文教製品に必要なこと,5つのポイント

 WIRED VISION「Apple社のメディア戦略、5つのポイント」という記事に着想を得て,文教製品についても次のような5つのポイントがあるのではないかと考えツイートした。

(1) 文教製品は,完成させた製品で語って欲しい。中途半端な事務機転用商品で語るなら,いらない。

(2) 文教製品は,学校生活の物語を作るものであって欲しい。フリーズしてデータを失ったり,接続がうまくできずに諦めて,物語が途切れてしまうなら,いらない。

(3) 文教製品は,使いやすさと美しさのデザインにこだわって欲しい。操作にまごつくUIや洗練されてないデザインで,児童生徒学生の感性がざらつくなら,いらない。

(4) 文教製品は,入念に計画された製品で,生態系を育めるものであって欲しい。教室の置き場に困るような筐体や他社製品と組み合わせると機能せず,教室空間で生態系を組めないなら,いらない。

(5) 文教製品は,教師および児童生徒学生が使いたがるものであって欲しい。見ていて楽しい,使って嬉しい,そこにあって欲しいと思うものこそ,欲しい!

 具体的なイメージも必要かと思って「完成させた製品」の一つの例として書画カメラの「みエルモん」を挙げたりした。

 だからといって機器だけというわけではなく,ソフトウェアやコンテンツでも同じことを指摘したいのである。

 学校教育現場のニーズをすくい取ることは当然の努力として,それを文教製品としてどうまとめあげ,かつ完成された製品として人々をどう魅了するかを真剣に考えて実現して欲しいということである。

 そのためなら,教育現場にも研究分野にも協力者はたくさんいるはずだ。

政策コンテスト・パブリックコメントの手順 – コメント提出編

 来年度の予算編成を左右する「政策コンテスト」。私たちがパブリックコメントを提出する数によって事業予算の確保が決まってしまうのです。
 今回は,文部科学省が応募している「未来を拓く学ぴ・学校創造戦略」に対してコメントをする場合を例に,コメント提出の方法をご紹介します。
 なお,以下の手順は「ユーザー登録編」からの続きです。すでにユーザー登録が終わっている場合には,政策を選択する手順をしてからコメント提出の手順に繋がります。
 1.「ユーザー登録編
 2.「コメント提出編」(いまここ)

(1) ログイン画面で登録したメールアドレスとパスワードを入力し「ログイン」する
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(2) 自分のユーザー情報の確認画面の下に,事業に対するコメント欄が表示される
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(3) 事業に対する評価とコメントを入力する
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質問は以下の通り

【必要性】

(1)記載された政策目的を実現するために,この事業を実施する必要があると思いますか。

(2)記載された政策目的に照らして,地方公共団体や民間等に委ねることは難しく,国が率先して行うことが必要だと思いますか。

(3)限られた予算枠の中で,この事業は,同一分野(関連項目)の他の事業と比べて,優先して実施する必要があると思いますか。

【事業効果】

(4)この事業を実施することを通じて,「元気な日本」の復活につながると思いますか。

(5)この事業に関する「要望概要」の「事業の新規性,見直し内容」の欄に記載されている内容は,評価できるものだと思いますか。

【手法】

(6)この事業の手法(事業主体,支出先等)は適切だと思いますか。

(7)要望額や事業規模は事業内容からみて適切な(過大ではない)ものだと思いますか。

【その他 この事業に対する評価】

・良い点

・悪い点

【その他 ご意見】

自由記述

 
(4) 「送信内容確認」をクリックして内容確認画面を表示させる
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(※画面例のコメント内容は個人的意見ですので参考程度に…)

 
(5) 「この内容を送信する」をクリックして提出完了画面を表示させる
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以上で提出完了!

政策コンテスト・パブリックコメントの手順 – ユーザー登録編

 2010年10月19日まで,国の予算編成について国民からのコメント(パブリックコメント)を募集しています。要するに,どんな事業にお金を使うべきか,国民に投票してもらおうという取組みです。「政策コンテスト」と銘打たれています。
 (ある条件を満たした上で)この政策コンテストに応募し,選ばれると,規模の大きい予算を獲得することが出来るようになっています。
 文部科学省が管轄する教育分野は,より多くの予算を必要としているため,大きな賭けに出ました。耐震化を含む学校施設の整備,ICT活用環境を整備する学校創造戦略,35人学級を実現するための経費などを,この政策コンテストの枠に出したのです。
 これが意味するところは,私たちがパブリックコメントで「この事業予算は大事です!必要です!」と投票しないと,事業予算を確保できず,大事な教育政策を実現することが困難になってしまうリスクが生まれたことです。
 こんな事態になったことは残念なことですが,事態は進行中です。10月19日までに多くのコメントを集めないと,限られた予算の中で教育分野への配分は劣勢に立たされてしまいます。
 ぜひ,コメントをしてください。以下,手順をご紹介します。
 1.「ユーザー登録編」(いまここ)
 2.「コメント提出編

(1) 政策コンテスト・パブリックコメントのWebサイトへ


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(2) 「文部科学省」をクリックすると「組み換え予算」の一覧が表示される
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(3) 「要望事業一覧を見る」をクリックするとコンテスト対象の事業一覧が表示される
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(4) 自分がコメントしたい事業名をクリックすると詳しい事業説明が表示される
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(5) 「この要望について意見を提出する」をクリックするとログイン画面になる
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(6) 登録をする必要があるので基本情報を入力する
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(7) 「送信内容確認」をクリックしてユーザー登録内容の確認画面を表示させる
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(8) 「この内容で送信する」をクリックすると完了画面表示とメールが送信される
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(9) 自分に届いたメールを確認して,メール内のリンクをクリックする
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(10) ユーザー登録手続が全て完了するので,「ログイン」する
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コメント提出編」へ

