今年のゼミは毎週木曜日の2限目にありますが,最後のゼミが終った翌日の金曜日(2015年12月18日)にゼミの食事会を開きました。奮発して徳島で評判のよい焼き肉店を探して,そこで忘年会を。
20151209 滋賀県近江八幡市学校ICT整備検討会議
文部科学省「ICT活用教育アドバイザー派遣事業」の派遣業務として滋賀県に出張しました。近江八幡市の教育委員会を中心とした関係部署の皆さんと学校ICT整備に関する検討をするためです。今回と次回は近江八幡市の学校の様子を見せていただけることになっていて,この日も小学校の見学からスタートしました。
Scratch用スライド教材作成部品ファイル
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Keynote for iCloud上の 「Scratch用スライド教材作成用部品ファイル」
上記リンクで閲覧とダウンロードが可能です。
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今年は12月7日から13日まで「コンピュータサイエンス教育週間」とされています。
プログラミングだけというわけではないでしょうが,この期間に合わせて米国を始めとしたプログラミング教育推進団体が世界で活発にイベントなどを開催しています。(参考記事「世界的なプログラミング教育推進運動「Hour of Code」、日本に本格上陸」CNET)
私も授業の中でScratchを紹介して,学生たちにプログラミングを体験してもらっています(Scratchを学ぼう)。
最近は参考図書も増えてきているので有り難いのですが,授業で自分なりの解説をしたり,自作のプリント教材を用意しようとすると,Scratchの画面を映し出して指し示したり,画面キャプチャしてブロック等を印刷するといった手間がかかります。
というわけで,自前でスライド教材を作成するためにScratchの画面要素を部品にしてファイルの中にまとめ始めました。これを使えばスライドでもプリントでも部品を組み合わせて例示するのに便利です。
もともとはScratchの財産ですので,皆さんにも自由に使ってもらえたらと思います。まだ細部を作り込んでいないので,改変しやすさは足りないですが,代表的なブロックを紹介したり,組み合わせを示すことには使えると思います。
ファイル形式はApple社のKeynoteファイルです。容量は大きいですが,拡大縮小が奇麗にできるのでこの形式を好んで使っています。Keynote for iCloudからはPowePoint形式でもダウンロードできます。
待望の大きなiPad
2015年11月11日にiPad Proのオンライン販売が開始されました。画面サイズが大きくなり,ペンや本体カバーなるキーボードのオプション品が用意されるなどが話題となっている製品です。
私は,手書きでノートを取ったり,原稿の朱入れ作業をする仕事があるので,大画面とペン入力を切望していた人間です。iPad Proの登場を心待ちにしていましたから,迷うことなく購入しました。
2010年にiPadが発売されてからずっと,板型のタブレット端末はノートパソコンやタブレットPCを置き換えることができるのか,そもそも学習活動に使えるのかといった問いが繰り返し投げ掛けられ議論されてきました。デジタル教科書やタブレット対応した授業支援アプリやシステムなども,そのような議論と並行して開発されてきました。
正直なところ,技術と価格という変数が大きく揺れ動く中で問いに答えようとするのは無茶な話です。個々の目的と予算に応じて満足に目標達成できるかどうかを適宜判断していくしかありません。
それでも,iPadは議論するに足るタブレット端末です。
私たちがパソコンで求めていたものと異なる価値観にもとづいて構築された機器であり,「パソコン」と「タブレット」という対比から,私たちが情報機器や情報技術に求めていたものを考え直すきっかけを与えてくれた歴史的な端末といっても過言ではないと思います。その意味では,極めて教育的な端末であると受け止めています。
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さて,大きなiPadである「iPad Pro」ですが,この大きさにはやはり意味があると感じます。
初代から続く9.7インチの画面サイズは,とても絶妙なサイズでした。それは「小さくもなく大きくもない」という意味での絶妙さでした。しばらく一種類でしか販売されなかったiPadのサイズとして,そのサイズ選択は大変有効でした。
しかし,それは中途半端なサイズと言い換えることもできます。
9.7インチのiPadが手に余る人もいました。小柄な人たちや持ち運ぶ荷物を小さくまとめたい人たちなどは9.7インチiPadは「小さくもなく」大きかったのでしょう。そこでようやく登場したのが「iPad mini」(7.9インチ)でした。その後はiPhone 6 Plusという端末が登場して,iPad miniが中途半端だという人も出てきますが,小型iPadとしては現在も好評を博しています。
