音声講義の収録環境

4月16日(木)に緊急事態宣言対象が全国に広げられました。

5月6日までを期間として措置が行なわれ,地域によって対応が異なるものの,公立学校の多くが休校となって,関係者が対応に追われています。

一部では,5月6日以降も事態好転は困難ではないかと予想し,休校継続の場合の在り方さえ,本格的に検討されています。これは普段からの危機管理対応体制の準備が如実に表れているため,基礎自治体によって本当に様々なようです。

私が住む徳島県は,検査による感染判明者数がゼロ(判明していた3人の感染者は回復し陰性判定済み)であるため,状況として幸いな反面,意識としての危機感や恐怖感は高まり,人に対する猜疑心でギスギスしているようです。

このような中で,私の勤務校も明日(4/20)からWebで授業開始です。

ニュースでもオンライン授業の取り組みが様々紹介されています。

テレワーク(Work from Home)での利用事例が多い事もあってか,教育分野でもZoomというビデオ会議システムを利用する試みも目立ちますし,動画教材を撮影・制作してYouTube等で配信する例もあるようです。

私も普段から授業で利用しているGoogle Classroomに動画を掲載して,オンライン授業に対応すればいいかなという程度の考えでいました。

私個人の性格もあって,環境づくりをしながら今後の作業構想を練るという段取りが得意なので,まずは手持ちの機材を確認し,どう組み合わせれば目的を達成できるのか試行錯誤を始める事にしました。

そうすると,動画収録環境を構築するという道のり途中で,音声収録環境の整備さえすれば目標達成できる部分も見つかったりします。講話中心の授業であれば,ラジオ講座のような方式でOKなのです。

すでに「ポッドキャスト」や「インターネットラジオ」の試みはしていましたので,そういうものにコンテンツを載せれば出来上がりです。

さて,音声収録環境です。

iPhone等のスマートフォンは,音声・映像処理部品の塊みたいなものなので,パソコンの下手なマイクやカメラに比べれば,はるかに性能の良いマイクとカメラで音声と映像を収録する事が可能です。

講義の音声ファイルをもっとも簡易に収録したいなら,スマートフォンと適切なアプリを組み合わせれば実現可能です。

お望みであればiPhoneアクセサリとして外部オーディオ機材を組み合わせればさらにグレードアップできます。

iPhoneアクセサリ(Apple Online Store)
https://www.apple.com/jp/shop/iphone/iphone-accessories/creativity

とはいえ,編集等の作業をするなど,パソコンで収録環境を構築したい場合があります。

今回は次のようなパソコンと機材で収録環境を構築しました。

○コンピュータ
Mac(macOS端末)
https://www.apple.com/jp/mac/
○ソフトウェア
Hindenburg Journalist(ポッドキャスト/インタビュー編集ソフト)
https://hindenburg.com/products/hindenburg-journalist
○オーディオインターフェイス
Audient evo4
http://www.allaccess.co.jp/audient/evo4/
○マイク
Shure SM58(ダイナミックマイク)
https://www.shure.com/ja-JP/products/microphones/sm58

追加の機材を導入するだけの価値があるかといわれると,これは収録した音声を聴く人の価値観によって答えが変わってくるかも知れませんが,私個人としては少しでも収録成果が良くなる事を目指しました。

iPhoneで収録した音声
macと追加機材で収録した音声

どちらも同じ環境の中で,口元とマイクの距離も似たような距離で収録し,違い過ぎてはいけないので,ノーマライゼーションという最大音量を揃える処理だけ施した結果です。

iPhoneもずいぶんクリアに収録していますが,ホワイトノイズと呼ばれるものも気付けばかなり聞こえていることが分かります。

macの方は,そもそもセッティングとしてマイク感度に合わせたレベル調整を施しているという事もあり,ホワイトノイズ系の音は抑えられていると思います。

もし長時間聴くようなことになれば,このあたりが「聴き疲れ」に関わってくるのではないかと思います。

オーディオ編集ソフト「Hindenburg Journalist」は,Apple社GarageBandをポッドキャストやインタビュー向けに洗練したようなソフトウェア。

有償ですが,音声コンテンツを扱いたい人には都合のよい機能も多く搭載しているので,関心がある人は試してみてください。

オーディオインターフェイス「evo4」を選んだのは,ダイナミックマイクのShure SM58を使いたいという希望が先行した結果です。別の候補としては「ZOOM UAC-2」という製品もありました。

実はオーディオインターフェイスには,もっと安価で手軽なものもたくさんあります。たとえば「ZOOM U-22」はコンパクトで安価なオーディオインターフェイスの一つです。それで十分な場合も確かにあります。

ただ,使うマイクによっては「マイク感度」が弱く,オーディオインターフェイスに補える性能やパワーがあるかどうかによってスペックが違ってくるわけです。安価なものの場合は試してみるまで十分かどうかが分からないということもあります。