[徳島]工事と機器確認

 フューチャースクール推進事業の環境構築が進んでいます。他のところでも公開資料の情報がまとめられていますが、実際の進捗は、学校行事との兼ね合いを配慮したり、機材の手配などの現実的な事情から、多少遅れた形になっています。

 という訳で、私は本日、担当している小学校にお邪魔して、搬入された機材の実地確認が行なわれている現場を見学しています。

 普通、研究者が機材整備作業に付き合うことは、高度な科学技術設備ならいざ知らず、パソコン機材程度ならほとんど無いと思います。なので、私は変な部類の研究者です。正しくは暇人かも知れませんが…。

 けれども、こうした業者の皆さんの地道な努力部分こそ、私達がまず巨額の投資をする対象であるし、そこが丁寧になされることで、学校現場の先生方が安心して環境を利用できるわけですから、しっかり見届けることが関わる者としての責務と思います。

 基本、見学ですから、口挟むなんて大それたことはしません。隙間に、整備されつつある環境について専門の担当者の方のお話を聞き、後はひたすら作業を眺め、学校内を徘徊して雰囲気を感じ取る努力をするだけです。

 明日は実証校の運動会の日。

 学校全体が前日準備のために大忙しです。

 本来なら工事も導入作業も断りたいところだと思いますが、日程的にはこの週末しかないようで、先生方のご協力のもと、エンジニアの皆さんが一生懸命作業を進めて下さってます。

 私はどちらも手伝えず、ただ、ぼーっと眺めるだけ。私的にはそれだけでも面白いので、問題無いのですが、忙しく動いている皆さんに対しては申し訳ないなと思います。

 西日本で導入されたタブレットPCは富士通のFMV-T8190という製品。あえて普通に使えるスペックのごく普通のタブレットPCをチョイスしたというのは良心的だと思います。未来とは言えないとしてもね。

 ネットワーク環境は、決して派手な構成ではありませんが、最新の機器を丁寧に調整していきます。この辺は、市町村単位で環境を整えていく考え方ややり方もあり得るので、全国展開する場合には、地域の協力があると心強いのですが、やはり地域差は出てきそうです。

 サーバ機器も特別高価なものを使っているわけではなく、今回使っていくコンテンツをキャッシュできるごく普通のサーバです。ネットに普通に上がっている動画をキャッシュすることは難しいですが(そういうのは馬鹿高いらしい)、今回のような特定のコンテンツをメインに使う目的なら十分のようです。

 あとは児童用タブレットを一台一台動作確認する作業です。まだまだ続いています。

 こうして導入される環境をどう活かすのか。ぼちぼち、ボールが渡ってきそうです。過去の成果も踏まえて、地道にやるしかないですね。

日本教育工学会第26回全国大会に参加

 9月18日から20日まで,愛知県の金城学院大学にて日本教育工学会全国大会が開催されていました。連休まるまる缶詰めになって学会参加してきました。
 ご報告すべき事柄,考えたことなどたくさんありすぎて,文字で書き記すよりもしゃべり倒してしまいたい気持ちです。ともかく,まずは参加した感想を順に書きたいと思います。

 今回の日本教育工学会は,教育工学研究に携わる者同士の「研究」と「学会活動」というものを同調させる契機となるものだったと思います。
 四半世紀の歴史を刻むに至った日本教育工学会を一つの場として,教育工学という学術研究に関わる者の世代・関心・姿勢などが多様化する中で,「教育工学」という学術研究活動をどう織りなしていくべきなのか。
 そうした問題はじわじわと露になっていたのですが,ようやく全会員の共通問題として立ち上がったというのが今回なのかなという感じです。
 つまり,教育工学研究は,これまでの探究の道のりの中でたくさんの荷物を抱え込んだ状態にあるのだけれども,いまその状態で基本に立ち返るためには何が必要なのかを問い始めたところだということです。
 周回遅れで教育工学を考え始めた人間にとっては,「なぜそんな基本のキみたいな問いを?」と思えるのですが,それが「歴史は繰り返す」の一側面なのかも知れません。

 私自身は,ここでも繰り返しお知らせしてきたように,大会の初日に「ワークショップ」の企画を担当しました。別のエントリー記事でご報告をしたいと思いますが,結果的には興味深い議論の時間を持てたように思います。
 そして,教育工学に対する私自身の捉え方についても,今回の大会のシンポジウムや課題研究における討議は,いくつか開眼に値する認識をもたらしました。
 正確には,現状をどう理解して,何を目指して動いているのか,自分の中で整合性を持って理解できるようになってきたということです。
 拡大直後のグーグル・マップが,ぼやけた地図画像しか表示していなかった状態から詳細な地図画像を順に表示してハッキリしてくる動作をしますが,それが教育工学あるいは教育工学会に対して,私の中でようやく起こったという感じなのです。

 ようやく視界がハッキリし始めたという意味で,今回の日本教育工学会全国大会は,興味深いものでした。
 私がワークショップで扱ったタッチデバイスに関しても,そういう括りは難しいとしても,個人単位での学習ツールを活用した教育実践の研究が来年にはもっと増えてくるのではないかと思います。
 フューチャースクール推進事業に関わる先生方とも少しばかりご挨拶しましたし,その成果を発表していくことの意義のようなものも自分なりに組み込めそうに思えてきましたので,来年の全国大会では発表の側に立つことになりそうです。