『教職研修』2014年9月号

 学校管理職の先生方を対象とした雑誌『月刊教職研修』2014年9月号の第2特集「学校タブレット入門――授業は、学校はどう変わるの」の前座原稿を書きました。

 この特集は全くの初心者の方が昨今話題になっているタブレット端末の学校への導入について学ぶ手がかりを提供するためのもので,その最初の入り口原稿を依頼されたのでした。お題は「いま,タブレット授業はどれくらい広まっているのか」と「そもそもタブレットとは?」の2つでした。

 依頼文から依頼主の意図などを読み取ることが最初の難関です。

 入門記事であるので,自分的には正確に事態を書きたいと思うけれど,おそらく細かい話はほとんど理解されないでしょう。そういうことに関心がない人が対象だから。それに字数的にも詳しい話を書くには厳しいのもでした。

 他の執筆者が誰なのかは知らされていませんでしたから(聞けば教えてくれたとは思いますが…),誰の原稿が続いてもふさわしいようにはどうすればいいだろうと頭をひねります。詳細は誰とも知れぬ方々にお願いするつもりで取り掛かるしかありません。

 こういう場合,あえてモヤッとコレとコレとコレ以上…みたいな構成にした方が分かった気になるというものです。国が進めているということ,既に地方が動くフェーズだけど地域によって温度差があること,家庭はすでに渦の中,そして学習指導要領も教育方法に言及し始めてるといったところを盛り込みましたが,一つ一つはだいぶ大雑把です。

 

 タブレットとは?という解説コラムも,乱暴に「タブレット型情報端末」と「タブレット型PC」の2つだけに分けて,タブレット端末そのものは限定された用途のものだと印象づける記事にしました。

 もっと踏み込んで「タブレット端末とパソコンは違うものです」としてもよかったし,その認識の方が問題回避しやすいのではないかと思うのですが,まぁしかし現実にはパソコンの置き換えを狙う人も多いし,確かにタブレット型PCはパソコンだし,この辺は多種多様ですといって丸めることにしました。

 読み側の人間として,こういう原稿は好みませんが,書くにあたっては丸め方をどう工夫するのか試行錯誤する面白さがあるので,嫌いではありません。

 実際に発売されて,他の執筆者が誰であるのか知ると,いやはや私が前座で申し訳ありません…という恐縮した感じになってしまいます。とにかく,タブレットなるものが学校教育とどういう感じなのか知りたい方はご一読を。