一方,9.7インチのiPadでは画面が狭いと感じていた人もいました。電子書籍を見開き表示で読みたい人や画面の上で何かしたい人には「大きくもない」ために中途半端な印象がぬぐえなかったと思います。
そこに向けて登場したのが今回の「iPad Pro」(12.9インチ)だと考えれば,その大きさには価値があります。12.9インチはA4判文書の(余白を除いた)内容部分を等倍表示できるだけの大きさがあります。つまり私たちがよく知るサイズの「紙」に画面の大きさが近づいたということです。
ここにApple Pencilというオプション品が加わって,書き込む行為がある程度満足できるレベルで達成されるのであれば,原稿の朱入れ作業をしたいというニーズには十分役立ちます。それと同じ理由で,ノートを取る,メモ書きするといった用途にも実用的であるかも知れません。
また,かつてのワープロ専用機のように使うニーズもあるかも知れません。
これは手持ちのApple Wireless Keyboard(すでにモデルチェンジしてMagic Keyboardという製品になっています)を組み合わせた場合の写真です。本来であれば純正のスマートキーボードを合わせて購入して使うのがよいのでしょうが,私はこのキーボードを愛用しているので,この形で使う予定です。こうするとiPad Proを縦置きすることができるので,縦のA4判文書を作成するのにも都合が良いのです。(ただ困ったことに,iOS 9の日本語入力環境が賢くなった一方で機能的には後退してしまったところがあるため,この方法で利用する際には多少満足度が低いです。)
いずれにしても,板型のタブレット端末として登場したiPadには,そのシンプルな形状ゆえに様々な期待がかけられ,一方でiOSというプラットフォームが向いているシンプルな設計思想が様々な制限をもたらしているという現実が,iPadという端末の評価を難しくしているのも事実です。
少なくともiPad Proの登場によってiOS端末としてのiPadは,また次のステージを登り始めたわけで,前進もすれば後退もするプラットフォームとは今後も,目的と予算に応じて適宜判断しながら付き合う他ないように思います。
20151112 りんゼミ
りんゼミがスタートして6回目。それぞれが担当しているタンジブルな教材についての報告は続いています。
まだ課題についてどのように調べていくのか,調べたものをどう整理してまとめるのか,同時並行する卒業研究とつながった調査作業との配分をどう考えるのか等,ゆっくりのペースで学んでいってます。
今回はSpheroのプログラミングに関して実演をしようとしたところだったんですが,バッテリー切れでちょっと残念でした。
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ゼミ生に貸し出しているiPadもそれぞれ日常的に使いこなしてくれているようです。
発表にはGoogleのスライドを主に使っていますが,WordやPowerPointでの作成も促しているところです。というのも,Googleのオフィス関連アプリはまだiOS 9のマルチタスクへの最適化が行なわれていないため,現時点では2画面表示する「Split View」などに対応できていないからです。
やはり片方でWebの調べものをしながら,片方の文書やスライドに入力できる方が便利なので,そういう使い方ができるアプリにも積極的にトライして欲しいと思っています。無理する必要はありませんが。
また先週は,「Google Chrome」ブラウザを紹介しました。
やはり調べものしていると,海外のWebサイトにしか情報がないことも出てくるので,そうしたWebページからも積極的に情報収集するためには翻訳機能を持ったChromeブラウザを利用するのが効果的です。翻訳が完璧ではないという弱点を理解した上で,少しでも有用な情報と出会う手がかりに使ってもらいたいと思います。
ちなみに,ゼミ生のiPadには,次のようなアプリを入れてもらっています(主なもの)。
Google社製「ドライブ」「Classroom」「ドキュメント」「スライド」「スプレッドシート」「Chrome」「翻訳」
Microsoft社製「Word」「Excel」「PowerPoint」「Sunrise」「Office Lens」
MetaMoJi社製「MetaMoJi Note」
その他「Post-it Plus」
まだいろいろあるはずなので,今後ゼミ生に紹介してもらえればと考えています。
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次回からは文献購読もスタートさせようと思っています。また違った角度の文献に触れてもらって,いろいろ視野を広げてもらえたらと考えています。とはいえ,欲張りすぎて疲れないように気をつけなくては。