そこで,それなりの性能を持ったオーディオインターフェイスを用意する事で,様々な特性のマイクに対応できるようにしておきたいという事がありました。上を目指すと値段にキリはありませんが…。

あるいはミキサーにオーディオインターフェイスが内蔵されたものもあります。その場合,ミキサーの性能次第ではマイク感度を様々に補える可能性があります。これもいろいろあるので確かめてみないといけないのは変わりません。

さて,マイクはShure社のSM58という定番マイクを使用しています。

マイクには,ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類に大別されるということは知られていますが,SM58はダイナミックマイク。電源が不要で感度が低いのです。

なぜ感度が低いダイナミックマイクを使うのか。

それは感度が良いと雑音を拾い過ぎるので,それを避けたいためです。

コンデンサーマイクは,電源必要ですが,その代わり感度が高いため,微妙な音を収録する際にはとても役立ちます。プロがそれなりの環境で使えば効果が発揮されるというわけです。

しかし,自宅も職場も実はあまり静粛な環境とはいえない,という一般ユーザーにとっては,感度が高いコンデンサーマイクよりも,感度が低いダイナミックマイクの方が扱いやすい事になります。(ケースバイケースですが…)

先ほどの音声サンプルでiPhoneとmacでの収録の違いをお聴きいただきましたが,まさにあれがコンデンサーマイクとダイナミックマイクの違いであると考えてもらってよいと思います。

というわけで,私の音声収録環境について雑にご紹介しました。

自宅と研究室とでは,収録環境が全く異なるため,実は機材構成もかなり異なるのですが,上記は比較的シンプルな構成をご紹介した次第です。

私の研究室は音声収録にとっては劣悪な環境で,普通に過ごしていても通電音のようなものがずっと鳴り響いていて,最初の数年は気が変になりそうになりましたが,最近は気にしない事ができるようになりました。(それでも聴いている事には変わりないので,それで疲れるんでしょうね)

人間なら気にしない事もできますが,音声収録となると話は別ですので,いろんなノイズリダクションやキャンセリングの技術を使って,なんとか聞き苦しくない音声を収録しようとしています。

とはいえ本来,音声を加工するのはご法度行為。

作品を創るという世界なら別ですが,ありのままの音をありのままに収録するというのが音響収録世界の本来の在り方ですし,そのためにそもそもの収録環境を整えるとか,機材を洗練するとか,聴きやすさの追及も原音をいかに崩さず調整できるかとか,そういう努力が積み重ねられてきた世界なわけです。

普段私たちが聞いている「いい音」は,そうしたプロの仕事のおかげで聴きやすく,疲れにくく,気持ちよく聴けるわけですが,それを自分たちでいざやってみようとすると,なかなか大変なんだという事が分かります。

それだけでなく,コンテンツとしての「音声」自体も重要です。

生まれ持った声も様々だと思いますが,少しでも聴きやすさを向上させるテクニックというものはあると思いますので,そうしたことにも意識したいなと思います。私にとっては一番頭が痛い部分ですが。

good times & bad times

前回ブログ記事からも刻一刻と状況は変わり,首都東京の感染者数の止まらない増加傾向と日本医師会の「医療危機的状況」宣言によって,私たちが本当に恐れなければならない事態が見え始めました。

厚生労働省・新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の4/1提言を踏まえて,3/24付けで出された文部科学省「新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」が4/1改訂されました。これにより新年度からの学校再開機運は地域の別はあれ一気に休校継続へと引き戻されていきました。

3/31の内閣府・経済財政諮問会議では,緊急経済対策とともに「デジタル・ニューディールの推進」が議題に上がり,デジタル化・リモート化の環境整備を進めることが議論されました。その中で遠隔教育やオンライン授業についても言及されました。

総務省は,家庭からのオンラインラーニングやリモートワークを後押しするために,情報通信ネットワーク整備推進の補正予算を立案や,電気通信事業者関連の団体に学生の通信環境の確保,通信費負担軽減等を要請するなど動きを見せています。

4/2の内閣府・規制改革推進会議「新型コロナウイルス感染症対策に関する特命タスクフォース」では,遠隔医療と遠隔教育に関して議論されました。このうち遠隔教育に関しては「ICT環境の早急な整備」「遠隔授業における受信側の教師設置基準の見直し」「遠隔授業における「同時双方向」要件の撤廃」「遠隔授業における単位取得数の制限緩和」「オンラインカリキュラムの整備」「オンラインでの学びに対する著作権要件の整理」といった論点が取り上げられています。

オンライン授業に関しては,著作権制限に関するハードルがありますが,これに関しては平成30年の著作権法改正で「授業目的公衆送信補償金制度」が規定され,すでにその保証金をやり取りするための窓口団体である「一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会」(SARTRAS:サートラス)が設立されていましたが,制度をいつ始めるのかの様子を窺っていた状態でした。

