「EZCast 4K」ファーストインプレッション

10月に入りました。リん研究室も後期の専門ゼミナールが始まりました。

今回は研究室で新たに入手した画面ミラーリング商品「EZCast 4K」の使用を開始したので、ファーストインプレッションをお届けします。

パソコンやモバイル端末の画面を大型ディスプレイに映し出したい場合、端末と大画面の接続方法には有線と無線の2パターンがあります。

有線接続は堅実な方法ですが、用意したケーブルと端末のコネクタが適合しない場合もあれば、ケーブル長の過不足や取り回しの面倒さが問題になったりすることがあります。

無線接続は、物理的な煩わしさからは解放されますが、画面ミラーリングの方式が複数あるため、受信側機器との組み合わせによって実現できない場合があります。ちなみに主だった画面ミラーリング方式は3種類あります。「Miracast」「AirPlay」「Chrome Cast」です。

もしあらゆる端末に対応できる受信側機器があれば、とても便利なはずです。が、すべての端末に対応したものは、そう簡単には手に入らなかったのです。

この話は、それだけで長くなりますので、別の機会にたっぷりとご披露します。

EZCastは、HDMIプラグ端子を持ったドングル(小さなハードウェア機器)です。

類似商品としては「マイクロソフト Wireless Display Adapter」「Amazon Fire TV Stick」や「Google Chromecast」といったものがあります。テレビのHDMIコネクタ端子に差し込んで使うスタイルのものです。ちなみに形状がだいぶ異なりますが「Apple TV」もライバル商品です

EZCastには、いくつものモデルがあります。数年前から積極的に宣伝されていたのは「EZCast Pro」という商品で、Proモデルだけあって複数端末からの受信とマルチ画面表示に対応しています。今回入手したものは「EZCast 4K」で、Proモデルではないため一対一のシンプルな画面転送機能しか持ちませんが、4K解像度対応という珍しい商品です。この他にも有線LAN接続を可能にしたBOXタイプモデルが国内販売されています。

「EZCast 4K」のパッケージ内容はこんな感じ。

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これが小さな受信機としてパソコンやモバイル端末からの画面データを受け取り、大画面機器で表示させるのです。使途はいたってシンプル。

しかし、使いこなすまでの道のりは優しくないかも知れません。

結論から言えば、専用アプリを使ったセッティングさえ済ませれば、「AirPlay」と「Miracast」方式の受信機として機能してくれます。特別なアプリを使用する必要がありません。よって、Windows、Mac、iPhone/iPadの混在環境での利用に向いています。

残念ながら「Chrome Cast」方式には直接対応してないため、Android端末とChromeOS端末の場合、専用アプリをダウンロードし、それを使ってミラーリングを開始させる必要があります(Miracast方式に対応しているAndroidスマホというものがあれば話は別です)。専用アプリを起動することに納得できれば、使い勝手は悪くありません。

というわけで、一部の機種で専用アプリを利用する点とLinux端末への対応がないことを除けば、「EZCast 4K」は主要な端末の画面ミラーリングに対応した大変汎用性の高い周辺機器といえます。

高いポテンシャルを持っていることは事実ですが、使用環境に応じたセッティングをこなせるかどうかの問題と商品としての使い勝手にまだ粗削りなところも残っているため、初心者も含む万人に勧めるにはまだ少しハードルがあるといった感じです。

たとえばネットワーク接続のこと。

常設されたテレビの裏に同じく常設するのであれば、職場や家庭内のネットワークにEZCast 4Kを加える形で導入することとなり、初期設定のハードルさえ越えてしまえば日常操作に苦労はないはずです。

しかし、EZCast 4Kを持ち運び、出先の場所でその度使うとなると、インターネット接続との兼ね合いをどうするのかという問題が付きまといます。EZCastと端末間の通信はダイレクトに可能ですが、そうなったときにインターネットアクセスができるかどうかは条件次第です。(追記:専用アプリを使うとスマホのテザリング機能を使う手段が用意されていました。) 

また、EZCast 4Kを複数の端末間で切り替えて使うときも注意が必要。

端末を切り替える際は、接続を切断する操作をしてから、順序良く別の端末で繋ぎ直すといった使い方を心掛ける必要がまだあります。画面転送を乗っ取って強制的に端末を切り替える操作には、十分対応できていません。できなくはないけれども、よく失敗するからです。

一度接続がうまくいけば、かなり調子よく動いてくれるのですが、そうでないときは多少根気よく成功まで操作を繰り返すといったこともしなければなりません。

そうした粗削りなところと付き合う覚悟があれば、この商品は日々修正されてアップデートを繰り返しているようですから、いずれは満足のいく動作や安定性を確保できる商品に思います。

「EZCast Pro」と比較すると機能がシンプルかも知れませんが、逆に5GHz帯の無線LANをサポートしている点は優位点です。また、発熱量も1080pレベルで使っている分には温かい程度でおさまっているように思います。もともと4K利用を想定した商品なので、従来環境での利用ならば実力的にも余裕なのかも知れません。

現時点では4K対応テレビで使っていないので、4Kの場合だとどうなのか。近いうちにレポートしようと思います。

いずれにしても「EZCast 4K」はクセさえつかめば、なかなか便利に使える周辺機器と思えました。