふらっとお邪魔した。
 以前に少しだけお世話になっていたのだけど,あれやこれやと落ち着かない日々が続いて,すっかりご無沙汰状態になってしまっていた。
 というわけで,いろんな方に久し振りのご挨拶をしたり,初めての方ともお知り合いにならせていただいたり,ふらっと寄ってよかった。

 研修内容は,iPadを活用したメディア活動の取組みを実体験しながら学ぶもの。
 アップル社の協力のもと,参加者一人ひとりにiPadが配られて,実際に操作をして活用方法を学んでいくものだった。
 道具の新しさはともかく,メディア活用という取組みとしても興味深い内容で,こうした事例が躊躇いなくチャレンジできるような学校教育になるといいなと思えた。

 結局,横浜泊まりになりそうだったので,懇親会にも飛び入りで参加させていただいて,楽しくおしゃべりさせていただいた。
 

5/15「デジタル教科書から見える教育の未来」

 2011年5月15日、内田洋行さんが大阪につくった「大阪ユビキタス協創広場 CANVAS」という場所でシンポジウム企画があります。
 私はそのシンポジウム企画の前座企画(?)である「デジ教研 open meeting04 in Osaka」に発表者として参加することになりました。
 みんなのデジタル教科書教育研究会はデジタル教科書に関心のある個人が集まっていますが、私も幽霊会員ながら名前を連ねていますので、お呼びがかかった次第です。
 当日は20分間で、デジタル教科書を中心としながら教育の情報化に関する動向についてコメントする予定です。私の現在の心境や考えを率直にお話することになろうかと思います。
 まぁ、しゃべらせればUstで6時間もしゃべっていた男ですので、20分間で何を言うべきなのか困ってしまいますが、次世代が未来をつくり出すための手助けが邪魔にならないようにすべきであるといったことを基調に、もう少しシンプルに教育の情報化を考えることの提案をしたいと思っています。
 チラシはこちらです。(表紙第一部第二部

ワークショップ「タッチデバイスの教育利用」9/18

 今年も日本教育工学会が9月18日から20日まで愛知県・金城学院大学で開催されます。(第26回日本教育工学回大会)実家に近いので,私も参加する予定です。
 日本教育工学会大会には「ワークショップ」という枠が設けられており,せっかく多くの人間が集まっているのだから何か自由にやってみたら?という場を提供しています。
 たまたまテーマの募集があったので次のようなアイデアを投げました。
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○ワークショップ名:
「タッチデバイスの教育利用 ~新しい技術やデバイスに注目と関心が集まる現象と実相を考える」
○ワークショップ概要:
 電子黒板やタブレットPC,iPad等スレート型端末といった「タッチデバイス」に注目が集まり,教育利用と研究への取組みにも強い関心が寄せられています。タッチデバイスは,情報端末を敬遠していた人々の関心を強く引き寄せ,特に指で直接操作する方法などは,幼児から高齢者まで幅広い層に対して操作のしやすさをアピールしているようです。
 その魅力的な可能性から,一部ではデジタル教科書教材など教育現場への導入の動きも活発化していますが,新しい技術やデバイスを採用したり,研究の対象としたりする際の課題や問題点が十分認識・共有されないまま事態が進行しがちです。こうした新しい研究対象の立ち上がりについて,進行中の事態を借りて話し合ってみたいと思います。
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 こういう企画に興味があるが,同様な企画がないならやってみてよいか?とメールで送ったら,先日「ワーショップテーマの採択」という返事をもらいました。
 というわけで,本年3月に開催した「iのある教育と学習」の姉妹企画が学会大会という場を借りて実現する運びとなりました。

 2010年9月18日(土)18:00〜19:30が予定されています。タイトな時間で遠大なテーマを扱おうという無茶ぶりは3月のまま。
 タッチデバイスの教育利用と銘打ちながら,企画案は技術普及に学術研究はどう貢献しているのか,していないのかという,敵をつくること必至な(^_^;内容ですが,率直なところを語るところから出発しようよというのが私の主義なので,ざっくばらんに語り合って楽しみたいと思います。
 ところで,上の企画案と実際のワークショップの内容計画は必ずしも同じではなく,これからあれこれ考えます。可能であれば,今回も私は黒子または司会の役目で場を見守りたいので,関連するテーマを語りたいという参加者を募ります。
 とにかく,また改めて情報発信してみようと思います。