休校延長や授業開始延期等の緊急事態にあたり,授業目的での著作物利用(オンライン授業での教科書等の著作物利用)に関して特別な配慮をする動き[文化庁SARTRAS文部科学省],授業目的公衆送信補償金制度の前倒し施行を求める動きなど,これまでであれば後手にされがちであった事柄が喫緊の課題として繰り上がってきたのです。文化庁は前倒しを決めたようです[共同通信]。

4/3首相官邸・未来投資会議では,論点メモの中には「学校現場におけるオーダーメイド型教育(ギガ・スクール)」という議題も含まれ,感染症の影響だけでなく,5Gといった進行中である技術革新を踏まえた今後の方向性についても同時進行的に話し合われています。

携帯通信企業3社は,先の要請の流れもあって,25歳以下のスマートフォン利用者のデータ通信料についての支援措置を打ち出しています。[NTTドコモau by KDDIソフトバンクモバイル

学校関係者(教師や児童生徒たち)によるオンラインの集合や授業が世界中で行なわれていることが一般ニュースの項目として報道され,その視聴者もまたそれに関わらなくてはならない立場に立っているという,類い稀なる事態によって,教育ICTに対する注目はかつてないほど高まっています。

しかし,多くの学校や多くの家庭が,そうした事態に初めて遭遇することでもあり,何の準備もないこと,何から取り組めばいいのか,必要なものが何なのか,そもそもそれは自分たちが取り組むべきことなのかといった様々な疑問や不安が広がっています。

昨年末から急展開していたGIGAスクール構想は,そもそも学校内のネットワーク整備と児童生徒数分の端末整備が守備範囲の施策であり,一人ひとりが自宅で学習することをフォローするものではありませんでした。今回の事態のために前倒しするといっても,あくまでオプションだった「持ち帰り利用」をメインに据えるようにデザインし直すのは大変な作業です。

学校の先生達にとっても,本年度からは新しい学習指導要領にもとづくの授業の実施が始まるため,そのことだけでも手一杯だったところに,感染症予防対策業務が発生し,さらにオンライン授業のための教育方法を突貫的に習得しながら実践しなければならないとなれば,今年度の教育活動や個々の子どもたちの教科学習的な成長について,ほとんど誰も結果を見通せないのが現実です。

先回書いたように「あの日にかえりたい」という心理がないわけではないものの,事態はすでに厳しい局面に突入しているわけで,この緊急事態の中で,できるだけ先を見通しながらもできることから地道に取り組んでいくしかないといった状況だと思います。

こうした厳しい状況下で,様々なところで様々なノウハウの共有活動も活発化しているようです。悪い時だからこそ,協力し合って良い時を作り出していこうとするのは大事なこと。

確かに,非常事態に便乗した形でしか私たちは物事を変えられないのだろうかと,少し残念な思いを感ずる時もあります。普段から協力し合えていれば,もっと備えもできていただろうにと。

とはいえ,この期に及んで何もしないというわけにはいかないわけで,危機をうまく転じて私たちの未来に繋げていける前向きさも持ち続けたいものです。今回の事態で,苦しんでいたり,哀しいことになっている人たちのことを想いながらも,自分たちの身を守りつつ,考え続け,行動できるように準備したいと思います。

あの日にかえりたい

令和元年度を経て、令和2年度が始まります。

新型コロナウイルス感染拡大という事態は,昨年12月に中国・武漢の感染者発覚から表面化し、年明けから中国はもとより世界を襲い始めました。

1月31日にようやくWHOが「緊急事態宣言」を出し、日本では2月3日以降クルーズ船「ダイヤモンド・プリセンス」号での感染症対策活動に関する報道を通して,徐々に危機感が高まりました。

その後、2月27日に突如全国的な臨時休校要請が発表され,その他の社会的要請とも相まって,人々の社会的行動や経済的活動に甚大な影響を及ぼして今日に至っていることはご承知のことと思います。

3月2日から始まった臨時休校は,3月20日には要請の緩和方針が打ち出され,文部科学大臣は年度初めから従来通りの学校再開を目指してガイドライン等を準備するといった流れでした。

東京オリンピックの延期決定,そして東京都の感染確認人数の増加と感染爆発(オーバーシュート)による重大局面。国内における「緊急事態宣言」がなされるかどうかを巡って思惑や情報が錯綜しています。

厳し目の予測をして慎重な対応をすることが重要と考えていますが,事態の深刻さにもかかわらず,適切な情報や実感が掴みにくい現状に,正直なところ,何かを考えて語ることの難しさだけが押し寄せていました。

この間,教育とICTの世界に関して言えば,ネットワークとコミュニケーションサービスを利用した「オンライン学会」や「オンライン授業」といった取り組みに注目が集まり、さらに臨時休校中の家庭における学習を支援する様々なコンテンツやサービスの無償提供が注目されました。

オンラインで家から授業を受けるという未来予想図に押し込められていた取り組みが,全国一律の休校要請によって,すべての学校関係者にとって等しく大きな関心事になったというのは,これまで無かった一大事です。

