20190116_Wed 謎の工事の末に

研究日の水曜。

研究室の横には階段があり,そこを隔ててちょっとしたフロアスペースがある。自習用長デスクや掲示板,ソファもあるので学習スペース兼休憩スペースにもなっている。

昨年末あたりに壁に沿って据え付けられていた自習用長デスクの一つが撤去された。

なにがどうなるかも知らされず,新年に入っても撤去された部分はそのままで,休憩スペースが広く改善されるのだろうかと半分期待しながら進展を気にしていた。

ところが,この日,それは突然始まった。

朝からガガガガ,ゴゴゴゴと大工道具を鳴り響かせて,何かを作っている。

それは一日中続いた。

すぐ近くの関係者に「ちょっとうるさくなります,スミマセン」の一言ぐらいあってもよさそうだが,職場からも,工事現場で作業にあたる作業員からも,何も挨拶なく,それは続いた。

経験上,騒音系は自衛するしかない。

私はノイズキャンセリングイヤホンで音楽を聴きながら仕事をした。卒業論文の作業をしにやって来た4年生たちは,さすがに落ち着かなかったようで,早々退散して帰宅してしまった。

「今日は騒々しくてごめんね。」

なんで私が代わりに謝っているのか。と思わないではないが,それで潤滑するなら問題ない。

途中覗きに行ったら,ブースのようなものを作っていた。

「まさか喫煙ブースを作るわけないだろうから…おお,個人学習ブースかな!」

と騒音のイライラを朗報到着への期待にすり替えて,その日は一日過ごした。

学生たちも,工事の作業員も,全員帰って,他に誰もいなくなった職場で,仕事の一区切りがついたので,工事していたスペースの様子を覗いてみた。さぞ立派な学習ブースが出来ただろうと想像しながら。

出来ていたのは,無味乾燥な白い壁で作られた「ものおき」だった。

広々としていた休憩スペースの空間を削り取って,誰が使うかも分からない倉庫ができ上がっていた。

がっくりである。