全国の児童生徒1人1台の情報端末の整備をうたったGIGAスクール事業が決定した時でさえ,学校関係者の関心にほとんどのぼらなかったというのに,厄災である新型コロナによってデジタル教材やオンライン授業が関心事にのぼったのは皮肉という感じもします。

しかし,臨時休校緩和の方向が示され,地域の実情に即してとはいえ新年度から従前通り学校を再開するとなってから,盛り上がったオンラインへの関心も(大学を除いて)急速にしぼみつつあります。

基本的に学校は「通常状態」(いつもと同じ)に戻りたがる組織です。

逆に言えば,いつもと違うことを嫌がりますし,何かが起った場合には「あの日にかえりたい」と常に思いをはせる場所でもあります。そうならないために,あらゆることを遮断もします。

ただ,それでカバーできない事態が起ると,学校レベルや教育委員会レベルでは思考停止をする他なく,国レベルの指導を求める傾向が極めて強いのです。

そういう制度的な仕組みにしてしまっているので,良いも悪いもないのですが,少なくとも,何かをより良く変えることが難しいことの一因ではあります。

新型コロナウイルスの感染拡大という緊急事態は、いろいろな側面から,こうした仕組みや体質,傾向などを明るみにする機会となっています。また,これからの学校教育では不測の事態に迅速的確に対応する能力の育成もねらいに込められていることを考えると,現況への対応一つ一つがすでに新たな学校教育の取り組みそのものなのだということも見えてきます。

であるにもかかわらず,驚くほど何もできていない私たちや日本社会の現実について,やるせなさを感じます。

いろんなことでのチグハグさを目の当たりにして考え込んでしまうのです。

たぶん,理不尽な物事にも何かしらの事情や思惑があるのだろうと,違う立場での捉え方に想像を巡らせてみるのですが,限られた情報や知識のもとでは想像にも限界があります。

理屈で考えても納得できないことは幾らもあり,最終的には「今までがそうだから」が理由なのだろう…としか結論づけられないことも多いのです。

私個人は,これを機にいろんな見直しや変化が起ることを臨んでいる立場ですが,一方で、心のどこかで「あの日にかえりたい」と思ってしまう気持ちもどこかで理解できたりします。

感染症拡大は波のように何度も押し寄せて、次第に弱まっていく形で長期に付き合うことになるのだと思います。物事の変化も似たようなものなのかも知れません。一気に盛り上がれば,一気に下がるタイミングもある。それを繰り返しながら徐々に浸透するのかもしれません。

令和2年度も引き続き徳島文理大学にて在職しています。新たな挑戦を模索しながら新年度も頑張っていきたいと思います。

JSET全国大会の試行的オンライン化

2020年2月29日-3月1日に長野県・信州大学教育学部で日本教育工学会(JSET)の春季全国大会が開催される予定でした。

しかし,新型コロナ肺炎の感染拡大防止の社会的な動きに対応するため,現地での全国大会開催は中止。予定されていた発表は「されたもの」として扱うことが決定されました。

その上で,この機を捉えて試行的にオンラインで開催することが提案され,学会側の柔軟な承認と開催校の手腕によって短時間のうちに条件が整えられていきました。こうして緊急事態に直面したピンチをチャンスに変えて,JSET全国大会が試行的にオンライン化されることになったのです。

その裏舞台紹介に関しては開催校からすでに情報発信されています。

「学会全国大会のオンラインでの試行開催の運用メモ」日本教育工学会2020年度春季大会実行委員会(信州大学)
https://cril-shinshu-u.info/archives/1473

私自身は,いろんな事情から事前申込ができずにいて,開催される場合でも居住地・徳島と開催地・長野という遠距離を移動して参加すべきか悩んでいる状態でした。そこへオンラインで開催するニュースが届き,さっそくオンライン学会のための参加申込の手続きをしたわけです。

参加者側から

新たな設けられたオンライン開催(試行)への申込受付は,前日(2/28)までを締切として特別に用意されたものです。

段取りは通常の事前申込と同じで,Web上の申込が済むと2通のメールが届きます。一つは「申し込み確認メール」,もう一つが「決済完了通知メール」です。そして「決済完了通知メール」に参加者向けの学会WebページURLが掲載されています。講演論文集PDFもそのページからダウンロードできます。

上記の開催校の裏舞台紹介でも書かれているように「オンライン開催向け情報」は別途Webページが用意されることとなり,ビデオ会議システムZoomを利用したオンラインの学会会場の情報は,基本的に別途用意された側を参照することになりました。

付加的に急きょ準備されたため,当然のことながらWeb導線が煩雑になってしまうのは仕方ないことでした。

たとえば,今回のオンラインに参加する/しない発表者の情報はPDFにまとめられましたが,そのPDFは現地開催向けのWebページにリンクが用意され,オンライン開催向けWebページに進んでしまうと見落としがちでした。
また,会議室へのURLを掲載したPDFは,上のPDFとは別途用意されたため,多少混乱することもありました。くわえて別途Webページ版も用意するなど,間口を広げる配慮が,うまく機能する場面もあったし,逆に迷いを誘う結果ももたらしていたところはあったと思います。

Zoom会議室への参加は,Zoomアプリのインストールに成功し,少しばかり操作等を覚えれば,視聴する分には問題はなかったのではないかと思います。それぞれのセッション進行も,事前の説明資料も用意されたり,事務局側が段取りイメージを固めていたこともあって,ほぼ問題がなかったと思います。このあたりは短時間にも関わらず,いろんな想定をして準備を整えた信州大学の皆さんの功績です。

質疑は「手を挙げる」機能を利用することで発言の意思表示を行なって,司会者から指名を受けてからマイクをONにして発言する流れでした。

当初私は,初代iPad ProからZoomに参加していましたが,このiPad版だと,質疑応答に少々問題が発生していました。

iPad版Zoomアプリは,チャットと参加者一覧を画面内の脇に常時表示できない(画面中央を陣取ってしまう)問題があるのと,「手を挙げる」ボタンが参加者一覧と別メニューに用意されている問題(パソコン版は参加者一覧に統合されている)がありました。

そのため,質疑応答の際に,参加者一覧を表示して他の参加者の「手を挙げる」様子を眺めつつ手を挙げることが難しく。タイミングを逃すことや,手を降ろし忘れるといったことも起りがちでした。

その上,初代iPad Proのパワー不足か,それともiPad版全般の問題なのか,ビデオ会議の通信がたまに目詰まりのように止まってしまうことも起っていました。調子が良い範囲なら快適ですが,この目詰まりが質疑応答のタイミングでやってくると相手の発言を取りこぼしてしまうこともありました。(1日目は途中からMacを併用し,2日目はMacを使いました。)

会議室の切り替えは,会議室URLを選択すれば,退室確認アラートに答えることで簡単に切り替えができます。

ただし,オンラインでの入室退室はすべて把握されているので,誰かが入退室するたびにそのことが通知されますし,参加者一覧で誰が参加しているのかも把握できる状態にあります。この辺が,対面型の学会と違うため,ちょっと覗くとか,部屋の外から聞くような距離感での参加は気持ち難しくなります。

もっとも,参加者と座長以外は基本的にビデオOFF,マイクOFFで参加しており,表示される名前に関して特に設定ルールがなかったので,偽名を使ってずっと視聴する形の参加も可能だったといえば可能です。

一方,対面型の学会ならば,挨拶もせず,話をしていなくても,参加している姿を見かけるだけで生存確認や近況を拝察するといった意識掛けができますが,オンライン学会の場合,相手が完全に気配を消してしまうと認識できる可能性はゼロになります。仮に名前を発見しても,相手が発信行為をしていなければ様子を伺い知ることはほとんど無理です。

今回は懇親会もオンラインで開催するという試みが行なわれ,司会をしてくださった先生のおかげで,いろんな方の声や様子を聞くことができたのは良かったと思います。しかし,これが恒常的に行なわれるかどうかは,工夫をしないと難しいかも知れません。

シンポジウムはZoomからYouTubeライブへ配信する形で公開されました。

質問などはZoom側のチャットから拾うことになりましたが,実際のところ視聴者の書込みが賑やかだったのはYouTube側のチャットでした。ただし,YouTubeへの配信は30〜40秒程度遅れるため,チャットのタイミングも少し遅れてしまうことになります。それもあってZoomチャットからの質問受付けになったのだろうと思います。ただ,Zoom側のチャットは発表者や参加者に書込みが通知されるという特徴もあってか,書き込むのを遠慮している感じでした。

視聴者側のバックチャンネルのことまで開催側が配慮するのは変な話ですが,現実の場を共有していない分だけ,参加者からのちょっとしたアクションを上手に集めて進行に反映させる工夫が必要なのかも知れません。それでいて,ある程度自由というか開放感が伴っていないと視聴者からのアクションが生まれないという難しさも課題です。

JSET全国大会のオンライン開催(試行)は,シンポジウムの成功によって無事に幕を閉じました。短時間の準備にも関わらず,この結果は開催側にとって大成功だといって差し支えないと思います。

さて,残るは参加者側の問題ということになります。

今回の試行は有志による参加が中心であり,それなりに知識・経験を前提できたことと,不参加だった発表者の部分が時間的空白になったおかげで,参加者に時間的余裕があってことが成功に寄与していたと思います。

しかし,オンライン学会を本来のスケジュールで本格実施すると,同時進行している発表会議室間のタイミング合わせは今回よりもっとシビアになるし,画面を切り替えるだけとはいえ,その操作は慌ただしいものとなります。今後はトラブルが発生した場合に復帰作業をする余裕を確保する必要があるかも知れません。

一方で参加側の視聴スタイルは柔軟になります。従来も発表を聞きながら自分の発表準備等を内職するといった行為はあったわけですが,オンラインになると飲食しながら視聴が可能になりますし,複数端末を使って複数の会議室を同時視聴することも可能になります。良いことなのか悪いことなのかは,正直なところわかりません。

また今後,オンライン学会に移行した場合,会期日の予定をそのために確保することをしなくなる人もたくさん現れると思います。自分の身体を開催地に縛りつける必要がなくなれば,そのために貴重な時間を確保するといった判断が難しくなる人もいると思います。自分の発表部分だけ参加し,あとは別の予定を入れてしまうことも可能ですから,学会員としての共同意識が薄れてしまうといった懸念も起り得ます。

もちろん,すべてをオンラインにするのではなく,オフライン学会もしっかりと開催しつつ,その一部をオンラインにするとか,別に小規模のオンライン学会を開催するといった形など,いろいろな手法を組み合わせればよいことだと思います。その辺の全体像をどうするかはこれからいろいろ試していけばいいのではないかと思います。

というわけで,長らく願っていた学会のオンライン開催が,多くの方々の参加のもとに実現したことは,とても嬉しい出来事。今回の経験が,次につながることを期待したいと思います。

あらためて,今回のオンライン開催に尽力された開催校の皆様と学会事務局の皆様に感謝しつつ,そのご苦労を労いたいと思います。

動画中継のススメ

感染症予防に端を発して,様々な催事が開催中止となり,一部の企画でオンライン配信する形を模索する動きが起っています。

教育・学術界隈でも,この時期に開催される予定だった研究会や学会が同様な動きをとっています。

以前から研究会や学会をネットに動画中継する試みは散見されますが,必ずしもポピュラーではないのが実情です。

動画中継が難しい理由

なかなか普及しない理由はいくつかあります。

○映像撮影・配信向けの機材準備・運用のノウハウが別途必要になる。
○配信範囲を制御したり,視聴側とのやり取り等が難しい。
○配信内容によっては著作物使用許諾等の権利処理が必要な場合がある。
○記録された映像を残した場合の取り扱いを考える必要がある。
etc..

まず,映像撮影と配信に関する知識と技能が新たに必要になるのは,大きなハードルです。でもこれは,一度乗り越えればなんとかなりますし,昨今はわりと敷居が低くなっています。後でご紹介します。

中継すること自体は容易になってきましたが,配信範囲を制御したり,視聴者を管理したり,配信中にイタンラクトしようとするとまだ難しさがあります。この辺がノウハウ部分になるのかも知れません。

研究会や学会における情報発信は,オリジナルの情報も多いとは思いますが,どちらかといえば他者の知見を参照しながら新しいものを発掘する作業にもとづくことが多いので,他者の著作物を映像で見せざるを得ない場面が発生することも少なくないわけです。ここで権利処理問題が出てきます。

次に,配信には「中継」と「録画」があります。中継配信とは「ライブ配信」「生中継」「生放送」のようなもので,撮影しているものを即時配信処理して,可能な限りリアルタイムで視聴してもらう試みです。

もう一つ,録画配信は,撮影映像を記録しておき,撮影対象の催事が終了して以降に配信する形です。録画をそのまま配信する場合と,編集作業を施してから配信する場合などがあります。

中継配信していた映像を同時に録画しておいて,中継以降に録画配信することもできます。しかし,その場合,録画配信をいつまで可能にしておくのか,録画された映像の権利を誰が持つのか,再利用に対してどう対応するのかといった課題が盛りだくさんでやって来ます。

現時点で,公開状態にあるものは,関係者の暗黙の緩やかな合意によって細かな問題を一端保留にして動画共有を優先していることも多いです。

ざっくり考えても,以上のような問題が思いつくわけで,これらに対応することを考えると,そうそう気安くは動画中継に手が出せなくなるのも分かります。

それでも動画中継は有用

考慮しなければならない事項があるにしても,動画中継にはいろんな有用性があります。

端的には遠隔地との映像視覚的な情報共有が可能であること。テレビ放送のことを考えれば,全く同じではないにしても,その威力を理解することはできます。

冒頭に書いたように,感染症予防に関わる催事の開催中止の代替企画として,直接集会することなく遠隔地の人々と情報共有する際の手段として中継配信を利用することができるのは,大きなメリットです。

時間的な調整と各自が場所を確保できれば,集まる場所の確保といった手間を省くことができます。また,記録を残せるという意味でも便利です。昨今では音声認識技術が向上してきていますから,会議の文字起こしも自動化できるようになってきています。

気軽に実施する事例として,たとえば,私たちは何年か前から,ちょっとした洒落のつもりでネット上のビデオ会議システムを使った集いを継続してきました。

今回,その活動で行なっているテレビ会議の中継配信方法を紹介したスライドが作成されたので,ご紹介します。

スナック・ネル的オンラインコミュニケーション術
https://docs.google.com/presentation/d/1j23K0CCa5u86kRJA_lBUS5ZWV5pZVIcznrTgwzamlVs/edit?usp=sharing

ビデオ会議サービスのZoomとYouTube,それとFacebookの3つを組み合わせているところが特徴的です。

いわゆる「ビデオ会議」と「ウェビナー(Webセミナー)」の2つのタイプを合わせたものになっています。その上で,ウェビナーの視聴者同士の交流が可能なようにFacebookグループを用意して,同時進行的にコメントや好きにやり取りをしてもらっているのです。

この方法は,動画中継を気軽に覗いてもらうためスピーカーとフロアを分離する形をとりつつ,緩やかにつながりあうことを狙ったものです。

手続きや見映えはともかく,気軽に始めようということが大事です。

動画中継実施のタイプ

あらためて,研究会や学会をオンラインで実施する場合,「中継内容」「配信形式」「視聴者行動」の組み合わせでタイプ分けができます。

【中継内容】には,ある場所に集っている様子をネット中継する「現場中継」と,いろんな場所から参加しているビデオ会議の様子を中継する「多元中継」があります。
【配信形式】は,中継動画を「公開配信」するか「限定配信」するか,「リアルタイム配信」するか「録画配信」するか,などがあります。
【視聴者行動】とは,視聴者が「視聴のみ」なのか,チャット等で「参加する」のかどうかです。チャットやフィードバックのシステムを使ってコメントしてもらうこともあるし,映像や音声で接続してもらってある程度対等に質疑応答するといった方法も考えられます。

オンライン催事の趣旨や目標に沿って,どう組み合わせてタイプ構成するのか考える必要があります。

動画中継に必要なツール

中継内容によって配信に使うツールは決まってきます。インターネット接続は当然用意するとして,最低限次のようなものが必要です。

【現場中継型】
ハードウェア:映像を配信する端末,配信を確認する端末,Webカメラ,イヤホン,マイク,各種ケーブル等
ソフトウェア:Webブラウザ,動画配信サービスの登録(YouTubeやFacebookなど),動画配信アプリ(OBSなど)
【多元中継型】
ハードウェア:映像を配信する端末,配信を確認する端末,Webカメラ,イヤホン,マイク,各種ケーブル等
ソフトウェア:ビデオ会議サービスの登録とアプリ(Zoomなど),Webブラウザ,動画配信サービスの登録(YouTubeやFacebookなど)

単に現場を中継するだけであれば,スマートフォン一つで手軽に可能です。

しかし,催事をしっかり中継することを考えると,音声と映像をちゃんと届けられるように機材準備する必要がありますし,そのため機材を操作する人が別立てで居た方がよくなります。

ソフトウェアやサービスも,目的に応じて準備する必要があります。

現場中継するだけであれば,たとえばYouTubeに登録してセッティングすれば可能になるため無償で実現できます。Facebookの場合も同じです。使うソフトはWebブラウザだけで済みます。

専用の動画中継アプリといったものもありますが,特別な理由がなければ使う必要はありません。仮にその必要があってもOBSというアプリはネット上に無償で公開されているのでやはりコストはかかりません。

中継配信のプラットフォームはYouTubeやFacebook以外にも,Periscopeニコニコ生放送といったものがあります。それ以外にも手軽な配信サービスはいろいろありますが,催事中継向けがどうかは検討が必要です。

多元中継の場合は,ビデオ会議システムを使いますが,サービスによって無償のものや有償のものがあります。たとえばZoomは有償サービスですが,40分制限付きならビデオ会議機能のみ無償で使えたりします。

ビデオ会議サービスは他にもSkypeとか,Wherebyといったものもありますが,それぞれ特徴がありますので使い比べてみる必要があります。

公開範囲の設定

おそらく,中継配信をするにしても不特定への全面公開ではなく,参加申し込みをした人だけ,会員だけ,料金を払った人だけ,といった限定的な公開をしたい場合が多いのだと思います。

YouTubeを使う場合,「限定公開」という設定を利用すればYouTube上から検索や閲覧ができず,URLを知っている人だけが直接視聴できるように限定できます。逆にいえば,URLが分かれば誰でも視聴できます。

限定した人にだけ教えるとともにURLを得た人たちは外部に漏らさないよう協力する必要があります。

少し手の込んだ事をして,動画をWebページに埋め込み,Webページにパスワード設定するという方法もありますが,この場合,視聴登録のような仕組みも合わせて採用しないと,パスワードが漏れれば誰でも見れます。

そこで,Facebookを使うと,グループ機能を利用して限定公開することが可能になります。

あらかじめ限定的に試聴させたい相手をグループに登録する手続きが必要になりますが,Facebookのライブ配信機能はグループ向けに限定配信できるので,グループに登録していない人は見ることができません。

ただし,この場合,試聴する者が全員Facebookアカウントを所有していることが前提となります。

MoodleやMOOCシステム等を利用して,そこに登録してもらった上で、システム内にだけ配信するという方法も考えられます。この場合はYouTubeの限定公開機能と組み合わせるパターンもあるでしょうし,独自の仕組みを利用する場合もあるかも知れません。

動画配信のプラットフォームとしては,ニコニコ生放送も実績あるサービスですが,こちらはある程度ニコニコ生放送の仕組みや文化的なものを理解しておく必要もあります。情報処理学会などは公式チャンネルを開設していたることからも分かるように,本格利用するには準備が必要です。

公開範囲の設定とともに,視聴者からのフィードバックをどのように得るかについても,段取りや使うツールの選択を考えなければなりません。

たとえば、昨今ではMentimeterslidoといったツールが注目されています。以前にはGoogle Form,responPadletのようなものも使われてきました。

音声が最重要で,映像は次

動画中継というと,映像がキレイに配信されることが重要だと思われがちですが,実は映像よりも音声がクリアに届くことの方が遥かに重要です。

そのため,現場中継の場合はマイクによる集音が成功しているかどうかが一番大事なチェックポイントです。

多元中継の場合は,参加者が必ずイヤホンを利用しながら参加することが重要になります。音漏れすると会議音声の品質がグッと悪くなるからです。

音が小さかったり,反響したり等,音声が聞き取りにくいと,中継配信は本当に役に立ちません。

映像もキレイであるに越したことはありません。たとえばスライドや資料を表示する場合に,文字が見えないと残念な気持ちになりますから,映し出されたスライドをカメラで撮影する時はできる限りアップにしたり,あるいはスライドを直接パソコンから共有配信できるとよいわけです。

しかし,再度書きますが,映像のキレイさは二番目。一番大事なのは音声をクリアに届けられることです。そのための準備や工夫は重要です。

機材選び

いまはスマートフォン一つで中継配信ができる時代です。

スマートフォンは「ネット回線+カメラ+マイク+イヤホン端子」が合わさった機器なので,これに配信アプリが加われば,即配信できるのも当たり前です。

Webブラウザを介してYouTubeやFacebook,もしくはビデオ会議のZoom等を使う場合には,機材の組み合わせを揃えなければなりません。

手っ取り早いのはノートパソコン内蔵のカメラとマイクを使うことです。ビデオ会議の場合,これにイヤホンを取り付けるパターンと,外付け式又はインカム式のマイクとイヤホンを取り付けるパターンなどがあります。

中継ではWebカメラを使った方が便利でしょう。Webカメラは「カメラ+マイク」が合わさったものをUSBケーブルでパソコンと接続できる周辺機器です。Logicool社のものが有名ですが,サンワサプライ社やバッファロー社のものもあります。価格の幅も広いです。

音声が一番重要であるという観点から,外付けマイク選びは大変重要になります。ただし,マイクほど奥が深く安易な選択をすると失敗しやすい機材はありません。

たとえばサンワサプライ社のマイク製品Webページを見るだけでも非常にたくさんの種類のマイクがあることがわかります。会場の音を集音する場合は無(全)指向性を選ぶことになりますが,それなりの性能を期待するとなると、お値段もそれなりになります。1万円以下のものを選ぶ場合は気をつけなければなりません。

また,企業のビデオ会議のような複数の人間が音を聞きながらも話をする状況では,個々人がイヤホンやマイクを持つようなことはできないので,スピーカーホンのようなものを使います。この場合,専用のものを使わないと快適ではないので,たとえばYAMAHA社のシステムのようなものが必要です。

もしも複数のカメラや映像ソースを切り替えたいとなると,専用ソフトウェアか,AVミキサー(スイッチャー)が必要になります。たとえば,ローランド社のAVミキサーは,複数のカメラからHDMIケーブルで繋げた映像を切り替えてパソコンにUSB入力できるものです。ただし,お値段はそれなりに。他にはCerevo社のLiveWedgeBlackmagicdesign社のATEM Miniといったものがあります。

機材は凝り出したらキリがない

素人にできる動画中継のクオリティを高める方法は,安定高速なインターネット接続を確保することくらいです。

パソコンやカメラ,マイクといった機材も性能の高いものを使うのが良いに決まっていますが,正直なところ,これはキリのない世界です。

正直に申せば,ちゃんと動画中継したいなら,素人は頑張らずに,プロに任せた方がいいです。その方がプロの知識と機材を利用できて,仕事に失敗がない。

ただ,プロに頼むことができない事情もあったりします。

私たち自身で中継配信ができる!そういうことが可能になったというのもこの時代の有り難さでもあります。自分たちの都合に合わせて,いろいろ組み合わせながらも情報発信や共有をするのは楽しいことです。

今回は動画中継の勧めでしたが,学校教育においては動画教材を制作するということが古くから取り組まれてきています。配信はともかくとして,動画を制作することは,これからますます機会が増えていくと思います。